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【ぼる塾酒寄さん連載】はるちゃん自炊回。「適量」について本気出して考えてみた【あんりちゃん・田辺さんも登場】

2023.05.20

今回ははるちゃんの自炊にまつわる話です

みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。メンバーにおいしいものを教えてもらうこの連載も第7回です! 

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ラッキーセブンな今回のおいしいものはこちら!

はるちゃんから高菜豚肉もやし炒めです


ぼる塾 はるちゃん
はるちゃん

「ヘルシーでおいしくて晩酌に最高でした!」




はるちゃんは熊本で買った自分みやげの高菜が少し余ってしまい、困っていたそうです。そこで料理好きのメンバーあんりちゃんに相談したところ、

あんりちゃん「もやしと豚肉と炒めてみたら?」

その通りに作ったらとてもおいしくできたと教えてくれました。

はるちゃん「あんりが『高菜だけで味が足りなかったらごま油と塩だね!』って教えてくれて、私はごま油をひいて豚肉ともやしを炒めて、そこに高菜を入れて炒めました! 塩無しでもおいしかったです!」

私「聞いてるだけでおいしそう!」

はるちゃん「また作ったら食べてほしい!」

私「やった!お願いね! ……しかし、忙しい中でご飯ちゃんと作ってえらいね」

はるちゃん「不純な動機です!」

※はるちゃんはいつ彼氏ができても良いようにという理由で自炊を始めたそうです。素敵で立派な動機だと思います。

私「ねえ、この料理って決まった分量とかあるの?」

はるちゃん「無い! 全部適量!」

私「それはすごい! 格好いい!」

私は詳しいレシピ無しに適量で料理が作れる人を尊敬しています。(これについては後ほど詳しく)

はるちゃん「褒めてもらえると嬉しい!ありがとう!」

はるちゃんは、「でも……」と続けました。

はるちゃん「でも……最近自炊していて思うんだけど、自分が作った料理を私はおいしいと思っても、食べてもらう相手によってはおいしくないと思われたら、正解ってどこにあるんだろう? 自分の適量が食べてもらう人のおいしくないだったら怖い」

はるちゃんのその言葉は、適量という言葉に対して恐怖心を抱いていた私の気持ちを言語化してくれたものでした。私はずっと適量という言葉に拒絶感を持っていたのですが、何故こんなに嫌なのか自分でもわからなかったのです。

私(そうか! 私は自分の適量に自信がないから怖かったのか!)

ここまで読んでくださった方はもうお気づきだと思いますが、私は適量で料理ができない人間です。丁寧に書かれたレシピを見てその通りにしか作れません。たとえばですが、

私「あら、冷蔵庫に豚肉と白菜とにんじんが少しあるからぱぱっと何か作っちゃいましょ!」

そう言って自分なりの大きさに切り、

私「塩コショウぱぱっと。しょうゆは、たらり、くらいで、みりんを入れたらコクがでるかしら?」

なんて言って全ての調味料をセンスで選び、さらにその調味料もボトルから鍋になんとなくで入れまくり、

私「待って、片栗粉入れたらもっとよくなるかも……うん! いい感じになった! 完成」

そして完成品を食卓に出し、家族に「おいしいね。これはなんて料理?」と聞かれたときに、

私「名前なんてないわよ。冷蔵庫の残りで作った名もなき料理★」

上記のような動きを私が見せることは、

私「え?! 今日から私がプリキュアにっ?!」

というくらい今のところはありえないです。妄想上の私が作っている謎の料理もそれらしきことを書いていますが、ただ頭に浮かんだ材料をそのまま書いているだけなので実際にこれを使っておいしいのか全くわかりません。

このように料理に対してこじらせている私ですが、これでもだいぶまともになったのです。以前の私は【醤油大さじ1】と書かれたレシピに対してうっかり手元が狂い、ちょっとでも大さじ1より多く入ってしまったときは「もうこの料理は終わりだ」と絶望していました。食べておいしくても絶望するんです。【大さじ1】をその通りに入れていたら、きっともっとおいしかったんだろうと。

しかし、そんな面倒くさい私を救ってくれた人がいました。その人物ははるちゃんを高菜問題から救ったあんりちゃんです。

あんりちゃん「酒寄さん、考えてください。醤油もみりんもごま油もおいしいじゃないですか。おいしいものを作るにはおいしいものを入れるんですよ。おいしいものがちょっと多く入っちゃっても大丈夫ですよ。だっておいしいものだから」

