
【マンガ お気楽のヒント】子どもが仲間はずれに。親が助けに入ってもいい?

雑誌『オレンジページ』で毎号連載中の「お気楽のヒント」。
心理カウンセラーの石原加受子先生が、心の悩みに寄り添って、わかりやすく解決してくれるマンガと解説が大好評! 3月1日には、反響の大きかったお悩みをまとめた電子書籍が発売予定です。
どれも「あるある!」と実感するものばかり。その一部を〈試し読み〉としてご紹介します。
【今回のお悩み】
最近、小5の娘が学校の友達とうまくいっていないようです。仲よしのAちゃんたちと遊ばなくなり、朝も一人で登校するように。
娘にきいても「何でもない」「大丈夫」と言うばかりで、詳しく話してくれません。「Aちゃんたちに『うちの子も入れて』と言う? それとも向こうの親に相談する?」と悩みますが、娘ももう5年生。
親が口を出すのはおかしいかなと思ったりもして、モヤモヤ。でも、娘がかわいそうで見ていられません……!

–{子どもへの対応、どうしたらいい?}–
子どもの心をくじく「後ろ向き」な心配
わが子が仲間はずれにされたら、親は胸が痛みますね。いろいろと心配もするでしょう。
心配=相手を思う愛情というイメージがありますが、じつは、「親の心配」には2パターンあります。一つは子どもが元気になる心配。もう一つは子どもが苦しくなる心配。違いは「子どもへの信頼感」です。
前者は「つらい状況だけど、あの子ならきっと大丈夫。信じて見守ろう」という前向きなもの。子どもは親の愛情を感じられ、勇気づけられます。対して後者は「一人で大丈夫かしら。もっと悪い状況になるかもしれない。かわいそう」という後ろ向きなもの。わが子を思う気持ちはとても強いのですが、信頼感が薄いため、子どもはしゅんとなりがちです。「あなたは無力だ、解決できない」と言われているように感じ、自信をなくす子もいるでしょう。
子どもが「大丈夫」と言って詳しく話さないのは、これまでの経験から、「親に話すと過剰に心配されて余計つらい」と思っているせいかもしれませんね。
子どもが自分でピンチを乗り越える力を育てよう
小学校高学年でケガや深刻ないじめの兆候がないなら、子どもの意思を尊重し、親は見守るのがいいと思います。それを無視して介入すれば、子どもは「親に信頼されていない。裏切られた」と感じ、溝が深まるでしょう。
心配するかかわり方は、いったんお休みを。そして、友達のこと以外の子どもの意思表示や自発的な行動に注目するかかわり方にシフトしましょう。子どもの言動を前向きにとらえる練習になります。続けるうちに子どもへの信頼感が育ち、やがて、心配のしかたも前向きなものになるでしょう。
特にNOの意思表示は、肯定的に受け止めると効果的。親はカチンとくるかもしれませんが、いやなことをいやと言える力は、自分を守るためにも大切です。「親が自分を信じ、受け入れてくれた」という実感の積み重ねは、子どもの自信を育てます。今回のことを含め、ピンチを自力で乗り越える力の土台にもなるでしょう。
–{お気楽メソッドは次ページで!}–
友達には笑顔で挨拶を
子どもの友達にも、「なぜ遊びに来ないの?」など、介入するような言葉をかけるのはNG。反発心を刺激し、事態が余計こじれるもとに。
それよりも、「おはよう」「行ってらっしゃい」とにこやかに挨拶を。温かい言葉に、友達も感じるところがあるかもしれません。
<監修>石原加受子先生
心理カウンセラー。心理相談研究所オールイズワン代表。「自分を愛し、自分を解放し、もっと楽に生きる」ことをめざす自分中心心理学を提唱。『「また断れなかった…」がなくなる本』(河出書房新社)など著書多数。
<マンガ>今井久恵
『お気楽のヒントシリーズ』は、3月1日に電子書籍で発売予定!全4シリーズの詳細はこちらから。

監修/石原加受子 マンガ/今井久恵 構成・文/神坐陽子