最近、不調が続くと思ったら、じつは更年期のサインだった……?
不調が気になり始める40代頃。じつは、更年期は閉経前後5年の計10年間続くため、自分がそうだったと気づくのは閉経してから、なんてことも。
そこで今回は、産婦人科医・高尾美穂先生に更年期に起こる体と心の変化を、
前期・中期・後期に分けて教えてもらいました。正しく知ることで、不安をやわらげ、落ち着いて向き合うためのヒントにしてくださいね。
更年期の体と心の変化を解説!
【前期】 生理に乱れが出はじめ、疲れやすくなるなど体調にも変化が表れはじめる時期

更年期に入るとまず表れるのが
生理の変化。生理が何カ月も来ない、半月程度で来る、経血量が減る・増える、生理が短期間で終わる・長引くなど、さまざまな変化が起きます。
そのほか、
疲れやすくなったり、肩こりがひどくなったり、イライラしやすくなったりと体調にも変化が。40代に入ってこれらの不調や変化があれば更年期のサインです。
ただ、閉経の時期には個人差があり、閉経が早く、30代後半で更年期を迎える人もいます。
【中期】 ホットフラッシュや不眠、 イライラ……etc. さまざまな不調がピークに

更年期の真っ最中は、ホットフラッシュ、不眠、肩こり、腰痛など体の不調から、イライラ、落ち込みなどメンタルの不調まで、
さまざまな更年期症状が最も出やすい時期。だいたい閉経の2年前~閉経後の1年が中期にあたります。
人によっては、症状が重くて生活に支障が出たり、治療が必要になる場合も。
【後期】 骨密度の減少や血圧の上昇などエストロゲンがなくなることによる変化が

閉経後の更年期後期には、多くの不調は落ち着いてくることが多く、エストロゲンに振り回されてきた〈揺らぎの時期〉から、おだやかな〈なぎの時期〉に入ります。
その一方で、エストロゲンの分泌がなくなることで、骨がもろくなって骨折しやすくなったり、コレステロール値が上昇しやすくなって脂質異常症、動脈硬化、高血圧などのリスクが高まったりするように。予防のために、ふだんの生活習慣に気をつけることがますます大切になります。
産婦人科医の高尾先生によると、「現代では更年期症状の治療法は確立されていて、どの症状にも必ず対処法があります」とのこと。
過度に恐れず、無理に我慢せず、不安があれば早めに専門医に相談するのがおすすめですよ。
教えてくれたのは……
高尾美穂先生

イーク表参道副院長。産婦人科専門医・医学博士。婦人科の診療を通して女性の健康をサポート。テレビや雑誌などでのわかりやすいアドバイスが人気。近著は 『あしたはきっと大丈夫 心が晴れることば』(コスミック出版)。