川津幸子さんのおうちごはんのヒント
台所仕事room
ごはんのよそい方
「一回盛りはだめよ」。子どもの頃、ごはんを盛るとき、よく母にこう言われました。面倒くさいから、いっぺんで全部盛りたかったのですが、「それは、仏様にあげるとき。盛ってしまったのなら、からでいいから、もう一度盛るしぐさをしなさい」とも。実際、一回で盛ったごはんは、見た目がきれいではありません。やはり、最初は六分目、次に八分目までたして、中央が少し盛り上がっているのが、茶碗にも映えます。そういえば、ごはんを盛ることを「よそう」といいますが、ものの本によると「装う」という言葉からきているとか。「装う」を辞書で引くと「身なりや外観を美しく整える」とあり、「よそう」はごはんをおいしそうに整える意味だとわかります。日本人的心ですね。
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