親潮と黒潮がぶつかる豊かな海

黒潮に乗って多様な魚がやってきて、この海域で大きく育つことから、古来ここで水揚げされた魚は「常磐もの」として高く評価されてきました。
「常磐ものの魚は、大きいのはもちろん、処理のしかたも違うのよ。獲ったらすぐに洗って締めて、船の上で冷たい氷につけるから、身がさずまって(引き締まって)、とびきりおいしいの! 魚がコタコタ(くたっと)しないうちに冷やすから、全然味が違うのよ」
鮮やかな手さばきで、ひらめをお刺し身にしてくれたのは、福島県漁協女性部連絡協議会会長の久保木幸子さん。いわきで代々操業している「昭政丸」のおかみさんです。水揚げしてすぐに大量の氷水で冷やし、活け締めにすることで、魚の体温の上昇を防ぎ、鮮度を保っているそう。