子育て中なら誰もが思い当たる、「こどもの食」にまつわるお悩み。
「どうしたらいいのかな」と一人で抱えていたら、ブルーになっちゃう……。そんなときは、まわりの人にどんどん相談してみるといいかも!
子育てと教育学のスペシャリスト、汐見稔幸先生に相談するシリーズです。
今回のお悩みはこちら!
「箸の持ち方や姿勢、音をたてて食べるなど、食事中の行儀の悪さが気になります」
子どもに食事のマナーを教えるのは大変……。でも、行儀の悪い食べ方はとても気になります。先生、マナーを身につけさせるいい方法はありますか?ぜひ身につけてほしい食事のマナーは、
ゲーム感覚で楽しく伝えることが大切です。
汐見先生「同じ食事空間にいる人を不快な気持ちにさせないことは、人間関係を円滑にすることにもつながります。とくに箸をきれいに持てないと、見た目の印象が悪いだけでなく、食べ物がうまくつかめず、犬食いや迎え舌の原因にもなってしまうんですよ」
なんと……。
箸をきれいに持つことの大切さを実感しました。そして、行儀よく食べることが人間関係をよくすることにもつながる、ということは、本当に大切なことなんですね。
汐見先生「そうですね。まあ、でもあまり深刻にならず、ごほうびを用意したり、『だれがいちばん音を立てずに食べられるかゲーム!』というような、遊びの延長にするのもいいですよ。食事の時間が楽しくなる工夫をしてあげてください」
ちょっと気持ちが楽になりました(笑)。ゲームにしたら、子どもが喜んでやってくれそうです。
汐見先生「あれしちゃダメ、これはダメ、ばかりでなく、上手にできたら必ずほめてあげて。みんなで楽しく食べ、『食事は楽しい』と子どもに思ってもらうことが、じつはいちばん大切なんです。食事マナーは習慣なので、3歳くらいから、根気よく、ていねいに教えていってくださいね」
汐見先生、ありがとうございました!
『楽しい食卓』の雰囲気を作るように心がけつつ、あせらずに食事マナーを教えていきたいと思います。
お話をうかがったのは……
汐見稔幸先生
東京大学名誉教授、日本保育学会理事、一般社団法人 家族・保育デザイン研究所代表理事。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。NHK Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみ。世界中の知見を集め、「これからの保育」を提言しつづけている。
(『楽しく食べれば、生きるチカラが身につく! こどもオレンジページ No.3』より)
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