冬は意外と水分不足になりがち。自分では気づきにくい
かくれ脱水を防ぐには、意識的な水分補給が欠かせません。
そこで今回は、水分補給にまつわる『ウソorホント』をチェック。これまで正しいと思われていたことが最新の研究で覆されることもあれば、NGだと考えられていたことが実は問題なかったというケースも。
もしかしたら、あなたも勘違いしていたかも……? 正しい知識を身につけて、上手に水分を補給しましょう。
水分補給のウソorホント
就寝前に水を飲むとトイレが近くなる 【△】

冷たい水を一気に飲むと体の排出スイッチが働きやすくなり、トイレが近くなる傾向が。コップ1杯程度の常温の飲み物を、5分ほどかけて少しずつ飲んで。体にゆっくり吸収されるため、トイレが近くなりにくいそう。
※夕食の水分摂取が過多の場合やアルコールを飲んだ場合は、この方法で水分をとってもトイレに起きることがあります。
風呂上がりの牛乳は科学的にもよい【○】

牛乳に含まれるミルクプロテインには、体内への水分吸収率を上げる働きが。また、牛乳に含まれるアミノ酸には体温を上げる働きがあるため、湯ざめしにくく、じつは湯上がりの水分補給に最適な飲み物なのだそう。ただし、熱中症で体温が上昇しているときは、さらに体温を高くするため避けて。
飲み物は常温が体によい【△】

人間の体は、体温が37℃のときにもっとも活動しやすくできています。そのため、冬は体を冷やさず、胃腸にもやさしい常温(15~20℃)の飲み物がおすすめ。ただし、体がほてっているときや真夏の場合は、冷たい飲み物でもOKです。
コーヒーは水分補給に向かない【△】

コーヒーや紅茶はカフェインによる利尿作用があるため、水分補給には不向きといわれることが。ただし、ふだんからコーヒーや紅茶を飲んでいる人はカフェインに対して耐性があるため、飲み慣れない人に比べ利尿作用が弱く、充分水分補給になるのだそう。
夕食の水分はお酒でとってもよい【✕】

飲み物のなかで唯一、脱水の原因になるのがアルコール飲料。強い利尿 作用があり、カフェインのように耐性ができることはありません。また、アルコールを分解する過程で水分を必要とするため、飲めば飲むほど水分補給とは真逆の結果に……。
炭酸飲料は水分補給にも適している【○】

炭酸飲料には胃腸の血管を拡張して蠕動運動を活発にさせ、水分の吸収を高める働きがあります。ただし、甘味料が入っているものは糖分のとりすぎにつながるので、無糖のものを選ぶようにしましょう。
寒くて水分補給を忘れてしまいがちな今の季節。日常的に意識して水分を摂ることで、元気で健康的な毎日をサポートします。
水分補給を上手に取り入れて、快適な冬を過ごしてくださいね。
教えてくれたのは……
谷口 英喜先生
医学博士。済生会横浜市東部病院 患者支援センター長兼栄養部部長。 脱水症、熱中症の専門家として、さ まざまなメディアで水分補給の大切さを伝えている。著書に『いのちを守る水分補給 熱中症・脱水症はこうして防ぐ』(評言社)など。