close

レシピ検索 レシピ検索
オレンジページ☆デイリー

オレンジページ☆デイリー 気になるTopicsを毎日お届け!!

編集マツコの 週末には、映画を。Vol.46】「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」

2020.02.06


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
映画館で上映中にトイレに行きたくなりそうで不安になる、と以前書いた気がします。
牧歌的な作品なら数分のロスも問題ないのですが、謎解き要素や事件性のあるものだとちょっと見逃しただけで展開が変わってしまうことがあるので、特に要注意(と言いつつ、コーヒーやビールを飲みながら見るのが好きなんですけど)。
そんな事情(?)もあって、ミステリーものはちょっと苦手。ヒューマンドラマで家族の秘密が明かされるとか、この事件の裏側にはこんな事情が隠されていて……というストーリーは好きなのですが、純粋な殺人もの、スパイもの、刑事ものはあまり見ないんですよね。

そのマツコが激しく! リコメンドするのが、『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』。ダニエル・クレイグ演じる少しすっとぼけた探偵が、名家で起きた殺人事件の謎に迫るという王道中の王道ミステリーですが、上質な笑いがあり、予想の斜め上を行く展開があり、ミステリー苦手な僕でも最後まで楽しめました!


監督のライアン・ジョンソンさんは、『スター・ウォーズ』シリーズの8作目『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を監督した方。
今作との比較を色々としたいところですが、マツコは『スター・ウォーズ』シリーズを1つも見たことがないエセ映画ファンなので、それは出来ません。いつかまとめて見ます……。

ミステリーの巨匠アガサ・クリスティーを意識しているという今作は、「ミステリーはこうでなきゃ!」な設定のオンパレード。
ニューヨーク郊外の屋敷で、85歳の誕生日を迎えた屋敷の主人にして作家であるハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が急死。自殺に見えたものの殺人の疑いも出てきて、誕生日パーティに集まった家族全員が容疑者に。そこへ名探偵のブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が訪れる……。
ここまでコテコテな設定が逆に新鮮! 登場人物のキャラクターもバラエティに富んでいます。
不動産会社を経営する長女リンダ(ジェイミー・リー・カーティス)、既に他界している長男の妻ジョニ(トニ・コレット)と娘のメグ(キャサリン・ラングフォード)は殺されたハーランからずっと援助を受けていたらしく、次男のウォルト(マイケル・シャノン)はハーランの営んでいた出版社を継いだ跡取り。長女夫婦の息子ランサム(クリス・エヴァンス)はどうやら放蕩息子のようで、一族のつまはじき者……etc.

それぞれハーランを殺害する動機がありそうで、誰が犯人なのか全く予想がつかない展開です。先を読むのは早々に諦めて(笑)、アカデミー賞の脚本賞にもノミネートされているテンポのよいストーリーに身を委ねるのがおすすめ。


この王道ミステリーをより面白くしているのが、名探偵のブノワ(ダニエル・クレイグ)と、ハーランの専属看護師であるマルタ(アナ・デ・アルマス)の存在。
現代のアメリカでこういう殺人事件に名探偵が乗り込んでくることがあるのかそもそも謎ですが、ちょっと不思議なしゃべり方だなと思っていたら、南部訛りの設定だそう。どこかひょうひょうとしていて、推理を語るのに夢中になって周りに止められたりするコミカルな一面があって、それでいて容疑者たちをじわりじわりと追いつめていく名探偵ぶりを見せる、とても不思議で魅力的なキャラクターです。

ブノワが主役と思いきや、看護師のマルタもまた、このストーリーに欠かせない人物。献身的にハーランに尽くし一家からの信頼も厚いマルタですが、彼女もやはり容疑者の一人です。
鶏の照り焼きに一味唐辛子をふると甘辛味が引き立って俄然おいしくなるように、彼女の存在が良いスパイスとなって物語に奥行きを与えています。
血縁的には他人であるマルタがこの事件にどう関わっているのか……これは映画を見て確かめてほしいのですが。
現代のアメリカ社会を映し出すような、さまざまな社会階層の人たちが絡み合うところも見どころの一つかなと思いました。


ダニエル・クレイグは『007』シリーズのジェームズ・ボンド役のイメージが強いですが、こういう役も意外なほど合うんですね。
『アベンジャーズ』のキャプテン・アメリカ役でおなじみのクリス・エヴァンスもしかり。軽いノリでクセのある役が新鮮でした。

冒頭で述べたように、ミステリー好きかどうかに拘らず誰もが楽しめる作品。1分たりとも見逃せない展開なので、上映前にトイレは済ませておきましょう!


「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」  TOHOシネマズ日比谷ほか大ヒット全国公開中!
配給:ロングライド
©Claire Folger


【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。
文/編集部・小松正和

次回2/14(金)は「スキャンダル」です。お楽しみに!

関連タグでほかの記事を見る

SHARE

ARCHIVESこのカテゴリの他の記事

TOPICSあなたにオススメの記事

記事検索

SPECIAL TOPICS


RECIPE RANKING 人気のレシピ

PRESENT プレゼント

応募期間 
2024/4/23~2024/5/6

ニューラウンド万能鍋プレゼント

  • #食

Check!