私はこのあんりちゃんの言葉に救われ、今ではうっかりしょうゆを大さじ1以上入れてしまっても気にしなくなりました。

ですから、今回発覚した新たな悩みもあんりちゃんに話せばきっと心が救われると思い、私はぼる塾の四人で集まったときに相談してみました。

私「かくかくしかじか……ということがあって、あんりちゃんはどう思う?」

あんりちゃん「なるほど。自分の適量が人のおいしいと違ったらってことですね」

はるちゃん「そう! 何か考えたら怖くなったの!」

あんりちゃんは迷える私とはるちゃんに「あくまで私の意見ですけど」と言って話し始めました。

あんりちゃん「私は適量っていうのは『自分のいちばんおいしいものが食べられる手段』だと思っているんですよ」

あんりちゃん曰く、「誰かにおいしいものを食べてもらいたいなら料理研究家などプロが考えたレシピを見て作る」のだそうです。

あんりちゃん「だって、それは確実においしいじゃないですか。プロの人が考えに考えたレシピですよ。でも、適量は私の為の料理なんです。自分好みの味。なんだったら、適量はプロの人が考えたレシピよりも、私のいちばん好きな味を好きに作れるってことですよ! 適量とは作る人に与えられた自由なんです!」

私「なるほど。続けて」

あんりちゃん「私は適量のときほど味見を何度も繰り返しやります。絶対に自分のいちばんおいしい味を目指したいので」

はるちゃん「確かに! 私もレシピないときの方が何度も味見するかも」

あんりちゃん「でしょ? 適量と雑は違います。適量でおいしくないって多分味見をしないで作るとかじゃないですか? 味見しないってもはや適量とは言えない!」

適量に対して盛り上がったあんりちゃんは座っていたのに一度立ち上がり、そしてまた座って話始めました。

あんりちゃん「ですから私は自分の適量には自信があります。私のいちばんおいしい味だけど、他の人が食べてもおいしいと思えるくらいていねいに仕上げています」

私「ごめん。私、適量に対して間違っていたかもしれない。適量ってセンスでぱぱっとやってると思ってた。そんなにていねいに仕上げているなんて」

あんりちゃん「ふふふ、私は味見で満腹になるときもありますよ。それに自分の適量と合わない人がいたとして、その人の適量に合わせたとしても、また別の人の適量とはずれるんですよ。だって人によって適量は違うんだからそうなると味ぶれぶれになるんですよ。だったら自分の適量を信じて作ったほうが絶対いいです。だって私がおいしいと思うんだから!」

私はその考えはお笑いのネタ作りにも通じるところがあると思いました。私は以前、沢山の構成作家さんのアドバイスを全てひとつの漫才に取り入れようとして、結果、全く面白くないネタにしてしまったことがありました。作ったときは「大好きだったネタを殺してしまった」と当時の私は落ち込んだものでした。

あんりちゃん「まぁ、色々言いましたが、私の適量をおいしくないって言う人がいたら、そいつに『じゃあ、お前の適量がどんだけおいしいかみせてみろっ!』てけんかします」

田辺さん「そうよ! まずいって言うやつはてめーの適量を作ってみろってのよ!」

私「田辺さん起きてたんだ」

田辺さんはずっと寝転がっていたので眠っていると思っていたのですが、私たちの話を聞いてくれたそうです。

田辺さん「もうさ、いちばん自信があるやつに任せれば良いのよ! 本当にそう! 私、それで正月弟を怒らせたの!」

あんりちゃん「どういうことですか?」

田辺さんは寝転がったまま、「私ってば適量に自信が無いのに手を出して、大失敗したの」と言って正月に起こった事件を教えてくれました。

田辺さんがお正月に実家へ帰った際、高級な牛肉が用意されていたそうです。そして弟さんが「肉を焼くときは絶対にオレを起こせ」と言い残して昼寝を始めたそうです。

田辺さん「私肉見てたら食べたくなってさ、すごく分厚い肉よ。どれくらい塩をふったらいいかわからなくて、沢山ふって焼いたの。そうしたら! とんでもなくしょっぱい肉になって!『なんで起こさなかったんだ!』って弟に正月早々怒られて散々だったよ」

私「なんで起こさなかったの?」

田辺さん「だって、肉焼けって理由で寝ている人を起こすの悪いと思ったの」

あんりちゃん「確かに普通だったら悪いですけど、弟さんは起こせって言ったんですよね?」

田辺さん「多分私バカなんだろうね」

はるちゃん「何か話聞いてたら自分の適量に勇気出た! ありがとう!」

田辺さん「どういたしまして」

私「多分、田辺さんの話じゃないよ」

あんりちゃんの話を聞き、これからは自分のための適量を愛そうと思います! ちなみに田辺さんの弟さんは周りに「オレは一人っ子」って言っているそうですよ!


こちらは別日に送ってくれたはるちゃん作のキャベツのマヨネーズ炒め

はるちゃんと出かけたときのオフショット
ぼる塾・酒寄希望

ぼる塾 酒寄希望(さかより のぞみ)

お笑い芸人。1988年4 月16日生まれ・B 型。東京都出身。お笑いカルテット・ぼる塾のリーダー。1児の母。著書に『酒寄さんのぼる塾日記』『酒寄さんのぼる塾生活』(ヨシモトブックス)など。

撮影・文/酒寄希望

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