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【編集マツコの、週末には映画を。Vol.98】『ターコイズの空の下で』

2021.03.05


こんにちは。ふだんは雑誌『オレンジページ』で料理ページを担当している編集マツコです。
いつにも増して外国の映画を見たくなるのは、なかなか海外に行けないからでしょうか。というわけで、久々のロードムービー。雄大な自然をたたえるモンゴルを舞台にした、日蒙仏の合作映画で主演を務めるのは、ここ数年ますます演技に深みが増している柳楽優弥さん。ドキュメンタリーを見ているような気にさえなる飾り気のない演技が、シンプルなストーリーを盛り上げています。
旅ってなんだろう。人はなぜ旅をするんだろう。そんな根源的な問いについて考えたくなる作品です。


まあ変わった映画なわけです。だって急に体格のいい男性が牧場から馬を盗んだと思ったら、ひたすら道路を駆けて行くんですから。あっさり捕まったモンゴル人のアムラ(アムラ・バルジンヤム)。馬の持ち主である大企業の経営者・三郎(麿赤兒)は、彼を警察に引き渡す代わりにある頼みごとを持ち掛けます。
この作品で重要な要素の一つが、あまり知られていないモンゴルと日本の関係。第二次大戦後、ソ連と相互援助条約を結んでいたモンゴルに抑留された日本人が多数いたのだそうです。三郎の頼みは、その当時モンゴル人女性との間にもうけた娘を探すこと。それも、東京でパーティ三昧の自堕落な生活を送る孫のタケシ(柳楽優弥)を連れて。あれよあれよという間に、三郎の娘・ツェルマを探す旅の始まりです。


都会で人工的な生活を送っていた若者が、自然に触れて本来の人間らしさを取り戻す。この映画の解釈としては正解の一つですが、旅の醍醐味はもう少し深いところにあるような気もします。言葉の通じない相手とのコミュニケーション。慣れ親しんだ世界から一歩踏み出すことで生まれる、自分の意外な一面の発見。たぶん自分の箱の中でずっと暮らしてきたタケシにとって、それはパリでもニューヨークでも良かった気はする。新鮮な体験を重ねるタケシの自然なリアクションは、柳楽さんならではの味だなあと感じます。
そういえば、不思議なシーンがありました。2人は車で移動しながら色々な人にツェルマのことを尋ねて回るのですが、アムラが話しかけても終始無視してくちゃくちゃ何か食べている集団が。言葉が通じてもコミュニケーションが取れるわけではない、そんなメッセージなのかな……。


旅人を待ち構える冒険や挑戦の中で最も難しいのは、家に帰ることだと聞いたことがあります。旅の終わりは切ないけど、終わりがあるからこそ旅なのかもしれません。
極端に少ないセリフと登場人物、そして細かいストーリーの説明を省いた引き算の映画。だからこそ、人と出会い、自分のルーツに触れ、殻を破っていくタケシの解放感がダイレクトに伝わってくるのです。
空色、紺碧、天色。空のカラーを表現する日本語は数あれど、ターコイズはやはり異国の色。映画館の大きなスクリーンで、ぜひ旅気分を味わってください。

「ターコイズの空の下で」 
新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
配給宣伝:マジックアワー、マグネタイズ
©2020TURQUOISE SKY FILM PARTNERS / IFI PRODUCTION / KTRFILMS

【編集マツコの 週末には、映画を。】
年間150本以上を観賞する映画好きの料理編集者が、おすすめの映画を毎週1本紹介します。

次回3/12(金)は「ミナリ」です。お楽しみに!

文/編集部・小松正和

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