2024.09.02

絵本のおやつを作ろう!『赤毛のアン』のレモンパイのレシピ

アンも大好き！ 2層のクリームがおいしいレモンパイ

絵本のストーリーを彩るすてきなお菓子。お話の中身と同じくらいワクワクしますよね。『赤毛のアン』で、マリラがおもてなし料理として作っていたレモンパイもそのひとつ。その味を、人気フードスタイリストの飯島奈美さんに再現してもらいました！

『赤毛のアン』ってどんなお話？

11歳でマリラとマシュウの家（グリン・ゲイブルス）に引き取られた孤児のアン。豊かな感性と想像力で毎日を目いっぱい楽しむアンは、失敗も多いけれど、好きにならずにはいられない魅力的な女の子です。

レモンパイは、料理上手なマリラが特別な日に作る一品。今回紹介した絵本には出てこないけれど、原作のなかでは牧師さん夫妻が食事に訪れた際に登場。食事の前にアンも誇らしげに眺めていました。

ちょっと手間はかかるけれど、そのぶんとびきりのおいしさです！

「赤毛のアンのレモンパイ」のレシピ

材料（口径19cm、底面の直径15cmのパイ皿1台分）

［パイ生地］
薄力粉… 100g
バター（食塩不使用）… 70g
グラニュー糖… 大さじ1/2
塩… 小さじ1/3

［レモンクリーム］
卵黄… 3個分ぶん　
グラニュー糖… 120g
コーンスターチ… 35g
レモン汁… 大さじ6（2 ～ 3個分）
バター（食塩不使用）… 30g

生クリーム… 1カップ
グラニュー糖… 大さじ1

下ごしらえ

・パイ生地用のバターは1cm 角に切り、冷蔵庫入れて冷やしておく。
・パイ生地用の薄力粉、グラニュー糖、塩は合わせて万能こし器でふるう。

作り方

1. 生地の材料を混ぜる

パイ生地を作る。ボールにふるった粉類を入れ、冷やしておいたバターを加える。カード（なければフォークなど）で切るように混ぜ、ぽろぽろの状態にする。真ん中をくぼませて水みず大さじ2を注ぎ、さらに混ぜる。生地がまとまってきたら丸めてラップをかけ、冷蔵庫で1時間やすませる。

2. 生地をのばしてパイ皿に敷く

オーブンを180℃に温めはじめる。まな板やのし台の上にオーブン用シートを敷き、やすませた生地をのせて、めん棒でのばす。パイ皿をそばに置いて目安にし、ひとまわり大きく、厚みが均一いつになるようにのばしていく。生地を皿の上に広ひろげ、指で生地を皿の底と側面に押しつけながら、すきまなく敷しき込こむ。はみ出た生地は包丁で切り落とす。生地の縁にフォークの背を押しつけてぐるりと一周し、生地を皿の縁に密着させる。底はフォークをまんべんなく刺して穴をあける。

3. 生地を焼いてさます

　生地の上にアルミホイルを敷き、重し※（約500g）をのせる。180℃のオーブンで20分焼き、アルミホイルと重しをはずして10 ～ 15分焼く（生地をパイ皿に敷いてからラップをかけて冷蔵庫で一晩やすませれば、重しがなくてもふくらむことなく焼ける）。焼き色がついたら取り出し、パイ皿ごとケーキクーラーなどにのせてさます。

※重しについて

パイ生地やタルト生地をから焼きする際、ふくらみすぎないよう、生地の上にのせるもの。タルトストーンともいいます。写真のアルミ製のほか、セラミック製のものもあります。

4. レモンクリームを作る

鍋に卵黄を入れてグラニュー糖を加え、泡立て器ですり混まぜる。コーンスターチを茶こしを通してふるいながら鍋に加え、水280㎖を少しずつ加えながら耐熱のゴムべら（木べらでも可）で混ぜる。鍋を弱めの中火にかけ、さらに休みなく混ぜる。底のクリームがぽこぽこと煮立ってきたら、鍋をいったん火からおろし、へらを立てて鍋底をこそげるように勢いよく混ぜる。さらに弱火にかけ、もったりしてなめらかなクリーム状になるまで練るように混ぜる。底が煮立つたびに火からいったんおろし、鍋底から混ぜ返すとむらになりにくい。

5. レモンクリームを仕上げる

火を止めてバターを加え、レモン汁を少しずつ加えながら練るように混ぜる（写真左）。なめらかなクリーム状になり、つやが出てきたらでき上がり（写真右）。バットに移して粗熱を取る。パイ生地に、周囲に余白を残すようにしてレモンクリームを流し入れ、へらで表面を整える。ラップをかけてパイ皿ごと冷蔵庫に入れ、1時間ほどやすませる。

6. ホイップクリームで飾る

ボールに生クリームとグラニュー糖を入れ、別のボールに入れた氷水に底を当てて冷しながら泡立て器で泡立てる。八分立だて（全体にもったりして、泡立て器ですくい上げるとぽったりと落る状態）を目安に。やすませたパイのレモンクリームの上にホイップクリームを重ね、へらでのばして表面に模様をつける。カットするときは、そのつど包丁を熱湯で温め、水けを拭いてから、パイ皿に入れたまま切ると、形がくずれにくい。