元宝塚歌劇団 星組男役スター・天華えまさん「筋トレが好き! 屋久島では2日連続で登山しました」【美のトビラ】

めぐりをよくしながら体力を維持。塩素を除去して体をさびさせない。天華さん流のすこやかな「美」のつくり方とは?
【食のトビラ】ではすこやかな食生活やおいしいものを披露してくださった、元星組男役の天華えま(あまはな・えま)さん。今回は天華さんの美しさの秘訣について、じっくり探ります!
>>前回・元宝塚歌劇団 星組男役スター天華えまさん「朝食は必ず玄米と納豆です」【食のトビラ】

――宝塚歌劇団を卒業されて運動量が減ったのではないかと思いますが、今はどのように体を動かしていますか?
退団して本当に運動量は減りました。とりあえず今は、毎日バーレッスンとストレッチと、ストレッチポールを使って体をほぐすことをしています。体を動かさないとダメだ! と思って自分に合うスタジオを探しているところです。マシンピラティスがいいかなと思いつつ、パーソナルジムも行ってみたいんです。



コロナでのステイホーム中には一日3時間筋トレをして、ものすごく体幹が強くなりました。学生時代に教わっていたバレエの先生が、筋トレなどを取り入れたウォーミングアップやバーレッスンなどの基礎練習を大事にしていたんです。そのせいか、体を鍛えるのが好きなんですよね。授業中は椅子に寄りかからず、腕はかるく曲げて床と水平の位置でずっとキープ。先生からいつも「いつノート書くねん!」と言われていました(笑)。
――たとえば電車に乗ったときなども無意識に筋トレしちゃっていますか?
座りながら上体をずっと引き上げています。あと、太ももが開かないようにくっつけて内転筋を鍛えています。
体はすぐには変わらないから、毎日少しずつ積み重ねていくことが大切だと思うんですよね。今までの男役に必要だった筋肉とこれから使う筋肉は違うと思っていて、自分の体のポジショニングを変えるためにも今までとは違う鍛え方をしなければと考えているところです。
キツいのがいいんですよ。自分がどこまでやれるのかを試したい。「疲れたー! でも、やったーーー!」っていうのを味わいたいんです(笑)。
屋久島に行ったときに、2日連続で登山したんですよ。「縄文杉コース」で10時間、「白谷雲水峡・太鼓岩コース」で8時間くらいかな。「そんなむちゃな組み方する人いないよ」と言われましたが、終わった後もすごく元気でした。

――やはり体力がすごいですね! 美のためにこだわっていることはありますか? ルーティンとか。
一日の始まりにはまずお白湯を飲み、体のめぐりをよくします。お水を15分くらい沸騰させて不純物をとばしてからさましたものを、少しずつゆっくりと。その後に朝食をとります。
沸騰とつながりがあるところでいうと、私、塩素除去が好きなんですよ。あ、それがこだわりかもしれないです。シャワーヘッドも、水道水の残留塩素を低減させるミラブルplusを使っています。あれは本当に素晴らしい! 体より髪のほうが効果を感じますね。髪の毛がすごくツルッとします。母も「あなたのうちに来ると、髪がツルツルになるわ〜」と言っていましたし、友達も驚いていました。



https://i-feel-science.com/

あと、酵素風呂も好き。ぬか床に横たわってデトックスされている感じがいいんです。
――気持ちよさそう! ミラブルも気になります。シャンプーやスキンケアはどんなものを使っていますか?
シャンプーとトリートメントはCOTA、スキンケアはFAITHです。
――両方ともサロン専売品をご愛用なんですね。
そうなんです。COTAは、ヘアサロンでシャンプーしてもらったときに「今までとまったく手ざわりが違う」と感動して使いはじめました。私、硬くてクセのある髪質で、毛量もめっちゃ多いんです。ブリーチを何回しても切れたりせず、とても丈夫。使えば使うほどよさが実感できるCOTAのおかげか、いい状態を保てています。


