今回、絵本を紹介してくれるのは、中林麻衣子さん。自家製パンと焼き菓子の店「horta(オルタ)」の店主で、グラフィックデザイナーとしても活動中です。
パンをるおもしろさ、楽しさが伝わってくる
まず、1冊目は
『ぼくのぱん わたしのぱん』
神沢利子/文
林 明子/絵
パン屋さんを営む中林さんがまず教えてくれたのが、パンの本! 3人のこどもたちが、粉まみれになったり、けんかをしたりしながら、なんとか協力してパンを焼いていく様子を描いています。
「実験っぽく楽しんでいるのがパン作りらしいし、結果、不細工な形のものができてしまうのもいいんです。顔を真っ赤にしてこねていたりと細やかな様子がすばらしい! 分量の記載はなくても、これを見ればパンの材料や工程がわかります。私も幼いころに読んでいた本で、こどもが生まれてからこの本みたいに何度もいっしょに楽しくパンを焼きました」
身のまわりにあるもので作るたくましさが身につく
2冊目は『よもぎだんご』
さとう わきこ/作
福音館書店
何でも自作して楽しむ「ばばばあちゃん」シリーズの一冊。ジュースやゼリー、梅干しにウインナまで凍らせてアイスパーティをしたり、いろいろないもや果物をたき火に放り込んで焼きいも大会をしたりしてきたばばばあちゃんが、よもぎだんごを作ることに。
「ばばばあちゃんがこどもたちに、よもぎやせり、つくしなどの食べられる草を教えて料理します。実際に、同じようによもぎを摘んで作ってみたら本当においしくて! 簡単だし、スーパーで買わなくても手に入れられる食べ物があるんだと知ることで、なんだかたくましく豊かになれる気がします。ワイルドなばばばあちゃんは、私のあこがれです」
料理に本気を出してきたらおすすめの
絵本のようなレシピ本
そして最後は、『とびきりおいしい おうちごはん』
野村友里著
小学館クリエイティブ
料理のためのちょっと本格的な写真絵本です。ハンバーグやしょうが焼きなど約40のレシピをこどもでも作れるように紹介している一冊。
「完成は写真で、手順はイラストで、とてもていねいに教えてくれています。ポイントもわかりやすく、大人でも勉強になる。小学5年生の娘もこれを見て、蒸し鶏ラーメンを一人で作ることができました。おにぎりやゆで卵などの基本から、グラタンやシェファーズパイなど、ちょっとおしゃれなごちそうまで網羅されているのもすごいです」
ほら、おなかがすいてきませんか? ちょっとオムレツ作ってみたいな、パンを焼いてみようかなって思いませんか? 『こどもオレンジページ No.6』では、ほかにもおにぎりの作り方がわかる絵本や、大きなりんごが落ちてくる不思議なお話まで、いろいろな絵本を紹介していますよ。ぜひ見てくださいね。
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