
【イチからわかる腸活】納豆は加熱すると、栄養効果は変わる?
※この記事は、タカノフーズ納豆研究開発・所長 赤田圭司さんの監修のもと、作成したものです。
納豆は、栄養豊富で「完全食」ともいわれる日本伝統の発酵食品。
腸活にも効果があると言われていますが、「納豆と組み合わせるとよい食材って?」「加熱すると納豆菌はどうなる?」などなど、疑問をお持ちではないですか?
というわけで、今回は納豆菌の強さの秘密や健康効果、腸活効果について、クイズやQ&Aで楽しく学んでいきましょう!
まずはクイズにチャレンジ!

◆納豆の豆知識クイズ♪ あなたはいくつわかる?
①納豆菌は生きて腸に届くって、本当?
答えはYes。
胃酸は金属さえも溶かしてしまうほどの強い作用がありますが、納豆菌は胃酸にも負けずに生き延びるんです! 胃から小腸を経て、大腸に生きて届きます。そして、そのまま便と一緒に体の外に排出されることがわかっています。
② たくさんかき混ぜると、納豆菌が元気になるって本当?
答えはNo。
混ぜる回数によって納豆菌が増殖したり、納豆菌がつくる健康成分が増えたりすることはありません。また、かき混ぜないでそのまま食べたからといって、納豆菌が減ることもありません。ただし、たくさんかき混ぜると空気を含んで口当たりがまろやかになるというメリットも。自分好みの混ぜかげんで食べてOK。
③ 納豆菌は加熱したり、冷凍したら死んでしまうの?
答えはNo。
納豆菌は熱に強く、100℃以上に加熱しても、マイナス100℃に冷やしても死んでしまうことはありません。自分にとって好ましくない環境になると、硬い殻に包まれた〈胞子〉に変身して休眠状態になり、自分が快適な状態になるまで待つのです。
–{納豆にまつわる素朴な疑問Q&A}–

◆納豆にまつわる素朴な疑問Q&A
知れば知るほど、驚かされる納豆パワー。
みんなが知りたい素朴な疑問を、納豆のスペシャリスト・赤田さんに質問しました。
おいしく食べて、健康づくりに役立ててくださいね!
Q. 納豆1粒あたりに、どれくらいの納豆菌が生きているの?
A. 納豆1粒あたりに含まれる生きた納豆菌は、なんと約2億個! ちなみに、納豆1gあたりに10億個以上の生きた納豆菌が入っているとされるので、市販の納豆1パック(50g)には、500億個以上もの納豆菌が入っていると考えられます。
Q. 納豆を食べると善玉菌が増えるって、本当?
A. 答えはYes。原料の大豆には、腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維、便のかさを増してくれる不溶性食物繊維が豊富に含まれています。口から入った納豆菌は腸内に棲みつくことができませんが、毎日食べることによって、善玉菌を増やして腸内環境を整えることができます。
Q. 納豆のネバネバした糸の正体は?
A. 納豆を混ぜたときに糸を引くネバネバの主成分は、納豆菌が作り出すポリグルタミン酸という成分。ポリグルタミン酸は発酵食品の中でもとりわけ納豆に多く含まれており、「食後の血糖値上昇」を抑える働きがあります。納豆かけご飯を食べるほうが、ご飯のみを食べるのに比べて「食後の血糖値上昇」を抑え、糖尿病の予防にも役立つとされています。
Q. 食べるタイミングは1日の中でいつがいいの?
A. 納豆は一般的に、「朝食時に食べると代謝がアップする」「血液をサラサラにするので夕食時に食べると良い」などといわれています。でも、食べたいときにおいしく食べるのが一番なので、1日のどの時間帯に食べてもOKです。
Q. 納豆は加熱すると、健康成分がなくなっちゃうの?
A. 納豆汁や納豆トーストなどのように加熱しても、納豆菌が死んでしまうことはありません。また、納豆菌がつくるビタミンK2(骨を強くする成分)は熱に強く、加熱しても大丈夫です。ただし、ナットウキナーゼ(血液をサラサラにする作用が期待される酵素)は加熱に耐えられず、壊れてしまうので注意。
Q. 納豆菌が元気になる温度は? また、ベストな保存法は?
A. 発酵のプロセスで納豆菌が元気に増殖するのは40℃くらいとされます。とはいえ、常温だと保管中に発酵が進んでしまいますので、おいしく食べるためにも10℃以下で冷蔵保存しましょう。もし冷蔵庫に入りきらない場合は、パックのまま冷凍保存するのも可能です。ただし、冷凍すると食感が変化してしまうことも……。冷蔵保存して、賞味期限内に食べるのがベストです。
Q. 納豆と組み合わせるとよい食材は?
A. おすすめはビタミンAを含む食品と組み合わせること。なぜなら、栄養豊富な納豆に含まれていない栄養成分の1つだからです。ちなみに、薬味に使われるしそや、納豆と一緒に使われる卵はビタミンAが豊富なので、「納豆+卵」「納豆+しそ」 の組み合わせは理にかなっているといえます。白菜キムチ を加えるのもおすすめ。
これであなたも、納豆について詳しくなったのでは?
さっそく日々の食事に効果的に取り入れて、腸活に励んでみてくださいね。
教えてくれたのは……
赤田圭司さん
タカノフーズ納豆研究開発・所長。納豆のスペシャリスト。免役に対する機能性が非常に高いスーパー納豆菌<S-903納豆菌>の研究に携わる。
※この記事は、会員サイト「オレンジページサロンWEB」(サービス終了)の掲載記事を再編集したものです。
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監修/赤田圭司 構成・文/大石久恵 写真提供/PIXTA