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菌床の主原料になるナラなどのおがくずナバチップス。これに栄養体などを混ぜて専用のパックに入れ、しいたけの種菌を植えつけます。 |
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菌床生しいたけを育てるビニールハウスは広さ60坪。それが52棟も立ち並び、年間700トンを生産しています。 |
パックの中では40日間ほどで菌が培養されます。最初は茶色だった菌床が白くなっているのが、培養が進んだ証拠。 |
90~120日ほどで菌床ができ上がったらパックの口を開封。すると、どんどんしいたけが伸びてきて、数週間で収穫できるほどに生長! |
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1962年生まれ、宮城県栗原市出身。20年前、脱サラし、しいたけ栽培を開始。現在は「農事組合法人 水鳥」の理事長。日本国内のみならず海外にも菌床生しいたけを広めるべく奮闘中。 |
伊藤さんのおすすめの食べ方、〈しいたけのわさびじょうゆ〉。新鮮なしいたけを生のまま軸のほうからかさに向かって半分に裂きます。わさびじょうゆのみを添え、しいたけ本来の風味を味わって。 |

どちらが新鮮でおいしいかわかりますか?
答えは右。かさが開いておらず、ほわほわした白い繊維がびっしり生えているほうが新鮮です。
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冬にはシベリアから白鳥など8万羽もの渡り鳥が飛来する水鳥の楽園、宮城県栗原市の伊豆沼・内沼。そのほとりで生しいたけを栽培しているのが伊藤康秀さん。おがくずなどを固めた菌床に、しいたけの種菌を植えつけて育てる菌床栽培です。ビニールハウスをのぞいてみると、ずらりと並んだ菌床から、しいたけがポコポコにぎやかに頭を出しているじゃありませんか! 思わず、「かわいい!」と歓声を上げてしまうほど愛らしい光景です。

「私たちにとってしいたけは〈扱うモノ〉じゃありません。自分の子どもと同じように腹の底から大事に思って育てる相手なんです」
そう語る伊藤さん。そんなふうに愛情を持って育てていると、ものを言わないはずのしいたけの〈声〉が聞こえてくるのだとか。
「毎日しいたけの顔を見ているとね、『のどが渇いた』『暑いよ』などと言っているのがわかるんです。そうやって人間が耳を傾けて世話をし、目で時期を見極めて、一つ一つ手で収穫します。そうやって大切に育てたしいたけは肉厚で食感がよく、軸も柔らかいんですよ」

生でも食べられるというしいたけを、瀬戸口さんもさっそく、その場でつまんで味見です。
「ころっと丸くてかわいいし、本当に肉厚ですね! 生はとてもみずみずしくて、サラダなどによさそう。風味がよくてうまみも濃厚だから、料理を濃いめの味つけにしても負けないし、おいしいだしが出るのもいいですね」
そんなおいしさに加え、健康にいいこともしいたけの魅力だと、伊藤さん。
「しいたけは食物繊維が豊富で、コレステロールや血圧の低下にも役立つといいます。私たちが丹精こめた、おいしい健康食材しいたけを全国のみなさんにお届けしたいですね」 |
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元気に育った生しいたけをいっしょに見つめる伊藤さんと瀬戸口さん。しいたけのかわいさに瀬戸口さんも思わず顔がほころびます。 |
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宮城県仙台市出身。セツモードセミナー在学中に「諸国空想料理店 kuukuu」に入り、料理の道へ。雑誌・ムックなどでレシピを披露するほか食堂のイベントなども開催。1児の母。
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