カラフルなクリームにシンプルでかわいいデコレーション。
推し活で注目を浴びている「センイルケーキ」をご存じですか?
「センイルケーキ」とは?
「センイル」とは韓国語で誕生日のこと。「推し」の記念日のために用意する、韓国発祥のキュートな「センイルケーキ」が、今、人気を集めています。教えてくれたのは、菓子研究家の下迫綾美さん。
「デコレーションの要はホイップクリーム。乳脂肪分が高い生クリームに牛乳をプラスし、塗る作業がしやすく、食べておいしい配合にこだわりました。ホイップするときは、ボールを氷水に当ててよく冷やすと口当たりがよく、状態が安定します。
スポンジケーキにクリームを塗るときは、ぜひフラットタイプの『パレットナイフ』を使ってください。100円ショップでも買うことができますよ。プロが使うような回転台はなくても大丈夫。縁の立ち上がりがあまりない平皿にスポンジケーキをのせて、回転台代わりに使えばOKです」(下迫さん)
今回は6月に創刊39周年を迎えた『オレンジページ』を自らお祝い!
編集部のイチ推しカラー、オレンジで彩ったキュートなセンイルケーキのレシピを特別公開します。
『センイルケーキ』のレシピ
材料(直径約15cmのもの1台分)
市販のスポンジケーキ(直径)15cm……1台
〈ホイップクリーム(作りやすい分量)〉
生クリーム(乳脂肪分45〜47%)……350ml
牛乳……50ml
グラニュー糖……40g
オレンジ色の食用色素(ジェルタイプ)※……適宜
〈シロップ〉
グラニュー糖……15g
水……25ml
オレンジ(皮をむき、スライスしたもの)……適宜
ドライオレンジ……適宜
タイム(フレッシュ)……適宜
チョコペン(オレンジ)……1本
※ホイップクリームやアイシングなど食品を着色するための色素。今回は扱いやすく発色のいいジェルタイプを使用。製菓材料店で1 個530 円くらい。
下準備
・耐熱の器にシロップの材料を入れる。ふんわりとラップをかけて電子レンジで30秒ほど加熱し、よく混ぜてグラニュー糖を溶かす。
・スポンジケーキは厚みを半分に切り、上側と下側の断面にシロップを塗る。
・ボールにホイップクリームの材料を入れる。ボールの底を氷水に当てながら、すくうとゆっくりと落ち、できた跡がすぐに消えるくらい(六分立て)まで泡立てる。別のボール2つを用意し、100g(A)、100g(B)、残り(C)の3つに分ける。
作り方
(1)色つきクリームを作るAのボールの底を氷水に当てる。食用色素をつま楊枝にとり、ごく少量ずつ加えながら、そのつど混ぜ合わせ、好みの濃度のオレンジ色にする。使う直前まで冷蔵庫で冷やす。
(2)サンド用のクリームを作り、ケーキに塗る
Bを泡立て器ですくうと、クリームに角(つの)が立ってとどまるくらい(八分立て)まで泡立てる。スポンジの下側を器に盛り、クリームの1/2量を塗ってオレンジを並べ、残りのクリームを塗り広げておおう。上側のスポンジケーキを上面を下にして重ねる。
(3)七分立てクリームで「下塗り」をする
(1)のクリーム(A。※写真では色がついていませんが、実際にはオレンジ色)は、すくうと角(つの)が立っておじぎするくらい(七分立て)まで泡立てる。ケーキの上面に1/4量をのせ、パレットナイフ※を水平に持ち、上側全面にざっと塗り広げて平らにする。残りのクリームの1/3量をとり、パレットナイフで側面全体をざっとおおう。
※クリームを使ったデコレーションケーキ作りに欠かせない道具。今回は写真のフラットタイプを使用(へらの長さ約16㎝)。100円ショップなどでも購入可能。
POINT
「側面を塗るときは、パレットナイフはケーキに垂直に当てて動かさず、きき手と反対の手で器を時計回りに回転させます」
(4)七分立てクリームで「本塗り」をする
残りのAの1/2量を(3)と同じ要領でケーキの上面に塗り広げる。側面にも残りのクリーム適宜を塗り、なでるようにして整える。器にはみ出したクリームは、パレットナイフの先でこそげ取る。
(5)上からクリームをたらす
ケーキの中央にCをのせる。パレットナイフを水平に持ち、中央から縁に向けてクリームを塗り広げ、縁にたまったクリームをかるくなでるようにして側面に少量ずつたらす。
(6)チョコペンで文字を書くチョコペンは袋の表示どおりに湯せんで温める。きき手を反対の手で支えながら、クリームの上にチョコペンで文字を書く。書き終わりはチョコペンをすっと上に持ち上げるようにするとよい。ドライオレンジ、タイムをあしらって完成!
直接クリームに文字を書くのが心配な場合は、文字だけ別に作っておいても。
金属製のバットを伏せてに置いてラップを敷いた上にチョコペンで文字を書いて、使う直前まで冷蔵室へ。さわると溶けやすいので、菜箸かピンセットでケーキにのせましょう。
食用色素は、扱いやすく発色のいいジェルタイプがおすすめです(製菓材料店で、1個530円くらい)。あなたの推しに合わせて色や文字を変えて、アレンジしてみてくださいね。
教えてくれたのは……
下迫綾美さん
菓子研究家。「Thinglikeお菓子教室」主宰。グラフィックデザイナー、都内の人気洋菓子店でのパティシェの経験もあり、失敗しない、再現性の高いレシピに定評があります。
2024年9/2号(8月17日発売)の『オレンジページ』では、絞り袋を使ったデコアレンジも掲載しています。あわせてご覧ください。