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三ヶ月ぶりに髪を切った。われながら若返った感じ。伸ばしてみてそれはそれで気に入っていたけれど、サロンの人がすすめる短めのスタイルの方がやはり似合いそう。
もうひとつの発見は、ふくらみを出すのに必ずしもパーマは要らないのだなと。前の私はこう思っていた。皮膚がたるみ重心の落ちてくる顔の欠点をカバーするには、頭頂部の髪にボリュームを持たせることが必要、それにはパーマが必要と。でもカットの仕方によってはパーマなしでもふくらみを実現することができる。たぶん毛量の調節とかレイヤーの入れ方とか、微妙な技があるのでしょう。最近通いはじめたサロンです。
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そのサロンには婦人雑誌の取材で行く機会を得た。切ってもらっている途中からすでに「うん、なんかいい」と感じて、「次回から自分のお財布でも来られるかしら」と周囲に人がいない間に価格表をすかさずチェック。婦人雑誌に載るだけあり、価格はややセレブめで、その先生のカットが一万円ちょっと。私がふだん行っている美容院のカット料金より高い。
しかしキレイが長持ちする。三ヶ月も間があいてしまうと当然伸びるが、その間ずっといい感じの形を維持していた。前の美容院ではひと月半が限界で、前髪はそれすら待てなくて発作的に鋏を入れては「あっ、自分で切ったでしょう」と痛い指摘をされていた。ややセレブめ価格でも月割りすれば、むしろ安いと考えていいのでは。パーマをかけなくてすむのも、コストパフォーマンスを上げている。前はひと月半に一回必ずかけていた。
洗髪後も楽。パーマのうねりをブローで力いっぱい伸ばしたり、ふくらみを持たせるのは巻いたり盛ったりもしなくてすむ。腕を肩より上げ続けヘアスタイルを整える作業をする根性が、年々なくなってくる身にはありがたい。
- 「年をとったらカットの上手いところを探しなさい。パーマよりも何よりもカットは土台よ」
年長の女性が言っていた意味が、はじめてわかった。
切ってもらうとき、自分のしたい髪型にあまりこだわらないこともだいじ。女性政治家にまま、いませんか。ヘアスタイルだけ時が止まっている、というかヘアスタイルだけ時を止めてしまっている人。たぶん「あの髪型はけっこうイケてた」と思うスタイルが誰にでもあるだろうけど、顔そのものが少しずつ変わるし、その時々で「現役感」があるとされるスタイルも変わるもの。したい髪型が、今の自分にベストな髪型とは限らないのだ。
でもロングヘアへの憧憬はいまだ捨てがたい私。どうしてもしたいと思ったら、先生に相談しよう。