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オレンジページパン部部長・ムラヨシマサユキさんの今月のパン便り
オレンジページnetのパン好きの、パン好きによる、パン好きのためのページ「オレぺパン部」。その部長に、自他ともに認めるパン好きの料理研究家・ムラヨシマサユキさんが就任! 部長ムラヨシさんのパン愛に満ちた日々を月1回、お便り方式でお届けします。

パナソニック滋賀工場で、ホームベーカリー ビストロのおいしさの秘密を探ってきました!

2023.07.10

こんにちは! パン部の部長・ムラヨシマサユキです。

今回は大人の工場見学! ホームベーカリー ビストロを作っているパナソニック滋賀工場に行ってきました。 

工場に到着すると、まずびっくりしたのは敷地の広さ! 端から端まで歩いたら20分はかかりそうです。製造工場のほか研究棟もあり、中はまるで迷路みたい。 


訪れた調理実験室では、ホームベーカリー ビストロで作ったパンがずらりと並んでいます。焼きたてのいいにおいが漂う中、Panasonic Cooking @Labホームベーカリー部の高濱あつみさんにお話を伺いました。

1「ホワイトライン」の秘密

ぼくが思うホームベーカリー ビストロのすごいところ、1つ目は山形食パンのおいしさを示すホワイトライン(上部の角の白いライン)がしっかり出ること。

ホワイトラインとは、パン生地がふくらんで焼き色がつき、表面が乾燥してきたところで、さらにふくらんでできる裂け目のことです。このホワイトラインができているパンは口当たりがさらっとして上質なんですよ。


ほら、ここ! コレ、ほかのホームベーカリーではなかなか出せません。しっかりこねられてグルテンが鍛えられ、適切な温度で発酵し、一気に火力を上げて焼き上げないとこうはならないはず。

このホワイトラインがしっかり出るホームベーカリー ビストロは、それだけしっかり、手ごねと同等以上にこねられているというあかしです。


こだわり製法で焼き上げるための研究をちょっとのぞかせていただきました。

さまざまな湿度・温度でパンを焼く「恒温恒湿室」内には、何台ものホームベーカリーが動いています。透明のカバーを置いて、庫内環境が変わらないようしているんですよ。練っている最中の状態も確認しやすいですね。



こちらの機械は、なんと食パン表面の焼き色を測る機械だそう。こんなところまで数値化されているんですね。

2イースト容器の秘密

ぼくがホームベーカリー ビストロを使っているとき、いつも気になっていたのは「ドライイーストが落ちたんだな」ってタイミングでパチパチッと鳴る音。何かをたたいているような音がするんです。

「もしかしたら、イーストをケースの中にはたき落とす機能がついているのでは?」
ぼくの推理を高濱さんにぶつけてみたところ……



「そんなところにまで気づいてくれたんですね!?」ってはじける笑顔で驚かれました。うれしい! 推理は的中!!

イースト容器にドライイーストを入れると、静電気と湿気でどうしても中にはりついてしまうため、刺激を与えることでイーストを全量、ケースの中へ落とし入れる仕組みになっているそうです。

袋入りの粉末調味料を最後まで出したいとき、パンパンと指ではじくのと同じ原理ですね。人間が自然とやっているような動きを、機械にちゃんと組み込んでいるなんてすごいなあ。

<オフショット>

ずらりと並んでいるパン(全部ホームベーカリー ビストロで作られたもの)にテンションが上がって、つい撮影してしまいました!



続いて訪れたのは、技術実験室。調理器技術部の大槻和也さんにもお話を伺いました。

3おいしさを左右する「練り」の秘密

ここでは、ふだん見ることができないビストロ パンケースの断面を見せていただきました。
内面の突起(リブ)と羽根のすきまを極力狭くすることで、力強い練りを実現しているのだそう。



生地を「たたく」「のばす」を3次元で行うプロの技法を取り入れ、ただ力強く練りつづけるのではなく、低速から高速まで緩急つけながら立体的に練るようプログラミングされているそうです。

「ホームベーカリーを開発してきた諸先輩から受け継いだ技術をさらに追求しているので、もう工夫できるところがないくらい突き詰めています」と大槻さん。 

技術の粋がここに詰まっているんですね。ホームベーカリーという機械も、人間の手によって、人間の努力の積み重ねでできたものなんだなあと、感慨深く思いました。

4「安全に壊れる」ための秘密

今日特にびっくりしたのが、ホームベーカリー ビストロは壊れ方まで徹底的に追及しているという話。

熱を扱っている商品で怖いのは長年使っていて壊れた際、外に熱が漏れ出て火事になることです。そんな事態が起きないよう、何度も何度も耐久テストを行い、もし壊れたとしても「無事に壊れる」よう微調整を重ねるのだとか!

しかもそれをソフト上のシミュレーターでやるんじゃなくて、実際に自分たちで機械を動かしまくって検証するそうで……毎日毎日交代でパンを焼きつづけるのだそう。想像するだけで気の遠くなる、大変な作業ですね。

本体の熱源部分も、材料の食材などが万が一パンケースから出てしまっても延焼しないよう、工夫を施した配置になっているのだとか。

技術者のみなさんの努力のおかげで、おいしいパンを安全に焼けるホームベーカリーができているんですね。今回の工場見学、とっても勉強になりました!




※パナソニックのホームページでムラヨシさんの「おいしさを探る!」レポートが公開中! オレンジページnetでもコミックレポートが掲載されているのであわせてご覧ください!

ホームベーカリービストロSD-MDX4 詳しくはこちら

ムラヨシ マサユキ
料理研究家。製菓学校卒業後、パティスリーやカフェ、レストラン勤務を経て、パンとお菓子の教室を主宰。「家で作るからおいしい!」をコンセプトにした再現性の高いレシピ、作り手に寄り添った分量の配合や作り方を日々探求中。『ムラヨシマサユキのパン教室-はじめてでも最高においしい!』(西東社)、『ムラヨシマサユキのぐる混ぜおやつ パウンドケーキとマフィン』(主婦と生活社)など著書多数。
ムラヨシマサユキ料理教室 (m-murayoshi.com)
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取材・文/高丸昌子

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