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編集部

長く使い続けるために 台所道具のお手入れ

日々、生活を支えてくれる暮らしの道具たち。どんなに大事に使っていても、道具そのものの消耗は避けられません。特に調理道具は、熱にも水にもさらされて、新品の状態からどんどんとその様子を変化させていきます。経年変化して見た目に味が出てくるものもあれば、手入れが必要な状態になるものなど、道具によって様々です。
自分の台所を持つようになって変わったのは、なるべく長く道具を使い続けたいと考えるようになったこと。愛着の沸いた道具なら、尚更お手入れをして使い続けたいものです。
今回は、大事にしている薬缶やお鍋のお直しをご紹介。日々のお手入れでは間に合わない補修を、工房にお願いした際の事をお話します。


東屋 銅の薬缶

もうかれこれ8年ほど使った「東屋 銅の薬缶」。
鈍色に輝く銅に惹かれて、“これは一生もの”だと決意し、思い切って購入した薬缶です。
朝起きたら、まずは薬缶で湯を沸かす。これが毎朝の日課であり、楽しみのひとつ。使い始めて8年経った今でも、惚れ惚れしてしまう愛しい薬缶です。銅製品の魅力として挙げられるのは、経年変化を楽しめること。光を受けて輝く銅は、使い込んでいくうちに、鈍く渋く味わいを帯び、ゆっくりと色を落ち着かせていきます。

今回は、この経年変化から元の輝きを取り戻すためのお直しではなく、薬缶の内側に施されている、錫メッキの張替えを販売元の「東屋」さんにお願いしました。
使っている過程で一度、私の不注意により薬缶の空焚きをしてしまい、外側を焦がしてしまったと同時に、内側の錫メッキも少し剥がれてしまいました。その張り直しをお願いする際に、外側の焦げも一緒に磨いてもらうことは可能かを問い合わせしたところ、「新品のようにはならないが、磨くことはできる」とお返事を頂いたので、一緒にお願いした次第です。
メールにて、現状の写真を東屋さんに送り、お直しの見積りを取ってから職人さんの待つ工房へ直接郵送。あとは、数ヵ月間ひたすら帰りを待ちわびる日々。薬缶のない生活はとても不便でしたが、なんとかお鍋を薬缶代わりに乗り切りました。

そして戻ってきた薬缶がこちら。
元通りには戻らないと聞いていましたが、手元に戻ってきたのは新品のような輝きの薬缶。
職人さんには感謝してもしきれません。


中村銅器の行平鍋

調理で使わない日は無いと断言できる片手鍋。それが中村銅器の行平鍋です。軽くて浅めのアルミ製行平鍋は、中学生になる息子にも扱いやすく、とても重宝しています。
そんな中村銅器で作られているお鍋ですが、持ち手を自分で付け替えることができるのです。
何度も火にかけ洗ってを繰り返し、緩みやガタつきが生まれた鍋の持ち手。そのまま使い続けるのは危ないので、取手を付け替えることにしました。
取手は、中村銅器さんのHPから購入することができます。
案内に従って購入した持ち手に同封されている“取替の手順書”に従って、釘を外し、新しい取手を付け替えていきます。
ちょっと硬いので、もし電動ドリルがあれば、先に穴を開けるのをオススメします。
あとは角度を確認しながら打ち込んでいけば完了です。
ちなみに中村銅器の玉子焼き器も同様に付け替えることができます。


woodpeckerのいちょうの木のまな板


木製のまな板の悩みと言えば、黒ずみです。どんなに気をつけていても、完璧に防ぐのは難しいのがまな板の黒ずみ。私が愛用しているwoodpeckerの“いちょうの木のまな板”も、立てかけた際に下になる部分や持ち手の内側に黒ずみが発生してしまいました。自分でヤスリがけしても十分では無かったので、woodpeckerさんにお願いして削り直しをしてもらいました。

工房さんの状況にもよりますが2,3週間で完了します。
持ち手の内側は取り切ることが出来ませんでしたが、表面も美しく仕上がって戻ってきました。



道具を直すということ
道具が壊れた時、新しいものを買いなおした方が生活としてはスムーズです。お直しに出すということは、時間がかかります。費用も無料ではありません。新品ほどの料金はかからなくとも、お直しに係る時間も考慮すれば、そちらの方がある意味手軽と感じる人もいると思います。実際、銅の薬缶のお直しにはそれなりの金額がかかりました。お預けした期間もおよそ2ヵ月半。行平鍋の持ち手も、試行錯誤しながら取り付けました。
お直しの受け付けや、持ち手の取替が出来る設計からは職人さんの自信と誇りが感じられます。
日々の忙しさの中で、道具一つに拘ることは、手間も時間もかかりますが、直して使えるものは直して使い続けていく。難しいことは考えず、そういうふうに、当たり前に暮らしていければ良いのかなと思います。

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台所を拠点に日常の小さな幸せを探しています。
季節の食材を使った台所仕事の記録や家事の様子をひとりごとを添えて発信中。

@qillilly Instagram ← 家事を趣味として楽しみながら、生活しています。

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