
何度も作りたくなる、実直な美味しさ。ムラヨシマサユキさんの『ショートブレッド』

小麦粉とバターをギュギュッと固めて焼いた「ショートブレッド」。
独特の素朴な形と穴の開いた表面。少し堅くて、ボロッとくずれる粗い食感。でも焼き色が強くないから、香ばしさよりも使った素材の味が前面に出てくる実直さが最大の魅力。
自身も「とても好き」と語る、ムラヨシマサユキさん特製のレシピです。
本来はヨーロッパで主流の発酵バターを使いますが、ここでは手に入りやすい無塩バターにほんの少しヨーグルトを加え、発酵した乳製品の風味をたしています。
『ショートブレッド』のレシピ

材料(1.5×7cmのもの約16本分)
バター(食塩不使用)……60g
粉砂糖(なければグラニュー糖)……30g
塩……ひとつまみ
薄力粉……130g
〈A 〉
牛乳……小さじ2
プレーンヨーグルト……小さじ1
下ごしらえ
・バターは室温にもどす。
・粉砂糖、薄力粉はそれぞれざるでふるう。
作り方
(1)材料を混ぜる

ボールにバター、ふるった粉砂糖、塩を入れて、ゴムべらで粉けが見えなくなるまで混ぜる。
POINT
バターに粉類を押しつけるように混ぜるとうまくいきます。
(2)残りの材料を混ぜる

ふるった薄力粉と〈A〉を加え、粉けが見えなくなるまでさらに混ぜる。
POINT
混ぜ終わりの生地は下記の写真の感じです。

(3)めん棒でのばし、やすませる

オーブン用シートを25cm四方に2枚切る。1枚に(2)をのせ、もう1枚をかぶせる。上からめん棒で、厚さ1cmの長方形(約14×12cm)にのばす。そのまま冷蔵庫で2時間やすませる。
(4)切って穴をあけ、焼く

オーブンを170℃に予熱する。(3)のシートをはがし、まな板の上にのせる。包丁で長さを半分に切ってから、幅1.5cmの棒状に切る。竹串で1本につき4カ所穴をあける。オーブン用シートを敷いた天板に間隔をあけて並べ、170℃のオーブンで25分焼く。天板のままケーキクーラーにのせてさます。
POINT
穴は下記の写真のようにあけます。

ショートブレッドの表面の穴はなぜあるのかわかりますか?
じつは、ただの模様ではなく、厚い生地の中央の火の通りが悪くならないようにあける大切な穴なのです。
シンプルだからこそ、繰り返し作って食べたくなる味わい。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
料理/ムラヨシマサユキ 撮影/有賀傑 スタイリング/西崎弥沙 文/編集部・清水