前編:ミシュラン ビブグルマン獲得の名店・按田餃子の「水餃子」と「ラゲー煮込み」で元気をチャージ【代々木上原】知る人ぞ知る名店の「食べるべき逸品」と、普段なかなかお目にかかることのできない「まかない」を前後編の2本立てでお届けするグルメシリーズ。
後半の今回は、餃子屋さんにしてミシュランの
「ビブグルマン」を獲得した代々木上原の人気店
「按田餃子」のまかないが登場です!
オリジナルの水餃子と個性的なヘルシーメニューが人気ですが、筆者は
インスタグラムで密かにアップされている
まかないも気になっていたんです!
食材を無駄にしないアイデアや調味料づかいなど、おいしいまかない作りのコツをたっぷり見せていただきました!
半端野菜も活用! 按田餃子まかないは絶品おかずの「のっけプレート」

今回まかないを見せてもらったのは、代々木上原と二子玉川に3店舗を展開する「按田餃子」の中でも、2022年12月にオープンした
「代々木上原パワー店」。
お客さんの来店が落ち着く15時前後に、スタッフ各々のタイミングで休憩タイムに入ります。

まかないの基本は、ごはんに数種類のおかずをのせる
「のっけスタイル」。
前日までに余ったおかずに加え、その日のスタッフの中から決まった「まかない担当」が、食材の様子を見ながら独自のレシピで新たなおかずを調理します。

この日のまかない担当は、勤続1年あまりの森川さん。
「今日は、野菜あえものを作ります」厨房を見ると、水に浸した豆苗の根から新たな芽がにょきにょき!

お店で使った豆苗はこうして再収穫し、まかないに使うことが多いのだそう。そんな豆苗に合わせるのは、
小松菜の「根」。
野菜の根や皮、
にんじんの頭や
キャベツの外側の葉などは捨てずにきれいに洗ってとっておき、こちらもまかないに使います。

まずは小松菜の根を蒸し器で数分、最後に豆苗もさっと蒸してボウルにあげます。
「お店では蒸し器がフル稼働。なのでまかないも、蒸し料理がラクなんです」と森川さん。
味つけは、ふのりと
「インカインチオイル」。
このオイルは、アマゾンの原産の栄養価の高い実を搾ったもので、α‐リノレン酸(別名オメガ3)が多く含まれることで知られています。
ナッツのような独特の味と香りが、意外にもふのりの磯の風味と好相性。
シンプルなあえものが、奥深い味わいに仕上がります。
ちなみに「インカインチオイル」は店頭や通販でも販売しているので、気になる人は手にとってみてください。

前日までのおかずは、醤油麹で味付けした
「ヨーロッパの田舎のマッシュポテト」や、
「さつまいもとパセリの茎のサラダ」、お店のサイドメニューである野菜の塩水漬け
「パオサイ」を使った
「パオ&蒸し鶏あえ」など、どれも気になるものばかり!
ラッキーな日は、少し皮が破けてしまってお店で出せない餃子が登場することもあるのだそう。
これらを各々好きな分だけごはんにのせたら「まかないのっけプレート」のできあがり!
貴重なまかないを拝見!

ジャーン!
こちらがこの日の「按田餃子」のまかないです。
野菜たっぷりで、とっても豪華……!
「あえものやサラダのほか、炒めものや揚げものなど、5種類前後のおかずが毎日変わるのでまかないが楽しみです。野菜がたっぷり食べられるのも嬉しいですよね」と森川さん。
見るからにおいしそうに頬張ります。

素材へのリスペクトあふれるまかないは、それぞれの食材がもつ本来の味わいを大切にする按田餃子ならでは。
普段捨てられてしまう半端野菜を無駄にせず、ひと手間加えておいしいおかずに生まれ変わらせるアイデアは、ぜひまねしたい!
按田餃子の自家製調味料でオリジナルおかず作りに挑戦
按田餃子のお店の味を家庭で楽しむならテイクアウトがおすすめです。
かく言う筆者も、水餃子やラゲー煮込みのヘビーテイクアウトユーザー。
いずれも加熱済みのものから冷凍まであるので、用途に合わせて選べるのも魅力です。冷凍の水餃子やラゲー煮込みは常備しておくととても便利。これに半端野菜のオリジナルおかずを添えれば完璧ですね!
オリジナルおかず作りに重宝するのが、按田餃子の自家製調味料。発酵黒生姜入りの3種のタレはどれも唯一無二の味わいで、筆者も愛用しています。
「味の要」(写真右)には、コリアンダーやターメリック、クミンなどのスパイスたっぷり。ラム肉など肉の下味漬けのほか、刺身から炒めものまで、ほんの少し加えるだけで異国情緒あふれる料理に大変身!
「按田餃子のタレ」(写真中央)は、さまざまな風味の辛さをブレンドしたピリ辛中華味。黒酢と相性抜群で、餃子のタレの他に、和えものやラーメンの隠し味に使えます。
「豆豉ミックス」(写真左)は、旨みの塊であるトウチに、フェンネルやコリアンダーシードなどのスパイスをブレンド。炒め物ものや和え麺など、仕上がりに自信のない時でもひと振りすれば、味がビシッと決まります。
これらは、店頭のほか通販でも手に入るので、ぜひgetして新たな味覚の扉を開いてみて!
このほか、按田餃子 代々木上原パワー店では月に1回朝市も開催。
自家製のパワーグリーンジュースや軽食、オーナーの按田優子さんの私物、按田餃子工芸部のリサイクル商品、茶碗や瓶物などが並び、毎回多くの人でにぎわいます。
次回は7月23日(日)に行われるそうなので、気になる人はぜひ訪れてみてくださいね♪
この記事を書いたのは……
土屋 朋代
『地球の歩き方』や『ことりっぷ』などの旅行誌を中心に、紙・ウェブ問わずさまざまな媒体の企画や取材、編集、執筆を手がけるフリーランスのライター。インド仕込みのヨガインストラクターだったり、東京 下北沢にある場末酒場のバーテンダーだったりもします。近年のマイブームはサウナ巡り。徹夜で原稿を書き上げた足でサウナに入るとよくととのいます。