




マイコプラズマ感染症ってどんな病気?
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマと呼ばれる菌が原因の呼吸器感染症です。一般的な肺炎とは異なり、子どもがかかることが多い病気で、高齢者が感染するケースは少ないとされています。新型コロナウイルス感染症の流行前は、マイコプラズマ肺炎は世界的に3~7年ごとに周期的な流行がみられていました。今回は2016年以来の大きな流行となっています。
昔、マイコプラズマは真菌(しんきん・酵母やカビ、きのこなどを含む生物群)に分類されると考えられていましたが、近年の研究で細菌に分類されることがわかりました。
ただし、一般的な細菌とは構造が異なるため、通常の抗生剤は効果がありません。治療には、マイコプラズマに効果のある特定の抗生剤を使用する必要があります。
手洗いがとても有効な予防策
マイコプラズマ感染症は、潜伏期間が長いのが特徴です。そのため、感染していることに気づかない子どもがふだんどおりの生活を続けることで、ゆっくりと広がっていくことがあります。また、子どもが保育園・幼稚園や学校で感染し、その後家族にうつるケースも多く見られます。
感染は、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスと同じように、せきやくしゃみからの飛沫感染が主な経路です。そのため、次のような予防法が効果的です。
●手洗い:帰宅後すぐ、食事の前、トイレの後は石けんを使って丁寧に手を洗いましょう。目標の手洗い時間は30秒。けっこう長いですよ!
●マスクの着用:とくに人混みでは正しく着用するよう心がけましょう。
日常の衛生管理を徹底することで、感染の拡大を防ぐことができます。
せきがつらいときは、はちみつも
せきが長引いたり、せきが原因で夜眠れなくなる場合は、無理せず病院を受診しましょう。症状をやわらげる方法として、スプーン1杯ほどのはちみつをお湯に溶かして飲むか、なめるのも効果的です。ただし、はちみつはボツリヌス症を引き起こす可能性があるため、1歳未満の乳児には与えないように注意してください。

監修/工藤紀子
小児科医・医学博士、保育士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。アメリカにて子育てを経験。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。 https://noriko-kudo.com/

作/(キモト)
准看護師免許を持つ漫画家。「子どもたちに健康と元気を届けたい」という思いで、子どもがかかりやすい病気や、体のことについてユーモラスなキャラクターで紹介している。「親子で一緒に学んで、病気に負けない強い体づくりを日頃から心がけてほしい」。
公式サイト:「なおせ!トリートマン」
X:https://twitter.com/136teatman
