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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.124】『ビルド・ア・ガール』

2021.10.15

こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。定番の人気メニューやおなじみの料理も、日々進化を繰り返しています。昔より薄味になったり、鍋ではなくフライパンで作るのが一般的になったり…….。映画でも一緒かもしれません。同じジャンルでも、その時代の色が必ず反映されているもの。この作品を見てそんなことを感じました。イギリスの人気作家キャトリン・モランの半自伝的小説を映画化した今作。ちょっと(かなり?)不器用なティーンエイジガールが夢を掴むまでのストーリーは、笑いあり、切なさあり、そしてどこまでもパワフル。1人の女性の生き方とその描き方に、現代的なメッセージも感じる作品です。
舞台は90年代のイギリス音楽界。ひと昔前の少しレトロな雰囲気、そして当時の音楽も存分に楽しめますよ。


「定番の主人公と私は違う」日々そう感じているジョアンナ(ビーニー・フェルドスタイン)は、イギリスの郊外に家族と暮らす16歳の女の子。すぐれた文才と想像力を持ちながらその能力を持て余し、見た目もあいまって学校では「さえない子」扱いです。家族は労働者階級で貧しいものの、シリアスな雰囲気にならないのは、この愛すべきキャラクターを演じるビーニー・フェルドスタインさんのチャーミングな雰囲気のおかげですね。
そんな彼女の転機となったのは、兄のクリッシー(ローリー・キナストン)が勧めてくれた、有名音楽雑誌のライターへの応募。ジョアンナは見事にその座を手にし、「ドリー・ワイルド」という名で活動を始めるのです。ある日、ロックスターのジョン・カイト(アルフィー・アレン)にインタビューする機会を得たジョアンナは、彼に出会ったとたんにメロメロ。冷静な記事が書けずに大失敗してしまいます。汚名挽回するべく、そこから毒舌の辛口ライターに転身し、それが受けに受けて地位もお金も手に入れるのですが……。


ジョアンナは持ち前の言葉のセンスを駆使して成功を収めるものの、徐々に自分を見失っていきます。その結果、せっかく心が通じ合ったジョンを傷つけてしまうことに。そして大切な家族のことも。彼女は自分でその落とし前をつけなければならず、状況をどう打開していくかに注目です。
ガールズ映画に恋愛はつきもの。ただ、ジョアンナにとってジョンは大切な存在ではあるものの、それが全てではないんですね。「ものを書く」という彼女が目指す場所への道筋を追ったストーリーであって、その中で恋愛の占める割合がちょうど良いと感じます。容姿のことで心無い発言を浴びるシーンもありましたが、彼女自身はそこにあまりコンプレックスを持っていないところも好感が持てますね。


それにしても、「ドリー・ワイルド」の辛口批評のすさまじさといったら(笑)。ひどいなーと思いつつ、見ているだけの人たちがつい面白がって盛り上げてしまうのは、今SNS上で起こっていることと同じなんですよね。
90年代前半は、イギリスで実力派のロックバンドが次々とデビューした時代。日本の音楽もアツかった時代ですね。当時の雰囲気を思い出して懐かしく感じる方もきっと多いはず。ジョアンナの奮闘に世代や性別を問わずに共感できる、気持ちのよい作品です。


ビルド・ア・ガール』10月22日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
配給:ポニーキャニオン、フラッグ
©Monumental Pictures, Tango Productions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

文/編集部・小松正和

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