close

レシピ検索 レシピ検索
どうする?どうなる?老後の4K

一人になった父の世話。文句ばかりで心が折れそうです。【麻生要一郎さんが回答/老後の4K】

2024.02.27

超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/介護

頑張って世話をしているのに、
文句ばかり言われて心が折れそうです。

父親の世話をするために、週2日、片道1時間かけて実家に通っています。父はまだ介護が必要な状態ではないのですが、80代ともなると、それなりに体も衰えてきていますし、家事がいっさいできない人なので、母が亡くなってから私が掃除や洗濯、食事の世話などをしている状況です。でも、父は「親の面倒を子どもがみるのは当たり前」と言って、感謝の言葉もありません。それどころか、少しでも時間に遅れると怒ったり、文句ばかり。私も働いていますし、自分の家のこともしなければいけません。感謝されるために世話をしているわけではありませんが、最近は父の面倒をみるのに疲れてきました。ちなみに、弟は遠方で働いているため頼ることができません。
(57歳・女性)

麻生要一郎さんの回答

適度に発散しながら、相手の言葉を心にためないこと。これに尽きます。

ふきだし
お悩み回答者

麻生要一郎さん

僕が養母の介護を始めたとき、介護経験者の友人から、「相手から言われた言葉は、すぐに宙に放ってね」とアドバイスされたんです。最初はピンとこなかったのですが、介護をしていると、一つ一つの言葉に傷つくんですよね。たとえ本心ではなかったとしても、心にグサッときたり、必要以上にダメージを受けてしまったり。たぶん、お父さんの性格とこれまでの関係性から、今の構図は変わらないでしょう。そうなると、こちらの精神衛生を保つには、相手の言葉を心にためずに、スッと宙に放つしかないんです。

心の中で放つだけじゃなく、実際に動いてモヤモヤを発散することも大切です。たとえば、何かスポーツを始めてみるのはどうでしょう? 近所を散歩するだけでもリフレッシュできますよ。もしくは、自宅と実家との間に何か楽しみを見つけるのもいいと思います。お気に入りのカフェでお茶をするとか、おいしいパンやお菓子を買うとか。「あそこに寄るから大丈夫」と思えるような〈心の逃げ場所〉を確保しておくのです。僕も病院に通いながら介護しているときは、最寄り駅のカフェでよく息抜きをしてました。

「頑張っているのになぜ」「どうして」というループに入ってしまうと、抜け出すのが大変になってしまいます。僕の場合、最終的には「相手は機嫌が悪いものだ」とあきらめて接してましたね(苦笑)。とにかく適度に発散して、心の中に言葉をためないこと。これに尽きるのではないでしょうか。

麻生要一郎さん
料理家・文筆家。料理家として活躍しながら、食や暮らしについてのエッセイを雑誌やウェブサイトで執筆。日々の食事を記録したInstagramでも多くのフォロワーを獲得している。著書に『僕の献立 本日もお疲れ様でした』『僕のいたわり飯』(光文社)がある。

取材・文/太田順子 イラスト/松元まり子

関連タグでほかの記事を見る

SHARE

ARCHIVESこのカテゴリの他の記事

TOPICSあなたにオススメの記事

記事検索

SPECIAL TOPICS


RECIPE RANKING 人気のレシピ

PRESENT プレゼント

応募期間 
2024/12/4-2024/12-24

Rumery 厚底ルームシューズプレゼント

  • #暮らし

Check!