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いつだったか、撮影にきたスタッフに、「大根にはくせがあるから」と言ったら、「えっ?」と驚かれたことがありました。大根はその白い姿から、あまり味に特徴がないように見えますが、実は、独特の臭みがあります。みそ汁用にだし汁で煮たとき、感じたことがありませんか。だから、日本料理では煮物にするときに下ゆでをします。米をといだあとの白く濁った水をたっぷりと鍋にはり、そこに切った大根を入れてゆでるのです。都合よく米のとぎ汁がないときは、米大さじ2を加えればOK。竹串を刺してすっと通れば十分で、そのあと表面をさっと洗ってから、あらためて煮含めます。こうすると、臭みや苦みが抜けてすっきりとした大根に、おいしい煮汁がしっかりしみ込むというわけです。
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