
【マンガ お気楽のヒント】母親があれこれ口出ししてきて、うんざりします

雑誌『オレンジページ』で毎号連載中の「お気楽のヒント」。
心理カウンセラーの石原加受子先生が、心の悩みに寄り添って、わかりやすく解決してくれるマンガと解説が大好評! 3月1日には、反響の大きかったお悩みをまとめた電子書籍が発売されました。
どれも「あるある!」と実感するものばかり。その一部を〈試し読み〉としてご紹介します。
【今回のお悩み】
母は私のすべてをコントロールしたがります。私のやることなすことに口を出し、自分の価値観を押しつけます。
反発すると決まって「あなたのためなのよ」と言われる息苦しい日々。結婚でようやく家を離れたのに、毎日のように電話をかけてきて一日の行動をすべて聞きたがったり、頼んでもいないのに長々と人生アドバイス。
正直うんざりだけど、相手にしないと恩知らずだろうか、という罪悪感から、つい電話に出てしまいます。

–{解決のヒントは?次ページへ!}–

子どもを支配することが自分の存在意義に
子どもを自分の思いどおりにしたい。このように思う母親の心理的な背景には、「自立心のなさ」が潜んでいることが多くあります。自分の生き方に自信がなく、子どもが離れていくのが怖くて寂しい。だから、自分の思いどおりにさせて縛ろうとしてしまうんですね。また、自分がやりたかったけどできなかったことなど、自分の理想を子どもに押しつけることで、自己実現を図ろうとしている場合もあるでしょう。
このような母親は、世間では「毒親」などと呼ばれることもあるようですが、本人にはまったく自覚はありません。むしろ「いいことをしている」と思っています。いやがるのをわかって口出ししたり、ケチをつけたりするのも、子どもと離れたくない、からんでいたいという無意識からの行動なんですね。
子どものほうも、小さいころから「自己主張すると否定される」ことを繰り返しているので、母親が望む自分でないことに、罪悪感を感じる心ができてしまっているのです。
「母親と自分は、違う存在」と念じて
このような母親との関係性を変えていくには、2つのステップが必要です。まずは、心の中で「自分と母親を分ける」作業を行います。つまり、「自分と母親は違う人間だから、考えが違うのは当たり前だ」と強く心に念じるのです。すると罪悪感が薄れ、ラクな気持ちになれます。
次に、母親が口を出してきたときのコミュニケーションを変えていきます。ポイントは、「共感」と「自己主張」をセットにすること。たとえば、考えを押しつけてきたときは、「お母さんはそう思うんだね」(共感)、「でも、私はこう思うんだ」(自己主張)というように言ってみましょう。「自分の言うことも認められた」と感じた母親は、自分に自信を持つようになります。
このような会話を積み重ねていくことで、母親の自立心が育ちます。そして、「子どもを認める生き方」を学んでいくのです。もちろん急にはむずかしいので、気長に少しずつ、ですよ!
–{お気楽メソッドを次ページで伝授!}–
\すぐできる! お気楽メソッド/
「時間指定」で自己主張のレッスンを
母親に自己主張するのが苦手なら、まずはこの方法から。母親と接する時間を、あらかじめ決めて伝えておきましょう。
たとえば電話なら、「私は○時までなら話せるよ」というふうに。自己主張の練習にもなるうえ、母親との距離もうまくとることができます。
<監修>石原加受子先生
心理カウンセラー。心理相談研究所オールイズワン代表。「自分を愛し、自分を解放し、もっと楽に生きる」ことをめざす自分中心心理学を提唱。『「また断れなかった…」がなくなる本』(河出書房新社)など著書多数。
<マンガ>今井久恵
『お気楽のヒントシリーズ』は、3月1日に電子書籍で発売予定!全4シリーズの詳細はこちらから!
マンガで日々のモヤモヤ解消!
お気楽のヒント 特集ページ

監修/石原加受子 マンガ/今井久恵 構成・文/神坐陽子