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チェーン店やカップ麺をばかにする人とは結婚できなかった。夢眠ねむさんインタビュー

「でんぱ組.inc」の初期メンバーとして活躍後、現在は東京・下北沢で本屋「夢眠(ゆめみ)書店」を営む夢眠ねむさん。アイドル時代からイベントで手料理をふるまい、料理本を出版するなど、ねむさんと料理は切っても切れない関係です。

このたび「オレンジページnet」では、ねむさんの連載「グルメ布教活動もスタート! おいしいものに目がないねむさんが、みんなに〈布教〉したいねむきゅん流グルメとは……? 

気になる内容の前に、まずは直撃インタビュー。ねむさんのにぎやかな日常がかいま見えるエピソードが満載! いっしょにおしゃべりするような感覚でお楽しみください。

>>前編/人生は、おいしいもので回ってる! 生粋の食い道楽、夢眠ねむさんインタビュー【食の原点からアイドル時代、主婦の現在まで】


次々飛び出す等身大のお話に「わかる~」と共感しきり。飾らない雰囲気が魅力のねむさん

チェーン店もカップ麺も、おいしければ大歓迎。そういう感覚を大事にしたい

――前編ではねむさんの食の原点などを伺いました。後編は、今の生活の中で料理のモチベーションになっていることからおききしたいと思います。

やっぱり人に食べてもらうことですね。アイドル時代のイベントで出していた料理と、今、夫に作っている料理は、感覚として近いです。自宅に一人のときは、もうフードデリバリーを使っちゃいます。でもデリバリーって高いですよね……。「お店に行くより500円も高いのか。この500円でほかに食べられるものが……」とか考えながらメニューをカートに入れたり出したりしているうちにおなかがすきすぎて、結局カップ麺を食べてしまうという……。

――どうしても割高になっちゃいますよね。わかります(笑)。

ひとつよかったなと思うのが、私の家族は「おいしいものはおいしい!」という人たちで、カジュアルなチェーン店もインスタント食品もOKなんです。そういう家で育ったので、カップ麺も罪悪感がないんですよ。

――食の懐が広いんですね。だからこそ、食べることを思いきり楽しめるんだなと思います。

夫とも、そこが合うんです。福岡に帰省したら、絶対に博多バスターミナルの「牧のうどん」に寄って、「天麩羅処ひらお」に行って。記念日はちょっといい鉄板焼きに行くけど、ふだんはめちゃくちゃチェーン店を使います。

そういう感覚はすごく大事。チェーン店やカップ麺をばかにする人とは結婚できなかったと思うし、そもそも食に興味がない人は無理ですね。ほんと、食がメインの人生だなと思います。ちなみに夫がいないときは、デリバリーをとる以外に、彼が嫌いなものを食べに行くチャンス。「この日、遅くまで収録? よっしゃ!」って、女友達とつるんで夫が苦手なラム肉食べ放題に行ったり(笑)。


インタビュー場所は、ねむさんの店「夢眠書店」。棚には食関連の本も多数並びます

――自宅で食べるとき、献立はどうやって決めるんですか?

バランスは大事にしています。今日はステーキを食べるんだから、蒸し野菜も作ろうとか。でも基本は毎日、「献立どうしよう~」って白目むいてます。家の人に何を食べたいかきいても、「はあ?」みたいな返事をされたりしません? うちはよく夫が「ヘルシーなもの」って答えるんです。「はあ? ヘルシー? 何だそれ」って(笑)。

――ふんわりした答えはいやですし、かといって具体的過ぎるのもいやだったりします。

そうなんですよ。まあ、こっちがきくのがよくないんですけど(笑)。だから夫の返事によって、いくつか回答を用意しておくんです。「ヘルシー」といわれたら鍋か、「痩せ団子」(編集部注:夢眠家の定番メニュー。連載第1回で紹介中!)か、糖質ゼロの麺を使った料理。「野菜」といわれたら、鍋、野菜炒め、ミネストローネ、どれがいいですか? って。

お店みたいに、「それでしたら、当店のメニューは……」って感じで決めておいた回答を提案するようにしたら、献立を決めやすくなりました。夫は鍋が超好きなので、かなりの勝率で鍋ですね。楽をしたいので、なるべく鍋といわせるように誘導しています!

–{じつは家事が苦手なねむさん。今年の目標が意外すぎる⁉}–

庭の樹々に囲まれ、やさしい自然光が差し込む「夢眠書店」。不思議と落ち着く空間です

――料理って、調理以外にもいろいろやることがありますよね。まず買い物に行って、冷蔵庫の中身をやりくりして……。そういう部分で工夫はありますか?

