川津幸子さんのおうちごはんのヒント
台所仕事room
あとだき
ほんとうに、「あとだき」という料理用語があるかどうか、わかりません。ただ、うちは母がよく使っていました。ひょっとしたら、九州弁? なんのことかと言うと、たとえば魚を煮たあと、残った煮汁で野菜などを煮るのです。煮汁には、魚のうまみが溶けているので、捨てるのはもったいない。それをきっちり利用しようというもの。生臭いと嫌う人もいるかもしれませんが、わたしは小さいころから食べさせられていたので気にならず、今でも、鮭を煮た汁で万能ねぎを、いわしをコチュジャン味の韓国風に煮た汁でにらを煮ています。煮汁まできれいさっぱりなくなると、なんだか台所の始末が上手くできたようで気分がよく、明日は何を作ろうかなと意欲がわいてきます。
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