子どもの心をくじく「後ろ向き」な心配わが子が仲間はずれにされたら、親は胸が痛みますね。いろいろと心配もするでしょう。
心配=相手を思う愛情というイメージがありますが、じつは、「親の心配」には2パターンあります。
一つは子どもが元気になる心配。もう一つは子どもが苦しくなる心配。違いは「子どもへの信頼感」です。 前者は「つらい状況だけど、あの子ならきっと大丈夫。信じて見守ろう」という前向きなもの。子どもは親の愛情を感じられ、勇気づけられます。対して後者は「一人で大丈夫かしら。もっと悪い状況になるかもしれない。かわいそう」という後ろ向きなもの。わが子を思う気持ちはとても強いのですが、信頼感が薄いため、子どもはしゅんとなりがちです。「あなたは無力だ、解決できない」と言われているように感じ、自信をなくす子もいるでしょう。
子どもが「大丈夫」と言って詳しく話さないのは、これまでの経験から、「親に話すと過剰に心配されて余計つらい」と思っているせいかもしれませんね。
子どもが自分でピンチを乗り越える力を育てよう 小学校高学年でケガや深刻ないじめの兆候がないなら、子どもの意思を尊重し、親は見守るのがいいと思います。それを無視して介入すれば、子どもは「親に信頼されていない。裏切られた」と感じ、溝が深まるでしょう。
心配するかかわり方は、いったんお休みを。そして、友達のこと以外の子どもの意思表示や自発的な行動に注目するかかわり方にシフトしましょう。子どもの言動を前向きにとらえる練習になります。続けるうちに子どもへの信頼感が育ち、やがて、心配のしかたも前向きなものになるでしょう。
特にNOの意思表示は、肯定的に受け止めると効果的。親はカチンとくるかもしれませんが、いやなことをいやと言える力は、自分を守るためにも大切です。
「親が自分を信じ、受け入れてくれた」という実感の積み重ねは、子どもの自信を育てます。今回のことを含め、ピンチを自力で乗り越える力の土台にもなるでしょう。