
2020.08.14
暑いこの時期、ビールもいいですが、すっきりとした飲み口の冷酒もたまらないですよね(酒飲みですみません…!)。じつは「冷たい」を通り越して、キンキン! の日本酒があるんです。それが「みぞれ酒」。
冷やした日本酒が雪のような「みぞれ状」に変化したもので、ふんわりとした口溶けで人気なんですよ。
玉の光酒造「みぞれ酒研究室」によると、紙パックの日本酒を使うことで、注いだ瞬間にみぞれ状になるのだとか! その作り方には、「大人の自由研究」的な、 驚きの仕組みが……。さっそく見ていきましょう。
【用意するもの】
紙パック入りの日本酒 180ml
凍結しても割れない厚手のグラス
はさみ
新聞紙
【お酒の選び方】
・冷凍庫で冷やすと、びんや缶は破損のおそれがあるので、紙パック入りがマスト。
・プラスチックの注ぎ口がついたものでもOKですが、注ぐ際に衝撃が強くなるため凍ってしまうことも。少量パックの箱状のものがいちばん成功しやすいようです。
・アルコールが添加された「醸造酒」は、凍結時に苦みが出ることが。ラベルに「純米酒」や「純米吟醸」と書かれたお酒を選びましょう。
【作り方】
【1】日本酒を冷凍する
日本酒を新聞紙1~2枚でくるみ、グラスとともに冷凍庫へ。常温の状態から、10時間ほど冷やす。ただし、長時間入れたままにすると、完全に凍ってしまうのでNG。
【2】上下させてグラスに注ぐ
お酒とグラスは使う直前に冷凍庫から取り出す。お酒をかるく揺すり、凍っていないかを確かめる。紙パックの〈みみ〉の部分をそっと立ててはさみで切り取り、グラスに注ぐ。衝撃が強いほどみぞれ状になりやすいので、お酒をグラスに近づけたり遠ざけたり、上下させながら注ぐ。
※もし凍ってしまったら……
日本酒をかるく揺すったときに凍っているようなら、紙パックの上からかるくもんでみて。半解凍して注げば、みぞれ風に出てきます。または、一度完全に溶かしてから再挑戦しても、お酒の品質に影響はありません。
さぁ、完成!
そのまま、ひんやりスッキリした味わいを楽しんでもいいし、
ライムを絞ってソルティドッグ風にしたり……
ジュースをそっと注いで、二層のカクテルにしても!
最後に〈自由研究ポイント〉を。
この現象は、ゆっくり冷えることで起こる「アルコールの過冷却現象」によるものだそう(へ~)。また、この現象を起こすには、次の3つの条件が必要とのこと。
【時間】
お酒とグラスを冷やすために、必ず10時間ほどは冷凍庫へ!
【衝撃】
振動などの衝撃によって凍結するので、冷凍庫の開閉は静かに、取り出しはそ~っと。
【温度】
もっとも大事! お酒とグラスは直前までキンキンにして、注ぐときは温まらないうちに90秒以内が鉄則。
3つの条件に気をつけて作れば、こんな素敵なお酒ができるんです! あ、冷たくておいしいからって、飲みすぎには注意しながら(笑)、ぜひ試してみてくださいね。
監修/玉の光酒造 撮影/田村昌裕 スタイリング/阿部まゆこ 文/編集部・堀部
『オレンジページ』2017年1月2日号より
(オレンジページnet)
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