2022.07.12
6月17日、「SDGsで注目の高まるアップサイクル 食材の価値創出」をテーマにした、「食」のコンテスト『第2回 K,D,C,,,Food Challenge』の最終審査が実施されました。
山手線・新大久保駅直上のフードホール 、「Kimchi, Durian, Cardamom,,, (キムチ,ドリアン,カルダモン,,,)」に、10組のフードチャレンジャーたちが集結。熱いプレゼンテーションによるアピールを繰り広げ、そのどれもが目を見張るアイディア、コンセプト、に満ちていて、会場のテンションも上がりっぱなし!
「食材のアップサイクル」とは・・・・・・
なんらかの理由で廃棄されてしまっている野菜や加工原料などの食品に、独創的な価値を付け加えて、まったく新しい「商品」として生まれ変わらせること。コンテストの審査では、「商品化」のアイディアだけではなく、フードロス削減に貢献できるように、それが持続可能なビジネスとして成立するかどうかも大事なポイントです。
※掲載はコンテストでの発表順
どのエントリーチームも、食のアップサイクルという難しい課題に、正面から取り組まれていました。 規格外のために出荷できなかった野菜や果物から、繭を取った後の蚕のさなぎまで、「もったいない」という悩みをかかえている多種多様な素材が取り上げられ、それぞれ独自の切り口を生かした魅力的な商品ばかり。
生産者の課題のみならず、もちろん消費者への訴求もしっかり押さえ、地球環境を守るという価値を中心に据えながらも、おいしいから、おしゃれだからと、これを買いたい、食べてみたいと思わせる工夫がなされたものばかりで、審査員たちを唸らせました。
しかして結果は……
今回のコンテストの来場者が、試食で「おいしい!」と口を揃えて評価した「生パスタ」がグランプリを受賞しました。
年間500万トンにのぼるといわれる廃棄野菜の問題解決に向き合いながらも、消費者にとっての「おいしくて、身近」を大切にして、開発したという生パスタ。
廃棄されるはずだった「規格外野菜」を練り込んだ麺は、一日で不足しがちな野菜(約70g)を摂ることができて、味も抜群。「野菜嫌いの子どもも、このパスタなら食べてくれた」という声も続々上がっているのだとか。通販サイトで手軽に買える生パスタは、いつもの「今日のお昼は簡単なパスタにしようかな」というシーンで、シンプルに”おいしい”から、と選んでもらえるようにつくったとのこと。日常的に楽しんでいる「パスタ」をおいしくいただくことが、フードロスの削減につながるという、消費者に負担を感じさせないSDGsのモデルも、コンテストでは高く評価されました。
受賞インタビューでは、「気候変動が起きている今、地球環境の保全・改善に貢献することは大事。でも、SDGsとか、フードロスとか、そういう難しいことは、ぼくら事業者側が引き受けるので、とにかく、消費者の方々には、まず『おいしいもの』を食べてもらいたい。自信をもって『おいしいから、これ買って』と言えるものしか作りたくないんです。だから、味にはこだわりました。プラントベースだから買ってもらうのではなく、この味が好きだから選んでもらいたい、そこを突き詰めています」と語ってくれました。
こうした、「おいしいから、続けられる」というサスティナブルを強く意識したアップサイクルのビジネスモデルを狙い、見事に商品化を実現。「第2回グランプリ」と「Future Food Fund賞」のダブル受賞に相応しい一皿でした。
豆腐の製造過程で廃棄されてしまう「おから」を活用し、低糖質で、腸に優しいプロダクトの開発に挑みました。
「おから」の特長である、たんぱく質が豊富という栄養面はもちろんのこと、「OKARAT CHICKEN」のチキンを思わせる食感と美味しさ、賞味期限の長さが高く評価されました。
「クラウドファンディング賞」の選定理由ともなりましたが、これからの新しい市場開拓を見通した成長のポテンシャルもピカイチ。インタビューでは、「プラントベースの代替肉、腸活、防災食、さらには海外展開も視野に入れつつ、「おから」で、ToB、ToCどちらも果敢に挑戦していきたいです」という意気込みをきかせてくれました。
「生活実装賞」では、防災食という観点から高い評価を受けました。災害が起きてしまったとき、食事で困るのは、たんぱく質を十分に摂れなくなってしまうこと。「OKARAT CHICKEN」は1年~1年半も保存がきくうえに、たんぱく質が豊富。調理手段が制限される非常事態下であっても、開封し、そのまま食べることができます。 また、普段の食事から食べたくなる「チキンのような食感で、スモーキーな味わい」という点も見逃せません。いつも食べて、なくなったらストックして……という、もしものときに安心なローリングストックにもぴったりです。
「アップサイクルでフードロスを減らし、地方の農家の方々を笑顔に」という想いで、商品開発を行っています。
エントリーされた「気仙沼 みなといちご」は、形や大きさがふぞろいなものが年間数トン出ているという『いちご』をフリーズドライし、工場で使われないままとなったチョコレートの中に入れたお菓子。味はもちろん、あえてふぞろいな断面を見せたかわいらしさと、おしゃれなパッケージデザインにこだわっています。
日本はチョコレート市場が大きいため海外からもたくさん輸入されています。しかし一部は、商品として加工・出荷されないまま商社や工場で行き先をなくすことがあるのだとか。ロスゼロは、この「もったいない」に着目してプロダクトを開発。さらに、今回の「気仙沼 みなといちご」では、宮城県気仙沼市の農家や地元NPOの方々と手を取りながら、地域振興を目指しています。
「JR東日本賞」の選評では、デザイン、味、商品のバックグラウンドストーリーともに、駅ナカでの販売シーンで人気がでること間違いなし、との太鼓判を押されるほど。食材のアップサイクルのプロダクトとしての高い完成度が評価されました。
『第2回 K,D,C,,,Food Challenge』にエントリーされたプロダクトは、6月24日(金)~26日(日)の期間、コンテストの舞台となったK,D,C,,,にて、お披露目イベントが開催されました。
アップサイクルをテーマにしながらも、美味しさを追求したそれぞれのお皿に、一般来場客の方々も、思わず頬を綻ばせます。 グランプリを受賞した『畑の贈り物 まるごと野菜の生パスタ』も振舞われ、大盛況となりました 。
コンテストの司会も務めていたFuture Food Fundの村田靖雄さんによれば、食のアップサイクルを提案することの難しさは、コストが一番低い方法として、食品の廃棄が選ばれているケースが多いところにあります。そのため、持続可能なビジネスモデルのアイディアを出すのは容易ではありません。
しかし、今回のコンテストでは、そんな困難をものともしない、想像を上回るアイディアと着眼点から生まれたプロダクトの数々がエントリーされました。 廃棄野菜から作られた口に入っても安心なクレヨンといった、「食べる」以外のアプローチからアップサイクルに取り組もうとするアイディアをはじめ、新しい広がりも見られました。 今後も、どんな「食材のアップサイクル」が登場するか、目が離せません!
『第2回 K,D,C,,,Food Challenge』でグランプリを受賞した、体にも地球にもやさしいプラントベースの「生パスタ」をぜひお試しください!
畑の贈り物 生パスタ 6食セット 2,280円 10名様
※パスタソースはつきません。
文/編集部・岡野
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