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【編集マツコの 週末には、映画を。Vol.71】「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」

2020.08.20


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
今年は子どもたちの夏休みが少ないそう。宿題も少ないといいですね……。
暗いニュースが続くこの頃ですが、こんなときこそ明るい気持ちになれる映画を紹介したい! 『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は、学園ドラマの常識をことごとく覆す、とにかくパワフルな作品。お勉強ばかりしていた女子高生2人が、卒業を目前に慌ててパーティーに行きたくなって……!?  この説明から想像されるような、ありきたりな人物描写やストーリー展開は一切なし! もはや「学園もの」の垣根を越えた、全ての世代に通じるテーマが詰まった作品です。


とにかく主役2人のキャラクターが魅力全開。将来、最年少で最高裁判事になるという明確な目標があるモリー(ビーニー・フェルドスタイン)は、高校生活は次へのステップと割り切り娯楽は一切シャットアウト。親友のエイミー(ケイトリン・デヴァー)は同じく学業を最優先し、女性支援のための活動をしに卒業後はルワンダへ行くことが決まっている。
とまあ、非の打ち所がないほどの優等生ぶりなのですが、2人ともいわゆる「ナード=オタクで非社交的」なステレオタイプではありません。
モリーは渡辺直美さん的な「動けるぽっちゃりさん」という感じで、とにかく前向き。『ヘアスプレー』という映画の主人公もこんな感じで好きだったなあ……。エイミーはモリーに比べると物静かな印象ですが、2人に共通しているのは自己肯定感の強さ。キラキラしたスクールデイズを送るリア充たちへのコンプレックスは、そこにはないのです。エイミーがクラスメイトの女の子に恋しているという設定も殊更に強調されることはなく自然で、この映画の強いメッセージが感じられます。


クラスメイトたちから「ガリ勉」と内心バカにされているのは重々承知の2人。でもいいのです、それと引き換えに彼女たちは卒業後の輝かしいステップを手に入れたのですから。
そんな2人に衝撃を与えたのは、遊んでいただけに見えていたクラスメイトたちも、実は有名大学や優良企業への進路を決めていたという事実。
「勉強以外の楽しみを捨てたなんてバカだった!」と急に慌てる2人がかわいい(笑)。落ち込むのも束の間、「私たちもスマートで面白いっていうことを見せつけてやる!」と、卒業式の前夜にパーティーに繰り出そうとする2人は、どこまでも前向きなのです。
彼女たちが勉強のために楽しみを我慢していた、それ自体は間違っていないと思うんですね。それが、彼女たちの選択。ただ、他のクラスメイトとの関りを持とうとせず、大切な出会いを逃してしまっていたこと、それに2人は気づけるのでしょうか。


人を外見や表面的な雰囲気で決めつけ、線を引いてしまう……、これって大人でも(いや大人こそ)やってしまうこと。だからこそ、単なる学園モノにならず、色んな世代に響くのかなあと思います、この映画。
何度も言いますが、2人のキャラとやり取りが最高で……。下ネタも毒舌も軽犯罪(!?)もあり(しかも全て知的)の優等生。ラストも期待を裏切らない、最高の終わり方です!

「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」 8月21日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
©2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。
文/編集部・小松正和 
 

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