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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.111】『わたしはダフネ』

2021.07.02


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。先日ご紹介したイタリア映画祭、7/18(日)までは過去の人気作をオンラインで楽しめますよ。今回紹介する作品も、ぜひ見てほしいイタリア映画。大切な存在を失った家族の話であり、自分らしく生きることを教えてくれる作品であり、主人公のダフネに魅了されてしまうこと間違いなしです。


ダフネは忙しい。さっきまで陽気に笑っていたと思えば、次の瞬間には辛辣な言葉を相手にぶつける。優しくて、手厳しい。愛する母マリア(ステファニア・カッシーニ)が突然この世を去り、動揺する自分を落ち着かせようとする周りの人たちに対して、「私は泣きたいの!」と主張する。ビーツが死ぬほど嫌いで、愚痴をこぼす人が嫌い。「生まれつき好奇心が旺盛」と語り、美容室には月2回通うおしゃれさん。
これだけ書き連ねても、ダフネの魅力はなかなか伝わらない気がします。


家族って不思議で、誰か1人が欠けるだけでバランスが崩れてしまうことがありますね。ダフネとマリアと、父ルイジ(アントニオ・ピオヴァネッリ)がどんな家族な(だった)のか、どんな時間を過ごしてきたのかはよく分かりません。残されたダフネとルイジの様子から、母マリアが家族というチームを回してきたことが想像されます。
気落ちする父親に対し、母親の故郷を訪ねる旅を提案するダフネ。彼女の髪の毛と同じ紅色のダウンコートと、父ルイジのブルーの上着は、2人のキャラクターがそのまま表れているようにも感じました。歩く2人の姿がイタリアの山間部の自然に映え、とても美しいロードムービーでもあるのです。


性別や年齢、国籍や信条。人は誰でも、いろいろな社会的カテゴリーを持ち合わせて生きています。ダフネもそう。彼女は自分のカテゴリーを受け入れ、日々を楽しんでいます。「人は入れ替わりが激しいから、愛着を持たないようにしている」そんな風に語りながら、溢れんばかりの愛情で周りの人を明るい気持ちにしています。
もしダフネが自分の周りにいたら……? ちょっとうるさいなあと思いつつ、そのストレートな言葉に傷つけられもしながら、やっぱりその魅力には抗えないような気がします。


『わたしはダフネ』7月3日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー
配給:ザジフィルムズ
©2019, Vivo film - tutti i diritti riservati

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

文/編集部・小松正和

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