https://www.cota.co.jp/products/i-care

FAITHも、通っていた酵素風呂のサロンで使っていたもの。肌にみるみる浸透してしっとりするんです。透明感のある肌をめざし、ブライトニングラインを使っています。


https://www.lamellar.jp/

–{天華さんがカラオケで歌う曲は……?}–
眠れないということがなくて、すぐ寝られるんです。眠る環境を整えるために、寝具はこだわっていますね。実際に試したマットレスのなかでいちばんよかったのが、西川の大谷翔平さんのマットレス(エアーSX)。寝ごこちが抜群で体にしっくりきました。枕はオーダーのものを使っています。
――ストレスがたまったと感じたときは、どう対処していますか?
カラオケに行きます。まずはエヴァ。『残酷な天使のテーゼ』で飛ばし、あとはaikoさん、倖田來未さん、ドリカムさん、MISIAさん……。昭和の歌謡曲も好きです。『恋に落ちて-Fall in love-』も必ず入れる曲。一人でもノリノリで、2時間は歌いまくります。一人だと曲を入れるのが大変なんですけど(笑)。

――まとめてババッと入れないとですよね(笑)。天華さんはあまり役を引きずらないほうですか? オンとオフの切り替えはどうされているのでしょうか?
うーん、あまりオンとオフを切り離してはいないです。『ディミトリ』のナサウィーをやっているときはずっと本を読んでいました。もともと読書は好きなのですが、それ以上に。元気な役のときはずーっと出かけていたりもします。
ふだんの生活の中でも、その役のためになることをするとか、その役のためになるところに行くとか、「役のため」ということを優先的に考えていますね。
――それが負担にならないということですよね。
仕事自体が好きなんだと思うんです。あと、仕事のためにスイッチを入れて「天華えま」になる、という意識があまりないのかもしれません。本名のときと芸名のときで、あまり変わらないねとよく言われるんです。

――仕事場である舞台の上で、いちばん意識していた「美」は何でしたか?
舞台化粧ですね。美しいからこそみなさんに見に来ていただける宝塚歌劇は、総合芸術だと思っています。衣装の着こなし方や立ち方、手の使い方など伝統的な形式美があり、それが継承されて性別を超えた男役が完成されていく世界です。トータルで「美」を表現するなかで、やっぱりお化粧が果たす役割は大きいなと感じていました。
これからはよりリアル感のあるお芝居が求められるとともに、舞台メイクもまったく違う表現をしていかなければなりませんよね。柔軟に、前のめりに、たくさんのことを学んでいきたいです。

体を鍛える話をされていたとき、「解剖学も一度教わったことがあって、ここの筋肉を動かしたらこっちの筋肉も鍛えられる、みたいな連動性がおもしろいなぁと。高校時代に体の筋肉のつながりの図を書いていて、まわりに心配されたことがあります」。
とことん突き詰めるけれど決してストイックというわけではなく、それを楽しみに変えてしまうポジティブさこそが天華さんの大きな魅力なのだと思いました。
あまはな・えま/元宝塚歌劇団星組男役。
2012年に98期生男役として入団、組まわりを経て翌年星組に配属。2016年『桜華に舞え』で新人公演初主演。その後『THE SCARLET PIMPERNEL』『ANOTHER WORLD』でも新人公演主演、2023年『Stella Voice』ではバウホール公演メインキャストに。2024年4月6日の『RRR×TAKA“R”AZUKA〜√Bheem〜/VIOLETOPIA』東京公演千秋楽にて退団。退団公演ではエトワールを務めた。5月18日に開幕する舞台『サイボーグ009』には声の出演が決定。また、初めてのディナーショー『華』を8月24日に宝塚ホテルで、9月16日に第一ホテル東京で開催する。
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撮影/三好宣弘(RELATION) 本人提供 サイエンス提供 コタ提供 フェース提供 文/淡路裕子