インフルエンザってどんな病気?
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症。国内で毎年約1000万人、約10人に1人が感染しています。A型、B型、C型という型の種類があり、症状に違いはありますが、対処法や予防法に違いはありません。インフルエンザのワクチンは、年ごとにどのウイルスの型が流行するかを予測して、毎年製造されています。ワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。最近耳にするフルミスト®︎ってどんなワクチン?
経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(商品名:フルミスト®︎点鼻液)は、日本初となる鼻へ噴射するタイプのインフルエンザワクチンです。2003年に初めて米国で承認され、2023年4月時点で36の国と地域で承認されています。日本では、2023年3月に製造販売承認がなされ、実際の接種は今シーズンから開始されることになりました。2~18歳が対象で、注射のタイプと同様の予防効果、つまり発症予防効果と重症化予防効果があります。噴霧接種後、2週間後くらいから抗体ができてきます。効果は1年ほどといわれており、注射タイプのインフルエンザワクチンが5カ月程度と考えると、季節外れのインフルエンザにも効果が期待できます。副反応としては、半数くらいの人に鼻づまりや鼻汁が出ることがあります。
注意点もあり、フルミスト点鼻液はゼラチンアレルギーのあるかたは接種できません。そのほか、ぜんそくのかたなど接種に注意が必要なかたも。接種後1~2週間は、重度の免疫不全者との密接な接触は避けるようにしましょう。
かかりつけの医師とよく相談し、接種するのか、接種するなら何を接種するのか、決めていきましょう。
インフルエンザにかかったら
インフルエンザは症状が急速に進行する病気。ぐあいが悪くなったら、医療機関を受診しましょう。発症してから12~48時間に受診するのがよいでしょう。タミフル®︎、リレンザ®︎、イナビル®︎などの抗インフルエンザウイルス薬は、症状が出てから48時間以内に服用を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量も減少します。まわりの人に感染する可能性のあるインフルエンザは1~3日の潜伏期間があります。発症前と、発症してからの3~7日間は人に感染するおそれがあるため、熱が下がっても感染を広げないよう、むやみに外出するのは避けましょう。登園・登校は、発症してから5日間、かつ解熱してから2日(幼児の場合は3日)経過するまで、出席停止とされています。
家では水分と睡眠をしっかりとり、安静にして充分に休養することが大切です。
監修/工藤紀子
小児科医・医学博士、保育士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。アメリカにて子育てを経験。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。 https://noriko-kudo.com/
作/(キモト)
准看護師免許を持つ漫画家。「子どもたちに健康と元気を届けたい」という思いで、子どもがかかりやすい病気や、体のことについてユーモラスなキャラクターで紹介している。「親子で一緒に学んで、病気に負けない強い体づくりを日頃から心がけてほしい」。
公式サイト:「なおせ!トリートマン」
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