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意外な組み合わせにハマる!オレペ福島の「さんまのかば焼きとクリームチーズのだし巻き卵」

2021.09.20

オレンジページのベテラン編集者たち

入社25年(つまり四半世紀)以上のベテラン料理編集者3人が「うちごはん」について気ままに、赤裸々に語るリレー連載。個人的好み全開のオリジナルレシピのおまけつき。

さんまのかば焼きとクリームチーズのだし巻き卵

vol.48

入社29年目 独身生活満喫中の福島の場合
『さんまのかば焼きとクリームチーズのだし巻き卵』

 

「明日、地球が滅亡するとしたら最後に何を食べたい?」

こんな会話で盛り上がったこと、きっとみなさんもあると思います。いわゆる「最後の晩餐」ネタですが、僕の答えは、もう何十年もブレることなく「卵かけご飯」です。無類の卵好きであり、かつ、火が入りすぎていないトロトロ、ふわふわの卵好きとしては、これこそが最後にふさわしい一品。めんどくさいヤツって思われそうなのであまり人には言ってませんが、○○産のとあるブランド卵と、○○産のとあるブランド米のご飯でってところまで決まってます(笑)。

ところが最近、自分の中で、ある料理が「最後の晩餐」における卵かけご飯の立場を脅かし始めているんです。同じご飯ものなんですが、卵かけご飯とはある種対極にあるメニュー。材料を手に入れることも難しく、調理の技術もなく、自分で作るのはほぼ不可能な料理……。それは「うな重」です。昔からうなぎ好きではあったのですが、ここ数年さらに拍車がかかり、コロナ前は、旅行先を「おいしいうなぎ屋があるか」を基準で選んでいたこともあるほど。かば焼きのたれの甘辛い味に、炭火の香ばしさ。あぁ、また食べたくなってきた……

そんな卵&うなぎ好きな僕なんですが、数年前、ある居酒屋で衝撃のメニューに出会ったんです。その名も「うなぎとクリームチーズのだし巻き」。うなぎを巻いた「う巻き」は好きだけど、クリームチーズを合わせるとは! 最初は「卵とうなぎに対する冒とくだ!」とかるい怒りさえ覚えたのですが、そこは料理編集者の悲しい性、食に対しての好奇心が顔を出し、つい頼んでしまったのです。ところが、ひと口食べてみると……これがウマい!! 甘辛のうなぎのたれにクリームチーズのまろやかさとほのかな酸味が意外に合うし、ふわふわの卵とチーズのとろっとした食感もいい相性。すっかりリピーターになってしまいました(笑)。

それ以来、自分でも作るようになったんですが、家飲みのつまみとしては、うなぎを使うのはあまりにコスパが悪すぎる。そこで、似た味のものでということで、さんまのかば焼き缶でアレンジしたのが、今回のメニューです。結局、卵かけご飯ともうなぎともすっかりかけ離れた結末になってますが、まぁ、そこはふわっと流してください(笑)。

 
  • さんまのかば焼き缶詰

    さんまのかば焼き缶、じつは子ども時代の懐かしい味。小学生の頃、学校で毎年「はんごう炊さん」という行事があったんです。遠足みたいなもので、各自といだ米を持参し、海辺ではんごうを使ってご飯を炊いて食べるんです。そのとき、おかずとして持って行くのはなぜか「缶詰」という決まりがあり(お弁当を作る手間をかけさせないようにという学校側の配慮だったのかも)、うちは毎年さんまのかば焼き缶だったんです。炊きたてのご飯にのせて食べるのがおいしくて、年に1度の楽しみでした。

  • だし巻き卵のだしに片栗粉を少し混ぜておく

    「卵焼きは甘い派か甘くない派か」も、よく話題になる食べものネタ。僕は関西出身なので、だんぜん甘くない派。特にだし巻きが大好きです。ただ、だしが多いと巻きづらいのが難点ですが、だしに片栗粉を少し混ぜておくと、つなぎになって破れにくくなるんです。これは、仕事を通して何人かの料理研究家さんから教わったワザ。冷めてもジューシーさをキープできるところも◎です。

オレぺの中の人のうちごはんレシピ

『さんまのかば焼きとクリームチーズのだし巻き卵』

さんまのかば焼きとクリームチーズのだし巻き卵

材料(2人分)

  • 卵 3個
  • 調味だし
  • ・だし汁 1/2カップ
  • ・片栗粉 小さじ1/2
  • ・塩 ひとつまみ強
  • さんまのかば焼き缶詰(80g入り) 1/2缶
  • クリームチーズ(個包装のもの) 1個(15g)
  • サラダ油
  • ⇒塩の〈ひとつまみ強〉って分量、わかりにくいかと思いますが、味見をしてみて、お吸い物よりもちょっと濃いかなってくらいが目安。僕はだし巻き卵が好きなのでだしを加えてますが、溶き卵に塩だけでもいいと思います(その場合は塩は控えめに)。甘い卵焼きがお好きなかたは、ご自分の好みの味つけでも。また、写真では青じそと大根おろしを添えてますが、省いてもまったく問題ありません。

作り方

  1. ボールに卵を割りほぐす。調味だしの材料をよく混ぜてから加え、静かに混ぜる。さんまは缶汁をきり、大きければ縦半分に裂く。クリームチーズは4つにちぎる。⇒さんまは菜箸で簡単に裂けるし、クリームチーズは手でざっくりちぎればOK。わざわざ包丁を使う必要はありません。調味だしに片栗粉を加えたら、底にたまらないように、よく混ぜてから溶き卵に加えてくださいね。
  2. だし巻き卵にさんまのかば焼きとクリームチーズを巻く卵焼き器にサラダ油適宜を強めの中火で熱し、余分な油をペーパータオルで拭き取る。卵液をおたま1杯半ほど流して全体に広げ、向こう側を少しあけて、さんまを横長に並べる。さんまの手前にクリームチーズを横長に並べ、卵液の表面が半熟状に固まったら、向こう側から手前に向かって巻く。⇒さんまとクリームチーズは重ねてのせると巻きづらいので、向こう側から、さんま→クリームチーズの順に並べます。巻くと、自然にさんまとチーズが重なります。
  3. 巻いた卵を奥に寄せ、卵焼き器の空いたところにサラダ油を薄く塗る(奥に寄せた卵の下にも塗る)。残りの卵液をおたま1杯分ほど流し入れて広げる。奥の卵を少し持ち上げて、卵の下にも広げ入れる。卵液の表面が半熟状に固まったら、向こう側から手前に向かって巻く。
  4. 同様にして残りの卵液を2回に分けて焼いて巻く。まな板に取り出し、ペーパータオルで包んで手で形をととのえ、食べやすく切って器に盛る。⇒焼きたてもおいしいんですが、アツアツだと柔らかくて切りにくいのと、クリームチーズが溶け出してしまうことも。ペーパータオルに包んだ状態でしばらく置き、粗熱が取れてから切るのがおすすめです。
福島耕一
Editor No.04 福島耕一(通称・フック)
大阪府高石市出身。1992年オレンジページ入社。子どもの頃から料理好き。大学時代の一人暮らしで『オレンジページ』に出会い、出版志望ではなかったのに、料理に関わる仕事がしたいとの思いから入社。週末は人が家に集まり、料理をふるまうことも多い。独身。

福島のうちごはんレシピ、
こちらにもあります。

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