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2026.06.23

津田健次郎さん 映画『それいけ!アンパンマン』最新作への思い/「冒険の旅に年齢は関係ない」

人物像が立体的に浮き出てくるような声の持ち主として、多くの支持を集める津田健次郎さん。さまざまな作品でその実力を見せてきた津田さんですが、今回満を持して映画『それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星』で「それいけ!アンパンマン」シリーズに初出演。冒険家・ニャックルを演じる今作への思い、そして、ご自身やお子さんの食に関するお話などを伺いました。

ニャックルの一つ一つの言葉に重みを

――今回、演じられる冒険家・ニャックルは、どんなキャラクターと捉えていらっしゃいますか?

冷静で大人で、風来坊的な魅力も持ったキャラクターだなと思います。
その昔、パンタンと“虹の星”をめざしたこともあるので、そういった意味ではパンタンの師匠的な面もありながら、いっしょに冒険をする同志みたいな存在なのかなと感じています。

――物語の鍵となるキャラクターとして、どのようなことを大切にお芝居をされましたか?

遠い昔にニャックルと交わした約束が、パンタンの人生を大きく左右する。そう考えると、印象に残る重厚感みたいなものが大切だと感じて、一つ一つの言葉に重みを持たせることができればと思っていました。そこに、ニャックルのやさしさや温かさがにじみ出るような、どこか包み込むような雰囲気が出ているといいな、と。そんなことを考えていました。また、物語の中で長い月日が流れますので、若いころと年を重ねたときとで少しトーンを変えているのも意識したことのひとつですね。


――今回の作品は、“約束”が大きなテーマ。パンタンは、以前ニャックルと交わした約束を守るために旅を続けていますが、津田さんご自身が、「あの約束があったからがんばれた」というような経験はありますか?

だれかとの約束というわけではないのですが、芝居を始めたころに、何か大きなものと約束をするような感覚があった気がします。だれかが声を発したわけでも、実際に聞こえたわけでもないのですが、芝居に向き合う自分が何か大きなものに見られている。そんな感覚がありました。


――お天道さまが見ている、という感覚に近いんですかね。ある意味、自分を律するための、自分との約束のような感じでしょうか。

そうかもしれませんね。スピリチュアルな意味合いではないのですが、何か大きなものに見られている感覚は、今もずっと続いている気がします。

冒険、挑戦をすることに年齢は関係ない

――多くの子どもが見るであろう作品ということで、お芝居に何か影響する部分はあるのでしょうか?

ひとつのキャラクターを演じるということに違いはないので、あまり意識しなかったですね。ただ、思い返すとリアリティ優先というより、はっきり言葉を話すということは、少し意識していたかもしれません。まだ、言葉にあまり慣れてない子もいっぱいいるでしょうから。

――たしかに。津田さんもお子さんを持つ身として、アニメが子どもに与える影響の大きさ、大切さを感じることはありますか?

やっぱり、単純に子どもって、アニメがすごく好きじゃないですか。だからこそ、作品が発するメッセージが、より届きやすくなるように感じます。もちろん、絵本や小説などからも、たくさんのものを受け取れますし、優劣はないのですが、すんなりと心に入りやすいのがアニメのよさかなと思いますね。


――子どもだけでなく、大人にも刺さる作品だと感じますが、津田さんご自身はどんなところが心に響きましたか?

僕もそうですが、パンタンが年を重ねていく、そのこと自体に大人は心を揺さぶられる気がするんです。年を取っていく悲しみ、はかなさみたいなものに「年を取るとはこういうことか」と再確認しながら、一方では、それでも冒険の旅に出るのに年齢は関係ないんだと、あらためて実感できる。そういう意味で、お子さまだけじゃなくて、いっしょに見に行くお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんにも響くものがあるんじゃないかなと思っています。

なるべく家族そろって食卓を囲むようにしている

――エンタメは子どもたちにさまざまな学びを与えますが、『こどもオレンジページ』では、食を通じて生きる力を届けることをめざしています。津田さんは、何か子ども時代の食の思い出はありますか?

子どものころからよく食べる子で、お弁当箱がすごく大きかったのを覚えています。嫌いなものや食べられないものは、ほとんどなかったですね。ただ、あえて自分から食べないものは、意外とあったかもしれません。たとえば、いわゆるコッペパンのような給食で出るパンが、あまり得意ではなくて、たまに残してしまうこともありました。きっと今、当時のパンを食べたら、おいしく感じるような気がするんです。不思議ですよね。大人になるにつれ、だんだんと好き嫌いがなくなり、自然と味の感じ方が変わっていって、特に好きではなかった野菜を、気づけばおいしく感じたりして。うちの子も、以前は本当に野菜を食べなかったのですが、いつの間にか少しずつ食べられるようになってきました。


――食を大切にすると、体感的に足りないものを欲するところはありますよね。

たしかに、体に必要だから、おいしく感じるようになっていくのかなという気はします。きっとたんぱく質が足りてないとお肉を食べたくなったり、疲れていると甘いものが欲しくなったり。無意識に、バランスよく栄養を補おうとするんでしょうね。


――父として、お子さんの食に関して大切にしていることはありますか?

休みの日だけでなく、タイミングを合わせられるときは、なるべく家族そろって食卓を囲むようにしています。料理に関しては、妻がしっかり栄養バランスを考えてくれますし、子どもが苦手なものは細かく刻んで、こっそり料理に入れるなど工夫してくれるので助かっていますね。僕が子どもに言うのは、食事中のマナー。「食べこぼしをしないように、キレイに食べよう」とか、「左手がテーブルに出てないよ」と、細かいことも、そのつど伝えるようにしています。


――いつかお子さんとやってみたい、食体験や食を通じたコミュニケーションなどはありますか?

僕は1ミリも料理ができないので、いっしょに料理をするとかはむずかしそうですが(笑)、土に触れる体験には興味があります。たとえば、いっしょに畑を耕す体験をしてみたり、いもほりをしてみたり。うちの子は、都会育ちで圧倒的に自然に触れる機会が少ないので、いつかいっしょに土に触れる体験なんかができればいいなと思いますね。


◇津田健次郎(つだ けんじろう)さん
6月11日生まれ。大阪府出身。アニメ、洋画吹き替え、ナレーターなどの声優業、舞台や映像の俳優業を中心に、映像監督や作品プロデュースなど幅広く活躍。2020年には「第15回声優アワード主演男優賞」を受賞。『それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星』のほか、上演中の「劇場版モノノ怪 第三章 蛇神」、8月21日公開の「劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS」など多数出演。


PickUp

『それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星』
6月26日(金)全国ロードショー!
公式WEBサイト

遠い昔、冒険家のニャックルと交わした大切な約束を守るため、旅をしていたレッサーパンダのパンタン。しかし、あるとき、ばいきんまんの赤ちゃんスプレーを浴びて子どもの姿に! アンパンマンたちに助けられ、気持ちを新たにクリームパンダと虹の星をめざすことになった。何があってもあきらめないと旅を続けるパンタンたち。はたして、パンタンは今度こそ約束を守ることができるのか!?

©やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV ©やなせたかし/アンパンマン製作委員会2026

撮影/山越 隼 ヘア&メイク/ハラタ タケヒコ(Artsy Life) スタイリスト/井田信之 取材・文/宮浦彰子

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