
長谷川あかりさんのナイショごはんレシピ。夫がいない夜に食す『激辛納豆かけごはん』
長谷川あかりさんの〈激辛納豆かけごはん〉

「辛い~!」っていいながら食べる、ストレス解消レシピ。SNSには絶対載せられません(笑)
今注目の料理家・長谷川あかりさん。長谷川さんの代名詞といえば、とびきりおいしそうなのに、疲れているときでも無理なく作れるすてきなレシピの数々(しかもおしゃれ!)です。
以前のインタビューでは、「ちゃんと〈作った感〉のあるレシピの方が、料理のたのしさを感じられると思うんです」と話していただけあり、人に見せるのがちょっぴり恥ずかしいごはんなんて、あるのかしら……と思いきや、いえいえ、ちゃんとありました。
しかも、長谷川さんが研究に研究を重ねて到達した、究極の一品が。
「もともと辛いものが大好きで、疲れると無性に辛い物が食べたくなるのですが、手っ取り早く&おいしく激辛にありつけるのがこのレシピ。材料を混ぜるだけで、本当は人にお見せするようなものではないんですけど(笑)。
納豆のうまみと豆板醤の辛み、ニラのパンチのある香りのハーモニーが最高です。ポン酢の酸味も、疲れているときにはたまりません」
長谷川あかりさんの
『激辛納豆かけごはん』のレシピ
材料(1人分)
納豆……1パック
にら……1/4わ
豆板醤……小さじ1/4~好きなだけ!!
市販のぽん酢しょうゆ……大さじ1~2
温かいご飯 どんぶり一杯分
作り方
(1)にらは幅1cmに刻む。
(2)ボールに納豆、にら、豆板醤、ポン酢をよ~く混ぜる。あたたかいごはんにたっぷりかける。
「このレシピが生まれたきっかけは、家でひとりのとき、冷蔵庫に食材がなかったこと。今から買い物に行くのはめんどくさいし、疲れているから辛いもので元気を出したいなと、かろうじてあった納豆と豆板醤、市販のたれを混ぜて作ってみたら、すごくおいしくて!
そこから、ちょっと酸っぱいものを足そうとか、ニラを入れてみようとか、いろいろと組み合わせを研究して、形になったレシピです」
「うちの夫はにらが苦手なので、普段一緒に食べるごはんはにら抜き。だから夫がいない日は〈にらチャンス〉(笑)。冷蔵庫からガッとニラを掴んで、意気揚々と大量に切って作るんです。夫が先に寝た後、夜中に何か食べたくなったときにもぴったり。彼に気付かれることなく、しれっと作っちゃう。〈ヒミツのごはん〉のレシピですね」
「いきなりですが私、ジェットコースターが苦手なんです。なんでわざわざ落ちたりひっくり返ったり、怖い思いをするんだろうって。でも叫んだりすることで、ストレスを発散できるわけですよね。
私にとって、そんなジェットコースターのような存在が辛いもの。じつは激辛グルメのイベントに毎年行っていたほど好きなんです。めっちゃ辛い料理を、『来るぞ、来るぞ……わ~!来た!辛い~!!』ってむせび泣きながら食べるのがストレス解消。
だからこれを作るときも、豆板醤をどんどん足しちゃう。スリル満点です(笑)!
私はありえない量の豆板醤を入れますが、みなさんは真似せず適量で作ってください(笑)」
「それからコツがもうひとつ。ポン酢は『味ぽん』などの手ごろなものがベスト。ゆず果汁が多かったり、果肉が入っていたりする高価なポン酢より、味にまとまりが出ます。 ノンオイルだからさらっと食べられますが、フライパンでカンカンに熱したごま油を〈じゅっ!〉と回しかけて、ちょっぴりジャンクにしてもおいしい。そうめんや、豆腐に乗せるのもおすすめ。お酒のおつまみにもいいんです」
「〈ナイショごはん〉エピソードでいうと、昨年出版したレシピ本にも掲載した〈海苔キュウトースト〉も、元々は〈お恥ずかしながら…〉系レシピでした。 丸ごと一本のきゅうりを塩もみして、そのまま食パンに乗せて。SNSにあげたら、意外とおいしい! ってじわじわ評判になりました。
海苔キュートースト。海苔ときゅうりで、海苔キュー。わさび塗った食パンをトーストし、バターをたっぷり塗ったら海苔をちぎってのせ、塩揉みしてしっっかりと絞ったきゅうりをどーん。一本丸ごと豪快に。ピリッとくるわさびとバターのコク、海苔の旨味ときゅうりの食感&塩気が最高のハーモニー?? pic.twitter.com/bCe64I8DGH
— 長谷川あかり (@akari_hasegawa) June 24, 2022
そんな感じで、いつものごはんも〈ナイショごはん〉も、そんなにスタンスは変わらず作っているんです。
でもこの〈激辛納豆かけごはん〉は、絶対SNSにはあげられません! レシピというより、自分の中ではネタ的な料理。毎回やりすぎとわかりつつ、豆板醤を入れて遊んじゃう(笑)。 みなさんが作るときは、くれぐれも豆板醤の入れ過ぎに注意してくださいね!」
「おいしい……けど、辛い~!」の表情の長谷川さん。辛いものを食べることが、何よりのストレス発散法だそう。ほんのちょっぴり恥ずかしいけれど、長谷川さんにとってなくてはならない存在のレシピなのでした。
料理家、管理栄養士。雑誌やWEB、食品メーカーなどで幅広くレシピを提供。子役としてデビュー後、女優として活躍。料理で人に喜んでもらった経験から料理家の道をめざす。自身のSNSで数多くのレシピを紹介し、発見のある組み合わせと手軽なレシピが大好評。著書に『クタクタな心と体をおいしく満たす いたわりごはん』(KADOKAWA)。
Twitter:@akari_hasegawa
料理/長谷川あかり 撮影/キッチンミノル 文/唐沢理恵 ヘッダー写真/新居明子