未来を担うこどもたちにとっても、これらについて知ることはとても大切です。
ふだんの食卓で、こどもにとっても身近な食べ物の話から親子で話してみるのが第一歩。こどもにも分かりやすく伝えられるように、食のクリエイティブチーム「honshoku(ホンショク)」代表の平井巧さんに教えてもらいました。
※1 「食品ロス」は「まだ食べられるにもかかわらず、なんらかの理由で廃棄される食品」のことを指す言葉。諸外国では「Food Loss&Waste(フードロス アンド ウェイスト)」という言葉を使うのが一般的。おおまかに言うと、以下のように区別される。
・Food Loss~食料品が生産、収穫されて貯蔵や加工を経て流通される間に発生する、まだ食べられる食品の廃棄
・Food Waste~小売店や外食店、家庭で発生する、まだ食べられる食品の廃棄
世界の食料の1/3が捨てられている
国連食糧農業機関(FAO)によると、毎年世界で生産される食料のうち、1/3※2にあたる約13億トンが捨てられているのだそう。捨てられる理由は、国や地域によってさまざま。
食べ残しや売れ残りのほか、規格から外れた農産物やパッケージの印刷ミスなどによる不良品など、充分食べられるものがたくさん捨てられているんです。
※2 国連食糧農業機関(FAO)「世界の食品ロスと食料廃棄(2011)」より
日本では、毎日1人がおにぎり1個分の食料を捨てています
日本で1年間に出る食品ロスは約522万トン(令和2年度)※3
この数字だけではイメージしにくいですが、国民1人あたりに換算すると、なんと毎日おにぎり1個分の食べ物を捨てていることに!
このうち半分近くは家庭から出ているそう。企業や小売店からだけでなく、家庭からもたくさん出ている食品ロス。ということは、1人1人の小さなチャレンジから、大きく食品ロスを減らせる、ともいえそうです。
※3 農林水産省「日本の食品ロスの状況(令和2年度)」より
食品ロスを減らすチャレンジ
家庭から出る食品ロスは、消費期限・賞味期限が近いものを選ぶなど買い物の仕方や食材の使い方など、毎日のちょっとした工夫で減らすことができます。こどもといっしょに、親子で「もったいない」を1つずつなくすことからはじめていきましょう。半端食材をおいしく調理
中途半端に残った食材も、別の料理に活用すれば使い切れるもの。たとえば、残ったごぼうやほうれん草をカレーに入れたり、余ったねぎやにんじんをお好み焼きに入れるなど。使いきれずに捨ててしまう、がなくなりますよ。
持て余し食材で料理会
自宅にある「使い切れない」「余ってしまった」食材をみんなで持ち寄り、おいしく料理していただく「サルベージ・パーティ」が注目されています。「サルベージ」は「救い出す」の意味。「どうやって食べようか?」とこどももいっしょにゲーム感覚で調理すれば、楽しく食品ロスについて考えるきっかけになるはず。
ほかにも、コンポストを取り入れたり、フードバンクに食品を寄付する、などのチャレンジも。自治体ごとにそれぞれの取り組みをしているところも多いので、チェックしたり問合せしてみるところからはじめてみるのもいいですね。
(「こどもオレンジページ No.2」より)
関連記事
SDGsの第一歩! 「もったいない」をなくして、ラスクを食べよう!
食事を通してこどもの〈想像力〉を育てるペンシルベニアの一家
食も人も「いろいろ」なのがイイ! スリランカに住む日本人ファミリー