
2019.03.15
家飲み好き、ビール好きの編集Fです。
料理編集の仕事についてずいぶんたちますが、料理家のかたと打ち合わせをしていてハッとすることはまだまだあります。たとえば、野菜の切り方。「この野菜はこう切るだろう」という既成概念に、知らず知らずのうちにとらわれていること、私にはよくあります。そして、思いもしない切り方を提案されたときは、目のさめるような思い! 料理って奥が深いなあ、とカンドーする瞬間です。
今回の【れんこん】の切り方もまさにそう。れんこんって、なんとなく輪切り、半月切り、いちょう切りなど、「穴を生かす」切り方ばかりしていました。特に深い考えもなかったけど、れんこんのアイデンティティである「穴」を無視して切るのは悪いかな、みたいな(笑)。
でも、とある根菜料理の打ち合わせで、れんこんを【縦に切る】きんぴらを教わったことがあって。「えっ!」と思いました。そんな切り方していいのー?って。でもこれにはちゃんと理由があって、繊維にそって縦に切ることで、歯ごたえが存分に生かせるんだそう。
たしかに、この切り方だとシャキシャキ、サクサク! 輪切りよりもっと堅めでワイルドな食感が、私のようなれんこん好きには超ツボ!! それ以来、「縦割り」のファンになりました。
縦割りれんこんのきんぴら(テキトーレシピ)
1
れんこん、ベーコンをともに棒状に切る。
2
こんがり焼きつける。
3
しょうゆ、砂糖、黒酢のたれをからめる。
今回最大のポイント、「縦割り」を念のため写真つきで~。まずはピーラーで皮をむいたれんこんを縦に置き、端から7〜8mm幅に切ります。
さらにそれを倒して7〜8mm幅に切って棒状に。
切り終えたら、水にさっとさらして水けをきります。これはアク抜きのためですが、切り口についてるでんぷんが水で落ちて、シャキッと仕上がるメリットもあるんですよ〜。
ちなみに、かたまりベーコンは肉好きな私の好み(笑)。薄切りだって、入れなくたって、まったくかまいません。
炒めるときのコツとしては、すぐにさわらないこと。フライパンに平らに並べ入れたら、そのまま動かさずに放置です(写真上)。れんこんやベーコンのどこか一面をしっかり焼いて、こんがり色づいたら炒め始めて(写真下)。こうして「焼く」ほうが火の通りが早いし、香ばしくおいしくなるんです。
しばらく全体を炒め合わせて、れんこんの表面に透明感が出てきたら、ほぼ火が通った証拠。ここでたれを投入します。ふつう、きんぴらのたれはしょうゆ、砂糖などですが、今回はそこに「黒酢」をプラス。ほんのり甘酸っぱくなり、れんこんによく合うんですよ〜。目安としては、れんこん中1節(約200g)に対してしょうゆ、砂糖、黒酢がすべて小さじ2。たれが少し煮つまって、全体にからまったら完成です。
いつもは「ビールビール!」の私ですが、このつまみは焼酎の水割りもめっちゃ合います。まろやかな甘酸っぱ味とサクサク感、ときどきベーコンのしょっぱ味。ここにさっぱりした水割りが絶妙に合うんです。れんこん好きな人、家に黒酢があるって人、焼酎のアテを探している人も(笑)、ぜひお試しを〜♪
撮影・文/編集部・藤井裕子
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