





「チョコレートの食べ過ぎで鼻血が出る」ことはない
未就学児(とくに男子)に多い鼻血。そのほとんどは鼻の中の粘膜が傷つくことによる出血です。こどもは無意識に鼻をほじったり触ることが多いので傷つきやすく、一度傷がつくと少しの刺激で血が出やすくなります。また、風邪や鼻炎などにより鼻を頻繁にかみ、粘膜がむくんで充血しているときも、鼻血が出やすくなっています。
誤解されがちですが、チョコレートの食べ過ぎやエッチなことを考えて鼻血が出るということはありません。
予防としては、「鼻をほじらないようにする」というのがいちばん。また、アレルギー性鼻炎で粘膜がかるい炎症をおこしているときは、ステロイドの点鼻薬も効果的です。
鼻血が出たら「前かがみで小鼻をつまむ」と覚えましょう
鼻血が出てしまったとき、血がたれないように上を向きたくなりますが、それはNG。鼻血がのどに入り込まないように、少し前かがみになり小鼻をつまむように圧迫するのがよいでしょう。鼻を冷やすことも、血管が収縮するので有効です。鼻血をティッシュでふくのはいいですが、穴の奥までティッシュを詰め込むのは、鼻の粘膜を傷つけたり入り込んで取れなくなるおそれがあるので推奨できません。鼻血が出るとびっくりしますし、鼻血がなかなか止まらないと心配になりますよね。上記のような効果的な方法で15分以内に血が止まればまず大丈夫。血液の病気を疑って受診される方もいますが、その場合鼻血以外に青あざが増えるなど他の症状も出てきます。鼻血だけの症状で心配しすぎる必要はありませんが、不安な時は受診して相談してみると良いかもしれませんね。

監修/工藤紀子
小児科医・医学博士、保育士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。アメリカにて子育てを経験。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。 https://noriko-kudo.com/

作/(キモト)
准看護師免許を持つ漫画家。「子どもたちに健康と元気を届けたい」という思いで、子どもがかかりやすい病気や、体のことについてユーモラスなキャラクターで紹介している。「親子で一緒に学んで、病気に負けない強い体づくりを日頃から心がけてほしい」。
公式サイト:「なおせ!トリートマン」
X:https://twitter.com/136teatman
