みなさん初めまして、松井玲奈と申します。
今回からオレンジページnetで美容について書かせていただくことになりました。
あまり私に対して美容のイメージがないかもしれません。私も、自分に対してそう思っています。
ですが、自分に何かをいいことをする、そういったマインドがブームになる時期があるのです。
そのいいことのなかに、美容意識に目を向けて、自分磨きをしたいというものがあり、その波がやってきます。
この連載では、松井の自己流美容についてつづっていければと思っています。
松井玲奈のうっかり美容道 その①「未来永劫UVカット」
というわけで、今年の梅雨明け、いよいよ夏真っ盛り! 夏本番! という時期、さっそくやってしまいました。
これから夏だという時期に、なんと
すでに日焼けをしてしまったのです。
毎朝、愛犬の散歩に行くもので、おそらくそのときに紫外線に肌を焼かれたと思うのですが、
早朝5時から6時に散歩をしていて焼けるなんて思わないじゃないですか。そうですよね?
信じたくない。けれど肌にはしっかりと現実が焼きつけられています。蓄積とは恐ろしいです。腕の内側と外側の色が明らかに違う。ああ、悔しい。悔しすぎる。
焼けた腕を見るたびにテンションは急降下。去年は気をつけていたのに、なぜ私は1年たつと自らが犯した過ちをきれいさっぱり忘れてしまうのでしょうか。自分の愚かさに言葉が出ません。
久しぶりに会ったメイクさんにも
「焼けましたか?」と言われ、ファンデーションをワントーン落としてメイクをすることに。
日焼けは気のせいではないと確信した私は、思い出したように去年買ったUVカットジャンパーを取り出して散歩のときに着るようになりました。
しかし、これが風を通さない素材なもんだから、早朝でも汗だくになってしまう。
歩きながら、暑い、脱ぎたい、肌に布がくっついて気持ち悪いと、使うほどジャンパーに対する不満が募っていく。
できれば朝から汗はかきたくない。散歩の後、気持ちよく次の準備に移りたい。
そう思い、すぐにネットサーフィンを始めました。
UVケアに課金が止まらず、チャリン、チャリン
ネットサーフィンのいいところはなんといっても焼けないところ。焼けないぶんお金が出ていくのが玉にきず。
昨今オンライン上ではありとあらゆるUVケアグッズが売られています。今のトレンドは体感マイナス5℃、みたいなU Vカットパーカ。
暑い夏に冷感素材を使ったものは本当に重宝します。あれこれ見比べたうえで、レビューのよさそうだった
冷感UVカットパーカを買いました。
チャリン。思えばここ数年、夏の撮影現場で着用している女性スタッフの率が高いのがこのUVカットパーカ。
暑いのにその上にもう一枚はおって果たしてみなさん暑くはないのだろうかと心配していたのですが、使ってみるとこれがとてもいい。
まず何より軽い。
着ているのを忘れるくらい軽いし、そのうえちょっとだけひんやりします。
そして散歩の悩みのたねだった、汗ばんだ肌に生地がはりつくこともない。
通気性がよく、ほんのちょっと汗ばむくらい。冬にはありがたい布一枚の暖かさが夏には命取りになります。
いかに布一枚重ねても涼しさを保ち、かつ紫外線を防げるかが重要。
肌を刺すような痛いほどの日ざしからも守ってくれる布一枚のありがたさ。もはや焼けるというより焼かれてるといったほうが正しい痛さですから。
ショート丈のパーカにしたのも大正解。
ふだんのコーディネートにもプラスすることができ、本当に重宝しています。
カーディガンだと暑すぎるし、普通のパーカだと丈が長くて全体のバランスがくずれてしまうなんてこともなく、スタイルアップしたうえでUVカットできる最高の一品。
この夏着倒して、来年もまた買おうと心に決めているので
未来永劫なくならないでほしい。
そんなUVケア意識が高まっている中、街を行く女性が真っ黒な
すだれ型のマスクをして顔をおおっていました。
あれはうわさには聞いていたが見るのは初めての
UVカットマスクではないか!
顔から首にかけてをおおっているので見た目が仰仰しくはなるものの、それをつけている女性のまあ白いこと。
そしてトップスからのびる腕にはバッチリとアームカバーがつけられていました。身につけているものすべてが黒で統一されているからか、彼女の白さがより際立ち、もはや発光しているかと思うほど白かった。
その白さ、うらやましい。その場ですぐさまネットを開き、似たもので、かつ呼吸がしやすそうなU Vカットマスクを購入。
チャリン。ちょろいもんです。引きこもっている冬には「本当に白いね」と言ってもらえる自分に甘え、UVケアを怠ったせいか、ここ最近は白いねと言われなくなり、ファンデーションもワントーン暗くなってしまったその戒めをこめにこめてUVカットをする。
いいと聞いたものはためらわず使ってみる。チャリン。
色白は七難を隠すとも言いますし、
白くいられるなら白くいたい。チャリン。チャリン。さっそく散歩のときにU Vカットマスクをつけてみます。黒色の布地でワイルドな盗賊っぽさがありますが、普通のマスクと違い、あご下に空間がしっかりあるので苦しくない。息が非常にしやすく、想像以上の快適さに驚きました。
道行く人もギョッとする。完全防備のその姿は、あのころの母そのもの
UVカットパーカを着て、
UVカットマスクをし、頭には
つばの広いUVカットハット。
スマートウォッチで外のUV指数をチェックして、朝でも日ざしが強いときは、目からの紫外線も防ぎたいのでUVカットサングラスを装着。
長ズボンにスニーカーで完全に紫外線を遮断。
これで日焼けを心配することないぞと散歩に出かけると、
道行くご近所さんにギョッとされる。
そりゃあそうだ。顔全体を布でおおい、見えている肌は目の下くらい。
犬を連れていなければ警察に職務質問されるであろう不審者の装いです。
それでも焼けたくないんだもの。紫外線と戦うためにはこれくらいしないと。
アームカバーはふだんのお出かけのときに大活躍しています。
お気に入りの
サンバリア100の日傘とあわせて使用中。
今年、2段折りコンパクトタイプのサンバリアを導入したのですが、直径80cmとちょっと小さめで、腕まわりが焼けてしまいそうだと心配していたのでそこに
アームカバーを投入し、これで安心して外を歩ける。
子どものころは
完全防備をして外に出る母の姿を見ておばさんくさいと思っていました。
アームカバーなんてしないし、つばの広すぎるさえない帽子なんて地球がひっくり返ってもかぶらない!
だってダサいんだもん! と思っていた。
あれから20年。気がつけば私も同じスタイルで出歩いている。
紫外線を気にする女性は皆、20年、30年たっても
顔まわりを完全におおう盗賊スタイルに落ち着くようになっているということは、これから20年後も同じなのでしょうか。
いつか画期的なUVカットスタイルが開発されることを願うばかりです。
年々暑くなるとともに強くなる紫外線に終止符を打ちたい。そんな思いで、もっといいU Vケアはないものか、相変わらず焼けない海を泳ぎつづける私なのでした。
今月のうっかりリカバー美容アイテム
PROFILE
松井玲奈(まつい・れな)愛知県出身。2008年、芸能界デビュー。ドラマ、映画、舞台、バラエティ、YouTubeなど多方面で活躍。19年『カモフラージュ』(集英社)で作家デビュー。24年4月、2冊目のエッセイ集『私だけの水槽』(朝日新聞出版)を刊行するなど、文筆家としても人気に。