もしものときに家族を守ってくれる防災備蓄。数ある必須アイテムのなかでも、健康面に直結するのが清潔・健康ケア用品です。衛生リスクが高まる災害時こそ、自分と家族の健康を守るための準備と心がけを!
生活環境がガラッと変わる災害時は、ストレスにより免疫力が低下し、菌やウイルスに感染しやすくなります。健康維持のためには身のまわりの清潔が重要ですが、おろそかになりがちなのがオーラルケア。口内に汚れが残っていると、ムシ歯や歯周病だけでなく、増殖した細菌が肺に入って肺炎を引き起こす誤嚥性肺炎になるリスクも高まってしまうのです。
2016年の熊本地震では、肺炎を含む呼吸器系の病気が災害関連死の約3割を占めています。高齢者ではそのほとんどは誤嚥性肺炎によるものという説も。だから災害時でも口内を清潔にすることが、とても大切なのです。避難後も安心せず、ふだんの生活となるべく同じペースでオーラルケアを継続すること。それが命を守ることにもつながります。
災害時は片づけのためにいろいろなものにさわります。また、避難所では多くの人が触れたドアノブや手すりなどにさわることも。手を洗わずにいると、菌やウイルスを目や口に運ぶ可能性大。汚れたものや大勢の人がさわるところに触れたら、こまめな手洗いや手指消毒剤で手を清潔に保ちましょう。
汚れた手のまま食事をすると、健康被害を引き起こす可能性が。
避難所のトイレは大勢が共同で使用するので注意が必要。
おむつはもちろん、トイレで子どものおしりを拭いた後も必須。
がれきの撤去や避難所内の清掃など、作業後の手にはバイ菌がいっぱい。
災害時はペットの清潔もおろそかに。抜け毛にはアレルゲンも。
鼻腔内の菌が手に。せきやくしゃみで口をおおった場合も必須。
ゴミに触れる場合は、できれば使い捨て手袋などを使って。
防災備蓄には家族分のハブラシなどオーラルケアアイテムも忘れずに。口と手の清潔を守るアイテム選びのポイントをチェック!
家族全員分を必ず備蓄しておきたいアイテム。ハミガキがなくても、ハブラシさえあれば歯みがきはできます。自分に合った、ふだん使っているものを用意して。小さい子どもがいる場合は仕上げみがき用があると◎。使用後のハブラシはしっかり乾燥させて個別で管理を。
極薄ヘッド&極細ネックが奥歯の奥までしっかり届いて歯垢を落とす。歯科医推奨設計のハブラシ。歯のすきまにフィットして、歯垢をしっかりかき出す弾力フィット毛を採用。
子どもの小さな口でも奥歯まで届く極薄・超コンパクトヘッド。大人が持ちやすいスリムなハンドル形状で、動かしやすくみがきやすい。子どもの口にやさしい、やわらかめ。
口を開けて歯みがきをすると飛沫が飛んでしまうので、人の多い避難所では「口閉じ歯みがき」を心がけましょう。
前歯の外側をみがくときは口をすぼめて「ウー」の形で、前歯の裏側をみがくときはハブラシのかかとを使うと、口を閉じていてもしっかりみがけます。
口内の細菌の増殖を抑える効果のある、殺菌成分入りがおすすめ。子ども用もあると安心です。ノンアルコールタイプは刺激も少なめ。キャップで計量できるものなら、コップ代わりにも。
歯ぐき活性化作用、コラーゲン分解抑制作用、浸透殺菌作用、抗炎症作用の4つの作用で、歯周病*を防いで健康な歯ぐきをキープ。ノンアルコールで歯ぐきにやさしい使用感。
*歯周病は歯肉炎・歯周炎の総称
ムシ歯の原因となる細菌の繁殖を防ぎ、ムシ歯・口臭、歯肉炎を予防。低刺激のノンアルコールタイプにフルーツフレーバーで、子どもも使いやすい。ぶくぶくうがいができたら習慣に。
歯間ブラシやデンタルフロスは、ハブラシだけでは落とせない歯の間の歯垢を落としてくれるアイテム。ふだんから使用している人は、使い慣れたものを忘れずに用意して。歯ぐきを傷めないように、自分の歯のすきまに合ったサイズのものを使いましょう。
奥歯の歯間にも入れやすいL字型。耐久性のある超高強度ワイヤー&先細ノズルで折れにくく曲がりにくい。しっかり握れるロングハンドルで届きにくい奥歯もしっかりケア。
初めてでも使いやすいY字型デンタルフロス。洗って繰り返し使える高強度。奥歯の歯間にも届きやすく、独自ハンドルで持ちやすさ&動かしやすさも◎。3つのカラーが1セットに。
水なしで手指を清潔にできるケア用品は、消毒効果のあるものを用意。手指消毒剤を使う場合は、手のひらをこすり合わせるだけでなく、指の間や指先、手首などの汚れが残りやすい部分にもしっかりすり込んで。こまめにキレイにして手の清潔を保ちましょう。
密着ジェルが手にとどまり、つめの間などにもしっかりいきわたって消毒。子どもから大人まで量を調整しやすいポンプで、飛び散りにくく手からこぼれにくい。手肌をいたわる処方。
ミスト状に噴霧されるので、手のすみずみまでサッと消毒できる。乾きが速いから、帰宅時や調理前に消毒した後、すぐ次の動作に移れるのもGOOD。
とくに水で手洗いができないときは、お手ふきシートなどを使って、汚れやすい部分をしっかり拭き取りましょう。お手ふきシートがない場合は、ティッシュペーパーを8つ折りにして少量の水でぬらしたもので代用を。
手のひらをしっかり拭きます。
シートを裏返して手の甲を拭きます。
親指の腹から指先にかけて汚れを拭き取ります。
人さし指から小指を親指と同様にして拭きます。
協力/ライオン株式会社 ☎0120-556-913
●商品の価格は、すべてオープンプライスです。
監修/災害危機管理アドバイザー 和田隆昌 取材・文/山本二季 イラスト/さとう みゆき
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