読者9名で結成された「おなか元気部」。毎回、顧問の指令を受けて、家族の健康のためにおなかにイイコトを学んで実行します!
腸は「人体最大の免疫器官」と呼ばれているんだ。免疫力は、健康にとっても大切! ということで、腸の働きに詳しい、医学博士・山口トキコ先生に、腸内環境と免疫力の関係について取材してきなさ~い!
東京女子医大大学院卒。東京女子医大一般外科医局で研修後、社会保険中央総合病院・大腸肛門病センター勤務を経て、2000年にスタッフ全員が女性のマリーゴールドクリニックを開業。著書に『最新版 本気で治し たい人の腸の不調』(学研)などがある。
雨宮部員 先生、今日は腸についてまずは基本的なことから教えてください!
山口先生 はい、腸の部位それぞれの役割から説明しましょう。
全員 お願いしま~す!
山口先生 食べ物は口から入り、食道と胃を通って十二指腸にいきます。十二指腸も小腸の一部で、小腸は長さが6~8mもあるんです。そして、大腸を通って、肛門にたどり着きます。胃と十二指腸の役割は、消化がメイン。小腸は、消化されてドロドロになった食べ物から栄養素を吸収する働き、大腸は水分の吸収がメインで、ドロドロしていた食べ物のカスは、大腸を通る過程で固まって、便になるんです。
大槻部員 なるほど! 名前は知ってるけど、それぞれの役割は把握していませんでした。
山口先生 「免疫」とは、体内に異物が入ってきたとき、体から排除して守ろうとする働きのこと。表面積が大きく、栄養を吸収する小腸には、全身の6割くらいの免疫細胞が集まっています。
長嶺部員 じゃあ、免疫に関係するのは、小腸?
山口先生 ところが、大腸にも免疫機能があり、さらに、大腸にすむ腸内細菌が、免疫力と大きくかかわっているということがわかってきたんです。腸内細菌は大きく分けて、「善玉菌」「悪玉菌」と、そのどちらか多いほうに加勢する「日和見菌」の3種類。悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす習慣を心がけることが免疫力アップにつながる重要なカギとなります。
雨宮部員 具体的にはどんな習慣ですか?
山口先生 食事がとくに重要。食物繊維が豊富な野菜や玄米などの穀類、果物、海草などをまんべんなくとること。善玉菌が豊富に入っている乳酸菌飲料やヨーグルト、おみそなどの発酵食品を積極的に取り入れるのもいいですね。善玉菌のえさになるオリゴ糖もおすすめ。また、水分も一日に2リットルくらいとりたいですね。食事にも水分が含まれるので、1.2~1.5リットルを目安にしてください。あとは、ストレスをため込まないこと、適度な運動や睡眠も大切です。
大槻部員 腸内環境がいいか悪いか、自分で判断する方法はあるんですか?
山口先生 便の状態で判断できますよ。腸内環境のよい便は、やわらかいソーセージのようで、練り歯磨き粉くらいのなめらかさ。においはあまりないほうがよいですね。色は黒っぽいと悪玉菌が多くなっている可能性大! また、便は80%が水分なので、いい便は、一部が浮くんです。
大槻部員 いつも、よく見ないでさっと流してしまっていました!
長嶺部員 茶柱が立つみたいに、「今日は浮いてるから、いいことあるぞ!」という感じでしっかり確認しないとだめですね。
山口先生 そうそう(笑)。免疫力アップはすべての健康につながりますから、きちんと愛情をこめて確認してあげてくださいね!
撮影/Hiro イラスト/ヒツダ キヨミ ヘア&メイク/伊藤佳奈(Bliss)
取材・文/小澤理奈(レ・キャトル)