
兵庫県民ならだれもが知ってる『イトメンのチャンポンめん』って?【ローカルフードの謎を追え!】
「チャンポンといえばどこ?」
そう聞かれたら、大半の人が「長崎県!」と答えるのでは?
しかし!
どうやら兵庫県民は、あっさりとした塩味のラーメンを『チャンポンめん』と呼んでいるらしい……。
あっさり? ラーメン?
気になった編集部員が調査してみたところ、これが兵庫の『チャンポンめん』なるものだった!!!
なんともインパクトのあるパッケージ!
いざ目にしたら、もっと気になってきてしまったので詳しく調べてみることにしました。
日本で2番目に古い即席麺!
鮮やかな黄色いパッケージが特徴的な『チャンポンめん』は、昭和38年に発売され、2023年にはめでたく60周年を迎えます!
この超ロングセラー商品を作っているのは、『日清チキンラーメン』に続き、なんと日本で2番目に袋麺を開発したという会社、イトメン。
そんなイトメンがあるのは、兵庫県たつの市!
ヒガシマル醤油や揖保之糸でも知られる、食品製造の町で、イトメンは製粉と乾麺の会社として創業しました。
謎のキャラクターは一体……?
歴史はつかめたものの、パッケージ左上にいる謎のキャラクターがどうしても気になる……。
調べてみたところ、名前を『とびっこ』といって、とんぼをイメージした初代キャラクターとのこと!
じつは童謡「赤とんぼ」は、この町の郷愁を歌ったものだそうで、それにちなんでデザインされたんだとか。

近くで見ると、よりシュールさを感じますね。
発売時から活躍しているということは、来年は還暦!
『とびっこ』のお祝いもしてあげないと!
勘のいいかたはお気づきかもしれませんが、初代がいるということは、もちろん2代目も存在するのです。
それが、こちら『あかねちゃん』!!!

うん、問答無用でかわいい!
発売半世紀を記念して、2013年に1574通の応募から選ばれた女の子。
どうやら、Twitterの運営やイベント出演は『あかねちゃん』が担っているようで、その人気度合いに『とびっこ』は思うところがあるみたい……。
地元を除くと関西よりも北陸で大人気!?
いろんな具材を「チャンポンして(混ぜて)」食べてほしい、という思いからついたこの名。
長崎ちゃんぽんと違い、スープはあっさりとした塩味で、それとは別に乾燥のしいたけとえびがつきます。
少量でもいい味を出すために、これがなくてはならない重要な存在!
地元では常にストックしてあるほどの定番のようですが、じつは関西全域よりも北陸での人気が高く、富山や石川での売り上げが多いそう。
具材に合う魚介や野菜がとれ、味の好みに合ったからではと考えられています。
でも、そこで満足しないのがイトメン。
5個入りのパッケージでは、ご覧の通り商品の特徴を全力でアピール!
全国で展開したい気持ちがひしひしと伝わってきました……。

実食してみた!
「60年も愛される、日本で2番目に開発された袋麺」
これを聞いたらどんな味なのか気になる……ということで、実食してみましたー!
まず、パッケージのサイズはこんな感じ。
『オレンジページ』の約4分の1というところ。
袋の中身は、麺・粉末スープ・かやくの3点セット!スープの袋にも、小さく『とびっこ』が~!
というわけで、袋の裏に書いてある作り方を参考にして作っていきます。
ちなみに、ゆで時間は約3分とのことで、さすがは日本で2番目の即席めん!
ずぼら&せっかちな人には、とってもうれしいポイントですね。(私とか)
さてさて、そんなこんなででき上がったのがこちら!
スタンダードに、炒めた野菜・チャーシュー・ゆで卵を入れてみました~。野菜が若干焦げているのは見なかったことにして……、熱々のうちに、ずずずっといただきます!
んんん~! こりゃうまい!!!
うまみたっぷりのスープが、ちぢれた麺によーく絡んで最高です!
麺を持ち上げる写真も……と思っていたのに、食べる手が止まらず、気づいたときにはすでに完食。
1人前で食べごたえばっちりのボリューム感でした!
また、別日にはかぼちゃ・ウインナー・まいたけを入れてアレンジ。
〈いろんな具材を「チャンポンして(混ぜて)」食べてほしい〉ということだったので、好きな具材をどんどん入れちゃいました♪かぼちゃをたっぷり入れたせいか、パッケージに負けないくらいの鮮やかな黄色に。
スープには豆乳を加えてみたのですが、こくが出てこちらも美味でした~!
(また麺持ち上げショット撮り忘れた……)
長年愛される理由とは……
実際に食べてみて分かったのが、あとを引くうまみがくせになるのに、決してくどくはないということ!
スタンダードに食べるのはもちろんおいしいですが、いろんな具材を加えてアレンジをきかせても、調和のとれた味に仕上がるのです。
その証拠に、公式サイトでも「こんな食べ方が!?」というアレンジレシピが公開されています!
60年も愛される理由は、ずばり、発売当初から変わらない〈飽きない、あっさりとした塩味〉!
イトメンの『チャンポンめん』が全国展開する日も、そう遠くないかも……?
画像提供(1~3枚目)/イトメン株式会社 文/編集部・堀部、伊藤