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食材からレシピを探す

東日本大震災から10年。福島の復興推進に取り組む生産者のみなさんの力で、さらにおいしさを増した魅力あふれる「福島の食」が誕生しています。そんな生産者のもとへ、中国料理店のシェフ・五十嵐美幸さんと料理家のワタナベマキさんが訪ねました。
生産者を訪ね歩き、食材の宝庫として福島の魅力と底力を再発見福島には奥羽山脈と阿武隈山地という南北に延びる2つの山並みがあり、それを境に会津、中通り、浜通りの3つの地域に分かれています。今回の訪問先は中通りと浜通り。ここは東日本大震災によって大きな被害を受けた市町村が含まれ、10年を経た今、多くの困難を乗り越えて未来に希望を持つ生産者が活躍している場所でもあります。そうした状況を耳にして、おいしい食材を求めてやってきたのは、「中国料理 美虎(みゆ)」のオーナーシェフである五十嵐美幸さんと、季節感や旬の素材を生かした料理で多くのファンを持つ料理家ワタナベマキさんのお二人。震災復興の中で福島産の食材は市場に復活し、県外でも震災前と同様に手に入るようになっていますが、実際に現地に出かけてみると知られていない魅力的な食材がまだまだたくさんあることに気づきました。『おいしい福島をもっと多くの人に知ってほしい』。 現地に足を運ぶことで、強い気持ちが芽生えたお二人のレポートをお届けします。 お世話になった生産者のみなさん
浪江町・柴栄水産/請戸漁港のすぐ近くにある鮮魚仲買業者
広野町・新妻有機農園/アヒル農法という独自の栽培法で米を育てる農家
南相馬市・武田ファーム/珍しい野菜の栽培にチャレンジしている農家
田村市・アニマルフォレストうつしの森/ラム肉と卵の販売を手がける羊と鶏の牧場 浪江町・広野町へ
浪江町・広野町を訪れたのは
「中国料理 美虎」オーナーシェフ 五十嵐美幸さん
実家の中国料理店で腕を磨き、22歳のとき、フジテレビ「料理の鉄人」に当時最年少挑戦者として出演し注目を集める。2008年、中国料理 美虎(みゆ)を開店。料理の企画・開発など料理に関連するさまざまな分野で活躍している。
初めて味わうとびきりのおいしさに感動!福島はすごいです「おいしい食材を求めて福島県にやってきました」。元気よく声をかけた五十嵐さんを出迎えてくれたのは、浪江町の請戸漁港のそばにある柴栄水産の柴さん 。昨年の4月、震災後9年ぶりに事業を再開したばかりの、活魚に力を入れている鮮魚仲買業者です。「この時期はヒラメがおいしいんですよ」と柴さん。生け簀を見学したあとにさっそくおろしたてを刺し身にして試食となりました。
「うわっ、この食感 ! なめらかなのに、身がキュッと締まってプリプリしている」 これぞ活魚ならではのおいしさ。請戸漁港で水揚げされ るヒラメは、約9割が釣ったものなので、上質な活魚として流 通させることができるのだとか。春から本格操業が予定されているので、築地で珍重されていたブランド魚のヒラメも震災前のように復活できると、柴さんの期待は高まります。
(写真左)活け締めならでの食感とうまみのある、ヒラメの刺し身。(写真右上)ヒラメは五枚おろしにして1枚 ずつ冷凍して売られている。(写真右下)柴栄水産の生け簀で、柴強さんから説明を聞く五十嵐さん。
 
