生まれたときからまわりはデジタルの海。こどもたちがおぼれないようにするにはどうしたらいいでしょうか。 あふれるほどの情報の海に身を置いているこどもたちが、トラブルを避けることは困難です。こどもとデジタルのつきあい方を考えてみませんか?
第2弾は、動画とゲームを楽しむためのルール設定について解説します。
第1弾では、「本格的に使いはじめる前に知っておきたいこと」を解説!
最初に厳しめのルールを設定し、少しずつゆるめて
「動画を見るのがやめられず、取り上げると泣いてしまう」「外に遊びに行くより、家の中で動画を見て過ごしたがるようになった」といったお子さんもいるのでは? 動画やゲームを楽しむためにはルール設定が大切です。
まず、「時間」と「使用場所」を決めましょう。決まりを設けても約束どおりにいくとはかぎりませんが、最初は「ゲームや動画を楽しむためにはルールがある」ということ自体に慣れる必要があります。
そして、決まりは途中から厳しくすると、「守ろう」という気持ちより、「なぜやらせてもらえないの?」という反発のほうが強くなります。一度決めたゆるいルールを引き締めていくのはむずかしいので、最初によく考えて約束を設けましょう。
動画やゲームを楽しむために決めておきたい3つのこと
1.使用時間
きりのいいところまで……とすると、時間をオーバーしがち。超過することを見越して、遊ぶ時間を短めに伝えておき、「あと5分だよ」などと声がけして、スムーズな離脱をサポート。延長するときは、「おまけ」で時間を延ばしたという形にすると、満足感が増します。
2.使用する場所
大人の目の届くところだけならば、危険を早く察知できます。オンラインの対戦ゲーム中でも「そろそろごはんよ」など、相手に聞こえるように声がけすれば、ゲームの輪から抜けやすくなります。
3.使っていい時間帯
深夜や早朝など、親の目が届かない時間に使って、気づかぬうちにのめり込んでしまうことも。使用時間の長さだけでなく、「使っていい時間帯」を決めておきましょう。
ルールを決めるだけでなく、ペアレンタルコントロールは必須!

ルールを決めるだけでなく、どの機器でもペアレンタルコントロール(機能制限)は必須です。ペアレンタルコントロールでは、アクセスするサイトやアプリのダウンロード、課金、使用時間、通信する相手などを指定できます。
しかし、一方的に厳しく制限すると、こどもが隠れて制限を解除したり、うそをついたりして逆効果です。動画サイトには制限のはずし方なども多数紹介されていて、「抜け道」を完全にふさぐことはできません。使い方を随時チェックしながら、こどもの求めに耳を傾ける余地も残しましょう。
「動画」は時間&内容をチェック。親が先に視聴して
Web コンテンツは視聴内容や時間をチェック。「スクリーンタイム機能」で使用時間が確認できます。また、YouTube は検索・再生履歴などに応じて似た動画が「おすすめ」として表示されます。こどもに見せたいコンテンツを先に保護者が見ておけば、関連動画がひもづけられます。
「ゲーム」はつながる相手をチェック。フレンド機能はオフに
オンラインゲームは不特定多数の人とつながり、対戦や協力プレーができる機能があります。しかし、チャット内容から個人情報を特定したり、言葉巧みに誘い出したりする事例もあります。未成年はリアルな友達としかつながらないのが基本です。
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第1弾「本格的に使いはじめる前に知っておきたいこと」も参考に!
◇監修/高橋暁子(たかはし・あきこ)さん
ITジャーナリスト。成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用実態とトラブルに造詣が深く、先駆者として、安心な利用方法を啓発。著書に『若者はLINEに「。」をつけない 大人のためのSNS講義』(講談社α新書)など。