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広いビニールハウスには、列ごとに違う色のプチトマトが植えられています。受粉のために働くミツバチも元気に飛び回っていました。 |
鈴なりに実をつけたプチトマトの房。垂れ下がった房の根元のほう、大きく実ったものから順々に、かわいらしく色づいていきます。 |
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1969年生まれ。東京のホテルの厨房で働いたのち福島へ帰郷。実家の農家を継ぎ、トマトの生産を開始。大玉から始め、8年前にプチトマトを手がけるようになりました。 |
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須藤さんによるデザート〈レモンシャーベットのトマトカクテル漬け〉。フルーツみたいな虹トマトのシロップ漬けを飾って。 |
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 手前中央が須藤満さん、右は奥さんの直美さん、左は本田よう一さん。奥はいっしょに働く八巻イツコさんと皆川和弘さん。八巻さんは原発事故のため飯舘村から避難してきているベテランのトマト農家さんです。 |


つやつや輝く赤に黄色、ピンクにオレンジ、それに紫。日の光が降り注いでぽかぽかのビニールハウスで、色とりどり5色のプチトマトを作っている須藤満さん。以前は大玉のトマトだけを作っていましたが、「おいしいだけでなく、何かおもしろいものを作りたい!」との思いから、プチトマトの栽培を開始。最初は赤と黄色の2色から始め、1年ごとに1色ずつ、色を増やしていったとか。

そうして完成した5色を一つのパックに詰めたカラフルなプチトマトの名前は「虹トマト」。18歳になるお嬢さんの虹花さんの名前からつけたという須藤さん、よきパパです。
「プチトマトの育て方は、土ではなく容器の中で自動的に水と肥料を与える水耕栽培。農薬は使わずに、中から健康にトマトを育てています。手はかかるけど、そのぶんトマトはかわいいですね。毎朝ハウスに来ると、『おはよう』って声をかけちゃうくらいです(笑)」
そう語りながらいとおしそうにトマトを見つめる須藤さん。トマト作りへの情熱を感じます。

さて愛されて育てられたプチトマトを味見した本田よう一さんは、笑顔でこんな感想を。
「甘すぎず酸味もあり、味のバランスがおいしく整っていて、僕が『こんなだったらいいな』と思っていたとおりの味! きれいな色彩が与えられて、料理にも使いやすいですね」
それを聞いた須藤さんも、「うれしいな。それをめざしていたんです!」と、とびきりの笑顔に。そして読者のみなさんへ向けて、こんなメッセージをくださいました。
「プチトマトは今、福島の遅い春から夏にかけてが、いちばんおいしくなるとき。みなさんの食卓を、僕らが丹精こめた虹トマトで楽しく飾っていただけたら、うれしいですね」 |
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ときどき熟れたプチトマトをつまみ食いしながら、トマトについて楽しそうに語り合う須藤さんと本田さん。同郷でもあり、話もはずみます。 |
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1983年生まれ、福島県・泉崎村出身。料理カメラマンとして活動を始め、2006年料理家に。野菜をたっぷり使い、素材の味を生かす料理が評判。あったかふくしま大使として活動中。「ふくごはん」にて、福島の野菜を使ったレシピを毎週更新中。
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