素材の持ち味を引き出す、洗練されたレシピが人気の料理家、サルボ恭子さん。おいしいものが次々と生まれる秘密を、
使いやすく整えられたサルボさんの清々しいキッチンでたっぷりと見せていただきました。
ツールは取り出しやすく、使いたい瞬間を逃さない
「ステンレス製の鍋は
ガス台横の引き出しに。
ふたはサイズ順に鍋ぶたスタンドに立てておき、ワンアクションで取り出せるようにしています」
仕事柄、どうしても増えていくキッチンツール。
必要なものを最適な場所に置き、パッと見て取り出せるようにすることで、ストレスなく動けます。使用頻度が高いツールや調味料は調理台に出しておくのがサルボさん流。
味つけや下ゆでなど、登場回数の多い塩は2種類を使い分け。
「黄色いアンティークの器に
ふたをせずに入れているのは、特によく使う粒子の細かい塩。粗塩は茶色のふたつき壺に入れています」
肉を焼いたり、サラダをあえたりとサルボさんにとって「
なくてはならないツールといったら、トング!」。長いものと短いものに分け、閉じずにガス台横にスタンバイ。
「合羽橋で買った、
ノーブランドのなんでもないトングが使いやすくて気に入っています。開いたり閉じたりという、
調理中に余計な動作をしなくていいのが大切ですね」
食材はガラスジャーに入れれば、残り具合が一目瞭然!
「スパイスや粉類などは、フランスの老舗メーカー『ル・パルフェ』の
密閉できるガラスジャーに入れています。
パッケージに入った材料がすべて入る容量のものを使うと、使いかけの袋をどこかにしまっておく必要がないですし、
残りが少なくなってきたらすぐわかるので便利ですよ」
どんどん新しいものを使いたいふきんは、たくさんかごに入れて
水回りとメインの調理台の間のスペースにスツールを置き、その上にのせたバスケットがキッチンクロスの定位置。これなら、
どちらのコーナーで作業していても、必要なときにパッとキッチンクロスを手にすることができます。
「キッチンクロスは同じものを、もう何枚もリピートしています。
グラスを拭いても毛羽立たないのと、いつでも買い足しができるIKEAの定番品で、お手頃なのもいいですね」
テーブルはレイアウト変更しやすいサイズをセレクト
空間の面積を占める割合が大きい家具類は、フレキシブルに使えるものを選ぶのがポイントです。
「ダイニングテーブルもIKEAでみつけたものなのですが、小さめサイズの同じものを3台使っています。間隔をあけて並べれば、教室のときに生徒さんが動きやすいですし、くっつけて大きなテーブルとして使うこともできます」
形の違うアンティークの椅子の組み合わせが、サルボさんらしいスパイスになっています。
食器はスタッキングできるものをメイン使い
食器の数もたくさんあるのに、きれいに収まっているのは「
器もグラスも、スタッキングできるものをよく使う」から。
ワイングラスもステムが短いものを選び、重ねて収納しています。
料理教室でよく使う器類は、生徒さんが座る場所とデモンストレーションを行うメインの調理台に近い窓辺に配置。
丈夫な業務用の白いオーバル皿が大活躍
サルボさんが気に入っていてよく使うのは、テーブルと同様、
フレキシブルに使えるシンプルな白いオーバル皿。合羽橋の器店でみつけた業務用食器です。メイン料理にもデザートにも向き、緩やかに立ち上がりがあるので汁けのある煮込み料理を盛るのにも重宝しているそう。
「器はシンプルなものが好きです。
料理そのものが主役で色もあるので、白が一番引き立ててくれるんですよね」
強度が充分で、必要な時に同じものをいつでも買い足せる定番品であることも、セレクトの大きな理由です。
動きやすいサルボさんのキッチンには、すぐに取り入れられるアイディアが満載で、さっそく真似したいものばかり!
次回は、機能的で合理的なのに温もりも感じられる空間作りについて、サルボさんにお話を伺います。
サルボ恭子さん
料理家。フランス語教室を主宰する夫とシェアをするアトリエで料理教室やイベントを開催するほか、雑誌や書籍、テレビなどで幅広く活躍中。『ストウブでフランス家庭料理の極上煮込み』(Gakken)など著書多数。2023年4月、オンラインとリアルを融合させた待望のサロンをスタート予定。サルボさんのInstagramを要チェック!
@kyokosalbot
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