子どもの健康や体のことについて、知っておくといざというとき安心! トリートマンといっしょに楽しく学びましょう。



腸は「第2の脳」とも呼ばれる重要なところ
緊張したときにおなかの調子が悪くなったり、おいしいものを想像しただけでおなかがグーッと鳴ったりした経験はありませんか? じつはこれ、脳と腸がとても深く関係しているため。
私たちの気持ちを落ち着かせたり、気分をハッピーにしてくれる「幸せホルモン」こと「セロトニン」の約9割が、じつは腸でつくられています。もし腸の調子が悪くなると、その情報が脳に伝わって、気持ちが沈んだり不安になったりすることもあるんです。このように大事な働きをしている腸は「第2の脳」と呼ばれることもあります。
また、腸にはウイルスや病原菌から体を守ってくれる「免疫機能」の細胞が、全身のなんと7割も集まっています! 腸は「最大の免疫器官」でもあるということ。
腸が元気だと体も元気でいられる、というのは覚えておきたいですね。
3歳までの腸内環境が、将来の健康の土台になる!
腸の中にはたくさんの菌がすんでいます。この菌たちの種類が多いほど、腸内環境がよいのだそう。とくに3歳くらいまでの間に、この腸内環境の土台が作られると言われています。
よい腸内環境をつくるには、大きく2つのポイントがあります。
1つ目は、いろいろな場所でさまざまな菌に触れること。たとえば、人や動物とふれあったりするのもその一つ。いろいろな菌と出会うことで、腸の中の菌の種類が増えて、腸内環境が豊かになります。
2つ目は、ヨーグルトや納豆など乳製品や発酵食品を食べ、体によい善玉菌を口から取り入れること。
ここで大切なのが、よい菌が腸にすみ着きやすいのは、3歳くらいまでだということ。この時期は、まさに「ゴールデンエイジ」! この時期の子どもにしっかり「菌活」をしておくと、将来の健康にもつながります。
最近の研究では、夜泣きやぐずりがある赤ちゃんにビフィズス菌を投与して腸内環境を整えることで、夜泣きが減ったという結果も出ています。
腸内環境を整えるには「シンバイオティクス」が重要!
腸によい菌を届ける「プロバイオティクス」と、そのよい菌たちを育てるためのエサとなる「プレバイオティクス」。この2つをいっしょに摂ることを「シンバイオティクス」と言います。「シン」は「いっしょに」という意味があります。「プロバイオティクス」は乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、麹菌など健康に有益な微生物のことで、「プレバイオティクス」は主に、オリゴ糖や食物繊維を含むものです。
たとえば、乳酸菌がたくさん入っているヨーグルトを食べるときに、そのエサになるオリゴ糖が豊富なバナナをいっしょに食べるのがおすすめ。こうすることで、おなかの中でよい菌が増えやすくなることが期待できます。
ほかにこんな組み合わせもおすすめ。
・納豆(プロバイオティクス)+雑穀ご飯(プレバイオティクス)
・チーズ(プロバイオティクス)+りんご(ペクチンという食物繊維:プレバイオティクス)
・みそ汁(プロバイオティクス)+わかめ+なめこ(食物繊維:プレバイオティクス)
どれもふだんの食事に取り入れやすいものばかりですね。
腸内環境を整えることは、体の健康にとても大切なこと。「シンバイオティクス」を意識して食事をし、腸内環境を元気にしましょう!

小児科医・医学博士、保育士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。アメリカにて子育てを経験。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。 https://noriko-kudo.com/

准看護師免許を持つ漫画家。「子どもたちに健康と元気を届けたい」という思いで、子どもがかかりやすい病気や、体のことについてユーモラスなキャラクターで紹介している。「親子で一緒に学んで、病気に負けない強い体づくりを日頃から心がけてほしい」。
公式サイト:「なおせ!トリートマン」
X:https://twitter.com/136teatman