「アヒルをひなから育てて生後2週間で田んぼに放すと、雑草を食べ、害虫も駆除し土壌 も豊かにしてくれるんです。なので『あひる米』と呼んでいます」と、アヒル愛にあふれた新妻さんはやさしく語ります。有機肥料だけで20年ほど栽培を続けてきた土壌にアヒルが加わり、コシヒカリのおいしいさがいちだんと増したそう。 炊きたてを味わった五十嵐さんも、「甘みがあってもちもち感もあり、うまみが強い! お米だけでおかずがいらないくらいですね。私のお店で出したらお客さんは絶対に感激しますよ」と感動しきりでした。
(写真左上)「あひる米」を試食しながら、 新妻有機農園の新妻良平さん、雅枝さんご夫妻とお米談議。(写真右)ご飯だけでおかずがいらないくらいと、五十嵐さんが味のよさを絶賛した「あひる米」。(写真左下)田んぼの稲の間を泳ぎ回るアヒルたち。役目を終えたアヒルは感謝をこめてソーセージと燻製に加工。
田村市・南相馬市へ
田村市・南相馬市を訪れたのは
料理研究家 ワタナベ マキさん
グラフィックデザイナーから料理の道へと転身。季節の野菜や体にい い食材をバランスよく取り入れた、 無理なく作れる料理レシピが人気。 旬の素材を生かした料理や常備菜 、お弁当、朝食などを紹介す る著書も多数ある。
福島の特産品として広まってほしい魅力いっぱいの食材に出会いましたワタナベさんが訪れたのは、 田村市にある羊肉の生産者。 里山の一画を夫婦で切り開い たアニマルフォレストうつしの森です。山を登っていくと羊がいる囲いの先で、吉田さんご 夫妻が出迎えてくれました。 園内を案内してもらってか ら、見晴らしのいいキャンプ場でさっそくラムのBBQ。ラムは生後12カ月未満の羊肉で肉質が柔らかく、くせのないおいしさが特徴です。吉田さんにすすめられて焼きたてを口に運んだワタナベさんは、「 柔らかくて、うまみもしっかり! 待ち望む人がいるのがよくわかります」と、お箸が止まらない様子。羊は肉だけでなく、乳も使えるので、 今後はチーズやヨーグルト作りも始めたいと、吉田さんご夫妻の夢は広がります。
(写真左)調理しやすい厚さに肉をカット。炭火で焼いたラム肉は風味満点! (写真右上)「ふれあい広場」でうさぎを抱くワタナベさんと、アニマルフォレストうつしの森の吉田睦美さん、和浩さんご夫妻。(写真右下/左)会津地鶏や烏骨鶏など4種類の卵を詰め合わせた人気の「にじたま」。(写真右下/右)黒い顔が特徴のサフォーク種は高級羊肉として人気が高い。
 
翌日は南相馬市の農園を訪問。有機肥料にこだわって 野菜を栽培している武田ファームです。畑で育っていたのは、芽キャベツ、ロマネスコなど。 ビニールハウスではアスパラ菜や春菊が青々とした葉を元気に伸ばしていました。なかでも武田さんのおすすめは芽 キャベツ。摘みたてを食べてみてほしいとのことでご自宅に戻ってみると、芽キャベツのフライがワタナベさんのもとに。「う〜ん、甘い! 柔らかくてジューシー。子どもも喜びそうですね」と味のよさに感動しているワタナベさんに、「アヒージョとか、ソテー、お肉を巻いてフライもおいしいですよ」と武田さんもうれしそうに話を続けます。武田さんの芽キャベツが福島を代表する野菜になる日も近いかもしれません。
(写真左)摘み取ったばかりの芽キャベツをフライにして試食。(写真右上)カリフラワーの一種であるロマネスコは珊瑚のような形が特徴的。(写真右下)ロマネスコの畑で武田ファームの武田幸彦さんと収穫体験も。
二人の感動場面はこちらでチェック!
※経済産業省ホームページに遷移します
ヒラメの中華風ちらしずし
ヒラメの中華風ちらしずし レシピはこちら>>
ラムと芽キャベツの煮込み レシピはこちら>> 二人がおすすめする福島の食材は、生産者のみなさんのオンラインショップのほか、「ポケットマルシェ」からも購入できます。絶品レシピをぜひ、作ってみませんか。購入サイト取扱店等の情報はメールまたは電話でお問い合わせを。

■柴栄水産
福島県双葉郡浪江町大字請戸字古川15-7
TEL:0240-23-5411
URL:http://www.shibaei.co.jp/
Email:info@shibaei.co.jp
○ヒラメは本社併設の直売所で販売、発送しています。

■新妻有機農園
福島県双葉郡広野町大字折木字東下40-3
TEL:0240-27-3352
URL:https://niitsumayuukinouen.wixsite.com/website

■アニマルフォレストうつしの森
福島県田村市船引町上移字上道135
TEL:080-5571-1305
URL:http://animalforest-utsushi.com/

■武田ファーム
福島県南相馬市鹿島区山下165
URL:https://takedafarm.localinfo.jp/

ポケットマルシェは、顔の見える生産者と直接やりとりをしながら、旬の食材を購入することができるオンラインマルシェ。登録している生産者数は約3300名、登録しているユーザーは約22万人(2020年9月時点)と日本最大の産直ECサイトです。柴栄水産の天然ヒラメは時価のためオンラインでの取り扱いはありませんが、米、ラム肉、野菜は 〈ポケマル〉からも購入できます!
詳しくはこちら>> 協力/経済産業省


撮影/飯貝拓司(取材) 豊田朋子(料理) 取材・文/唐澤 耕

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