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老後資金は1人1000万円必要?FPが丁寧に教える『最新の医療・介護費』平均と対策

老後にかかるお金の中でも、とくに気になるのが医療費と介護費。「実際、どれくらい準備しておけばいいの?」と不安に感じる人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、老後にかかる医療費と介護費の平均額をチェック。かかる費用は1人あたり1000万円……⁉ 最新データをもとに、ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんがわかりやすく解説します。

老後の医療費は平均でいくらかかる?

厚生労働省の資料によると、65歳から89歳までの25年間に窓口で支払う医療費の自己負担額は、平均180万~200万円※。ここに、急な病気やけがで長期入院が必要になった場合を想定して上乗せします。70歳以上の医療費の自己負担限度額は月5万7600円※。10カ月入院したと仮定すると57万6000円。これらを合計した約250万円が、老後の医療費として準備すべき一つの目安といえます。

※年収370万円の場合

65~89歳の医療費の自己負担額合計
平均 180万~ 200万円

10カ月入院した場合の自己負担額
平均 57万6000円

⇒ 合計 約250万円

※厚生労働省「医療保険に関する基礎資料」(令和4 年)より概算

老後の介護費は平均でいくらかかる?

介護にかかる費用の平均は、月額で9万円。平均的な介護期間とされる4年7カ月(55カ月)分の費用を合計すると495万円になります。ここに、自宅の改修や介護用ベッドの購入といった一時的な費用(平均47万2000円)を加えると、総額は約542万円に上ります。この金額は、介護保険サービスを利用したうえでの自己負担額です。公的制度があってもこれだけのお金が必要になる場合があることを知っておきましょう。

※年収370万円の場合

介護費用(月額)
平均 9万円

×

介護期間
平均 4年7カ月(55カ月)

一時的に必要な費用
平均 47万2000円

⇒ 合計 約542万円

介護を行った場所別介護費用(月額)

介護をどこで行うかによって、月々の負担額は大きく変わります。介護を行った場所別にみると、在宅が平均 5.3万円、施設が平均 13.8万円(いずれも月額)。施設入居を検討する場合は、平均よりも余裕を持った予算を見積もる必要があります。

※生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」


医療や介護にかかるお金は、病気の種類や介護期間などによって個人差がありますが、平均値を知っておくことで、具体的な金額をイメージしやすくなります。最新データによると、65歳以降にかかる生涯の医療費の自己負担額は、平均約250万円。一方、介護費は、平均的な介護期間を想定した月額と一時的に必要な費用を合わせて、約542万円かかる計算に。2つを合計すると、約790万円。近年の医療・介護費は増加傾向にあるので、予備費を含めて、1人あたり1000万円を目安に準備しておくと安心です。

※2026年1月26日時点の情報です。

教えてくれたのは……井戸美枝さん

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、社会保険労務士。社会保障審議会企業年金・個人年金部会委員を歴任、国民年金基金連合会理事。『 私の老後のお金大全 一番シンプルで堅実な人生後半のお金の備えガイド』(日経 BP)など著書多数。

『オレンジページ』2026年3月2日号より)

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監修/井戸美枝 イラスト/沼田光太郎 取材・原文/太田順子 文/池田なるみ