五島灘の美しい海や東シナ海に面し、約140の島々が連なる五島列島。なかでも北部の上五島(新上五島町)には、2018年6月に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として登録されたものをはじめ、小さいものもいれると29の教会がたたずんでいます。
この夏の旅行先におすすめ、最近ますます人気の五島列島の、見ておきたい教会と名物グルメをご紹介。
アクセス長崎港から上五島の中心地・中通島の有川港まで高速船で約2時間、鯛ノ浦港まで約1時間30分、奈良尾港までジェットフォイルで約1時間15分など
青い海と空を近くに感じながら教会めぐり
長崎・五島列島は隠れキリシタンの深い歴史を持ち、50以上の教会が点在することから「祈りの島」と呼ばれます。その多くを擁するのが上五島の中通島。教会ごとに異なる趣、島の花をモチーフにした装飾など、荘厳なだけではないレトロなかわいさもみどころです。
教会は基本的に開かれていますが、ミサなど行事の際は見学不可のため、長崎の教会群インフォメーションセンター(
http://kyoukaigun.jp)などで確認を。
荘厳で、神聖で、かわいい。「花の御堂」と愛される石の教会
中通島から橋を渡った先、頭ヶ島の人里離れた集落にたたずむのは、国内では珍しい石造りの教会。多くの教会建築を手がけた鉄川与助の設計のもと、信者たちが近くの島から石を切り出して積み上げ、10年以上をかけて1919年に完成しました。その外観は荘厳ながら、聖堂にはパステルカラーと花があふれ、優しい雰囲気に包まれます。
水色の天井や、島の名産・椿をモチーフにした装飾がかわいいと拝観客からも人気。白い椿の花は4枚の花びらで十字架を表しているとも。
■頭ヶ島天主堂電話:095-823-7650(長崎の教会群インフォメーションセンター)
住所:南松浦郡新五島町友住郷頭ヶ島638
見学の際は要事前連絡
水面に映るとんがり屋根の教会は、童話から出てきたようなキュートさ!
静かな入り江に面した木造教会はおとぎ話に出てきそうなとんがり屋根。水面に鏡のように映る様子から「水鏡の教会」とも呼ばれています。聖堂は、ピンク色の祈り上げ天井、椿のような赤い花の装飾で華やいだ雰囲気。5月になると、庭園のマリア像は赤や白の満開のバラに囲まれます。
■中ノ浦教会電話:095-823-7650(長崎の教会群インフォメーションセンター)
住所:南松浦郡新上五島町宿ノ浦郷中ノ浦
建築当時の姿を残す重要文化財。赤いれんがと青い海のコントラストも素敵
奈摩湾を望む丘にある堂々たる教会は、100年以上前に信徒がれんがを積み上げて建て替えたもの。晴れた日の朝早くや夕方、バラや桜が描かれたステンドグラスにさし込む光が、聖堂のベンチや床に描く色模様は神秘的でうっとり。一人静かに、自分を振り返るのにぴったりの静謐さです。
■青砂ヶ浦天主堂電話:095-823-7650(長崎の教会群インフォメーションセンター)
住所:南松浦郡新上五島町奈摩郷1241
「五島牛」をガッツリいただきます!
和牛日本一にもなった長崎和牛のうち、五島で育ったものが「五島牛」。潮風を受けたミネラル豊富な牧草で育つ五島牛は柔らかくて甘みがありながら、脂身はさっぱり。希少な「幻の牛肉」を味わう時間は幸せの極み!
海辺の洋食店の欲ばりランチで五島牛を気軽に楽しむ!
蛤浜ビーチそばにある洋食店。溶岩プレートで供される「五島牛のサイコロステーキ」(110g)2180円(税込み)は、マルシンなどの希少部位を玉ねぎたっぷりの自家製ソースでいただきます。
かもめ亭電話:0959-42-5577
住所:南松浦郡上五島町有川郷2427-11
営業時間:
火~水曜、金~土曜)11:00~13:30(L.O) 、17:30~19:30(L.O)
木・日曜)11:00~13:30(L.O)
定休日:月曜
「五島うどん」をツルンといただきます!
その歴史は遣唐使の時代に始まるともいわれる「五島手延うどん」。海塩を練り込んだ生地に、食用椿油を塗って手間ひまかけてのばし、乾燥・熟成します。細くて丸くて、のどごしのいいうどんはあごだしつゆと相性バツグン!
五島うどんといえば「地獄炊き」。地元のおいしいがギュッと凝縮!
テーブルにでんと置かれた鉄鍋で、細めんをゆでること7~8分。あつあつうどんをあごスープでいただく釜揚げ風の「地獄炊き」(セットは税込み1000円)は地元での定番の食べ方だとか。製麺所直営のこちらの店のあごスープは、焼いたとび魚(あご)から時間をかけてとるあごだし100%。こく深いだしが細麺にからむおいしさにやみつき!
竹酔亭電話:0959-42-0650
住所:南松浦郡新上五島町七目郷56-1
営業時間:平日10:00~14:00、休日10:00~14:30
定休日:1月1~3日
のんびり島時間に心がほどけ、おなかがすいたら島の名物に舌つづみ。
この夏は美しい西の島へ旅をしてみませんか?