そのやりくりができるようになったのは、ここ1年くらい。前は食材を腐らせてしまったり、大掃除のとき泣きながら使いきれなかった調味料を廃棄したりしていたんです。

結婚して料理を作る回数も量も増えたら、フレーバーがつきすぎた塩は私には合っていないなとか、ちょっと変わった調味料をいただいたら勢いで使いきるほうがいいとか、ようやくわかってきました。

――「変わった調味料は勢いで使いきる」! 共感しかありません。ちなみに、いつも常備している食材はありますか?

ハマっているのは桃屋の「きざみにんにく」です。冷蔵庫にこれがないとおかしくなりそう! ペペロンチーノスパゲティが大好きなんですけど、以前はうまく作れなくて。だけど「きざみにんにく」とパスタさえあれば、めちゃくちゃおいしいペペロンチーノができて、「私って天才かも」ってなりました。ちなみに、ステーキもチャーハンも野菜炒めも、これで天才になりました(笑)。

――ふだん、食事作り以外の家事とはどうやって向き合われているんでしょうか。

もう、家事全部嫌いですよ! 掃除も「これ以上放置すると人間の尊厳が……」っていう一線を越える直前でやります。できれば一生こたつで寝ころんでいたい……。だれか、私をお寺に放り込んでくれませんかね?

――そんなに……。たとえば、掃除をしたらあのお菓子を食べる! とか、ごほうびを作ったりは。

食べ物で釣るとか、そんなかわいい時代は終わりました(笑)。あまりにいやなので、片づけの資格を取ったらいいんじゃないかと思い立って、去年サブスクの資格講座に申し込んだんですよ。でもテキストを開くこともせず、ただ料金を払うだけになっています。

ほんと、「オレぺ」さんでごはんの連載を始めている場合じゃなくて。でもそんな私を見て、夫もいろいろとやってくれるようになりました。家事が嫌いなぶん、「本当にありがとうございます!」ってめちゃくちゃ感謝できるんですよ。今年はもうちょっと家事を頑張りたい。整理収納アドバイザーの資格をちゃんと取るのが目標です(笑)。


左が噂の桃屋「きざみにんにく」。隣のエスビー食品「味付料理用カレー」とともに、連載1回目でも大活躍!

――頑張ってください! 応援しています。ほかにも挑戦してみたいことはありますか?

最近「夢眠書店」のスタッフが増えて、私がいなくてもお店が回るようになってきたんです。だから今年はいろいろなところで、ポップアップ「夢眠書店」を出店できるといいなと思っています。

うちの店は男性おひとりでの来店をお断りしていたり、予約しないといけなかったりと決まりが多いので、ふだん来づらいかたにも気軽に足を運んでいただけたら。出店する出張先で、おいしいものを食べるのも楽しみです。あと、今年絵本についての本を出版する予定なので、そのサイン会を各地でできないかともくろんでいます。もちろん、こちらもおいしいものがあるところで(笑)。

――おいしいもの好きとしては、そこははずせませんね。最後に、今回始まった連載「グルメ布教活動」への意気込みをお願いします!

みなさんの参考になるようなことを書けるか、わからないんですけど……。私自身、友人の「あれおいしかったよ!」「これがよかったよ!」という意見を生活に取り入れることが多いので、「主婦の友達がまた何か言ってるな」くらいの感覚で読んでいただけたら。

一般的にはしょうもないけど、自分ではいいなと思っていることを、こんなふうに「夢眠書店」のカウンターでしゃべっているような感じで書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!

夢眠ねむさんインタビュー前編はこちら
>>人生は、おいしいもので回ってる! 生粋の食い道楽、夢眠ねむさんインタビュー【食の原点からアイドル時代、主婦の現在まで】


〈PROFILE〉

夢眠ねむ(ゆめみ・ねむ)

2009年にアイドルユニット「でんぱ組.inc」に加入し、グループ活動のかたわら、映像制作やコラム執筆など多方面で活躍。19年にはグループを卒業し、芸能界を引退。現在は、下北沢の書店「夢眠書店」の経営、「たぬきゅんフレンズ」のキャラクタープロデュースなどを行う。レシピ本を出したり、カレーをプロデュースするなど、食へのこだわりも強い。主婦でもある。 

撮影/馬場わかな メイク/新見千晶 文/唐澤理恵